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#29「グレイブエンド(墓端)通りの少年」後半,意訳(2900字程; 2020/10/30, VOA Learning English)

(英文元記事2204words)

前半はこちら↓

10.KELLY:あーそう、どうでもいいわ。それでいいわ。5時半くらいにウォレス君の家に迎えに行くから、トリック・オア・トリート( お菓子をくれないといたずらするぞというハロウィンのイベント)の準備をするのよ。もう一度、ウォレス君はどこに住んでるの?

BEN:グレイブエンド通りだよ。通りの番地は知らないけど、両側にそれぞれ2軒づつしかないから、彼の家は左側の2軒目だよ。

KELLY:わかったわ。それで簡単にわかるわね。幽霊のコスチュームまだ欲しいの?

BEN:要るよ。あー、お母さん、あのね。ウォレスもね自分が幽霊だって言ってたんだよ。僕たち近所を一緒に幽霊のようにさまようと思うよ。


11.その日は Kellyの立ち寄ったどこもかしこも人込みであふれていました。市場だけで1時間半もかかってしまいました。家に帰ってからは、ハロウィンのための家の飾りつけが大変でした。しかし、ようやく彼女は思い通りの飾りつけができました。

KELLY:あらあら、もう5時だわ。ベンの衣装すらまだ買ってないわ。彼女は車に飛び乗ってウィルソン大通りに行きました。パーティー道具の店は数ブロック先にありました。ケリーはすぐにベンが欲しがっていた幽霊の衣装を見つけました。彼女はそれを買って店を出ました。


12.EILEEN:ねー、ケリー。久しぶりね。ベンジャミンはどうしてる?

KELLY:アイリーン、あー、会えてうれしいわ。マットは?学校が始まってから忙しくて、誰にも会えなかったわ。

EILEEN:マットも元気よ。ええ、先月腕を骨折してからスポーツはしていないけどね。そのせいでイライラしてたけど、少なくとも今は学校での勉強する時間がたくさんあっていいわ。

KELLY:それはよかったわね。

EILEE:ところで、マットがね、なんでベニー君がうちに遊びにもう全然来ないのはなんでかなーって不思議がってたのよ。先週ベニー君が学校帰りに近所を走り回ってるのを見たんだけどね。楽しそうに見えたけど、彼はいつも一人なのよ。別に遊びの時間を決める必要はないのよ。いつ来てもらってもいいって知ってるはずなんだけどね。とにかく遊びに来るように言っておいてね。[We don't need to set up a play date. Ben should know that. You just tell him to come by anymore. We took him running around the neighborhood after school last week. It looks like he’s having fun, but he’s always alone. の部分は、重複だろうと思いますので、省きました。]


13.KELLY:待って、ちょっと待って。一人でって?どういうこと?彼は放課後、ウォレス君とかいう新しい友達と遊び始めたって言っていたわ。この1週間毎日のように。ベンは一人のはずないわ。ウォレス・グレイって子よ。そう。その子知ってる?マット君も知ってるわよね?

EILEEN:ええ、ケリー、ケリー、その子はいい子に違いないわ。その子のこと知らないけど、心配する必要ないわ。ベン君は友達選びはちゃんとしてるって、わかってるわよ。きっと一人じゃなかったのよ。たぶん、かくれんぼか何かしていただけよ。心配させるつもりなかったのよ。みんな今朝のゴッドウイン坊やの事件でイライラしているのが移っちゃのかもしれないわ。


14.Kellyは突然寒気がして恐ろしくなりました。ゴッドウインって子の事件って何?その子に何があったの?Kellyは、それを知りたがっているか自分でもわからなかったが、尋ねずにはいられませんでした。

EILLEN:フランク・ゴッドウインの一番下の男の子、5歳のデイビー。フランク知ってるでしょう。船長さんって呼ばれてる彼。彼は昔、船のキャプテンだったのよ。そう、今朝、救助隊がブラックハート湖でデイビーを発見したのよ。フランクが彼のために作った小さのおもちゃの船も発見したって。デイビーとフランクはその船をアーッ号って呼んでたの。デイビーはその船を水に浮かべようとしていたに違いないわ。とても悲しいわ。

KELLY:待って。彼は死んだの?

EILEEN:そうよ。デイビーは溺れたの。

KELLY:ブラックハート湖ってどこ?

EILEEN:グレイブエンド通りのすぐそこよ。小さな墓地のすぐ後ろ。それで、グレイブエンド(墓端)って言うのよ。ケリー、どこに行くの?

KELLY:ベンジャミンを迎えに行かなきゃ。


15.ケリーはいそいで大通りを通り過ぎた。彼女は、ウォレス・グレイが誰で、彼がどんな風に関わってるかも検討もつきませんでした。しかし、彼を信用できず、彼女の子供が危