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#28「グレイブエンド(墓端)通りの少年」前半,意訳(3190字程; 2020/10/30, VOA Learning English)

(英文元記事2204words)

編集者ノート:この企画は、英語学習者のためのアメリカ短編物語の週刊マルチメディア(複合媒体)シリーズです。各物語には、動画、音声、クイズ、教師のための授業計画例がついています。この物語を読んで聞いて楽しんで下さいね。サイトの頁の最下段に、あなたの疑問やコメントもお寄せください。

 10月31日はハロウィーンです。古来の祝日にちなんで、わが社のリポーターで、かつ、プロデューサーである Caty Weaverの書いた物語をお届けします。題して、「グレイブエンド(墓端)通りの少年」('The Boy on Graves-End Road')。


1.Kelly Ryanは夕食を作っていました。彼女の10歳の息子 Benjaminは、居間でテレビを見ていました。あるいは少なくとも彼女は、そう思っていました。

KELLY:ベニー坊、黒豆と小豆(あずき)どっちを食べたい?

BEN:小豆。お母さん。

KELLY:ああ! やめて、ベン。ビックリしたわよ。もうすぐに食べられるからね・・・。

 Benは、お母さんの後ろからそーっと驚かしたのです。


KELLY:迎えに行くからね。いたずら坊。

 Kellyは、電話をとろうとしたが、触ったとたん鳴りやんでしまいました。

KELLY:変ねー。ああ、豆、豆!

 Kelly は、料理に注意を戻しました。料理にとりかかろうとしたら、また、電話が鳴りました。

KELLY:坊や、電話に出てくれる?


2.BEN:もしもし。ああ、はい。覚えてるよ。そうだね、面白そうだね。母さんに聞いてみるよ。ちょっと待っててね。母さんは君のお母さんと話したがってるかも。ああ、うん、オーケー。明日ね。

KELLY:ベン。ごはんと小豆、テーブルに用意できたわよ。一緒に食べましょう。


KELLY:で、何の電話だった?

BEN:ウォレス・グレイだよ。知ってるでしょ。僕のクラスの友達だよ。「明日遊ぼう」って。放課後、一緒に帰ってきていい?お願いだよ。お母さん。お母さんが仕事から帰ってくるまでここで待ってるの退屈でさー。

KELLY:だけど、彼の親御さんも知らないわよ。親御さんと話してみないとね。多分。

BEN:だめだよ。お母さん。彼は、ベビーシッターと一緒なんだよ。夜遅くにしか両親は帰ってこないって、朝は彼より早く家を出るって、言ってたよ。お願いだよ。お母さん。ウォレスは墓端通りのところに住んでるんだ。ここから5分で行けるよ。お願い。

KELLY:まあ、いいわ。その子、そんなにいい子なの?いったい。友達がたくさんいるでしょ。

BEN:そうだね。だけど、ウォレスはちょっと違うんだよ。彼は想像力がすごいんだ。


3.学校の1週間が過ぎ、Benほぼ毎日、Wallaceと一緒に帰宅し始めます。Kellyは、息子の変化に気づきます。彼は疲れていて、内にこもった感じになりました。彼の眼は、彼女をちゃんと見てないように思えます。眼に・・・生気がない。金曜の夜、話し合うことにしました。


4.KELLY:坊や、この頃どうしたの?とても疲れていて、遠くにいるように見えるわ。何か困ったことがあるの?新しいお友達と喧嘩したの?

BEN:違うよ。お母さん。僕たちはうまくやってるよ。何も困ったことなんてないよ。どうしてお母さんは、ウォレスが好きでないの?彼を知ってもいないのに、彼を信じていない。

KELLY:ベンジャミン、何のことを言ってるの?ウォレスを嫌いなんてことないわよ。だけど、彼を知らないっていうのは、そうね。ただ、あなたは、あなたらしくないのよ。ここ何日か、夜、あなたはともて物静かになったわ。

BEN:ごめんなさい、お母さん。僕はただ疲れてるだけだよ。ウォレスとはうまくやってるよ。警官と強盗のようなゲームをいくかしたんだよ。だけど、それらはとてもリアルで、時間の半分は、別世界にいるように感じるんだ。説明するのが難しいや。それはあの・・・、それはえーっと・・・。

KELLY:猛烈(intense: 激しい)って言葉でも探してるんじゃないの。

BEN:そう、それ。猛烈。

KELLY:じゃー、今日のことを話してみて。どんなゲームをしたの?


5.BEN:僕たちは列車強盗ゲームしたんだ。いや、ウォレスが列車強盗だった。僕は、駅長。ウォレスは、長い列車を、車両から車両へ、走り抜けたんだ。彼は、乗客から大金と金製品を盗んだんだよ。僕は彼の後ろを、できるだけ早く、追っかけたんだ。最後には彼は、列車から駅に飛び降りたんだ。逃げるために。だけど、僕が彼の行く手を遮ったんだよ。彼は、プラットホーム(station platform)にいた女の人をひっつかんだんだよ。彼女は、「やめて、やめて。」って叫んだんだけど、彼は、「俺を逃がさせろ。さもないと、彼女は死ぬぞ。」と怒鳴ったんで、彼を逃げさせたんだ。

KELLY:それからどうなったの?

BEN:うん、変なんだけど、教えてもらったように、猛烈だった。ウォレスは、その女性を線路に落としたんだ。そして、笑った。彼は、それがゲームの悪役がすることだろって、言うんだ。彼らはいつも最悪のことをするって。


6.後で、Benが寝た後、Kellyは夜11時のニュースを付けました。彼女は、翌日のハロウィーンにすることのリストを用意しながら、半分だけ聞いていました。

KELLY:オーケー、見てみましょう。野菜の買い物、ハロウィーンの飾り。犬は、ペットの美容師のところに連れて行って、私は金物店に行かないと。庭をきれいにして・・・。

[後ろでテレビの声]

ニュース・アナウンサー:報道によりますと、彼女は、駅のホームから近づいて来る列車の線路上に突き落とされたようです。事件は今日のラッシュ時に起きました。何人かの目撃者は、女性の近くで2人の少年が走って遊んでいたのを見たと言っています。しかし、警察は、駅の防犯カメラにはそのような映像は映っていなかったと言っています。

KELLY:いや、そんなことはあり得ないわ。駅は1時間も離れたところにあるし、そこまで行けっこないわ。どうやって行ったというの?単なる偶然の一致だわ。


7.その余、風は低く寂しげに吹きました。Kellyは、ほとんど眠れませんでした。駅で Benを待っている夢を見ました。そのとき、駅の反対側で Benがほかの少年と一緒に走っているのを見ました。彼女は、走っている子が、ウォレスに違いないと思いました。その少年は彼女の視界に入ったり、見えなくなったりしました。そして突然、その子は立ち止まり、線路を隔てて、彼女を直接に見ました。彼には顔がありませんでした。


8.土曜日の朝は明るく晴れた、涼しい10月の日でした。Kellyは、Benに卵とトーストを作ってあげて、嬉しそうに食べる Benを見ていました。

KELLY:あのね。ベニー坊、昨日ね、駅で女性がけがをしたのよ。彼女は実際に列車にはねられたそうよ。変じゃない?

 彼女は、Benを見た。

BEN:どういう意味?お母さん。

KELLY:そうね。昨日、あなたとウォレスはゲームをしたわよね。駅でのこと。彼がホームから女性を落として、列車に轢かれたって言ってたわよね。

 Kellyは、そう言いながらも、それを言葉にすることさえ馬鹿らしく感じていました。彼女は、別の10歳の子と架空のゲームをしていた10歳の少年に話しかけているのです。彼女は何を考えていたのでしょうか(現実的でないことを考えていたのでしょうか)。


9.BEN:昨日ゲームしたって言ったっけ?ゲームしたって?うーん。いや、何日か前にゲームしたんだよ。とてもいいゲームだった、猛烈なゲームだった、と思うよ。昨日はね、海賊ゲームをしたんだ。僕は、海賊船アーッの船長フランクをやったんだ。ウォレスは、一等航海士のディヴィをやったんだ。だけど、彼は反逆して船を乗っ取ろうとしたんだ。それで、僕は彼を、船から板を突き出してその上を目隠しして歩かせたんだ。ディヴィは足を踏み外して海に落ちて溺れちゃった。ウォレスは、彼にそうするように命じなきゃって言ったんだ。悪い海賊はそうするんだよって言ってたよ。

KELLY:彼の言う通りかもね。海賊なんて知らないけど、彼らはとっても凶悪だって聞いたわよ。

BEN:じゃ、今日もウォレスと遊んでもいい?お母さんが用事している間。お願い、お母さん。買い物行ったり、ハロウィーンの飾りつけしたりしたくないんだ。

[以上。長いので、とりあえず、前半のみの訳です。2020/11/8 5:20 a.m. 3190字程]


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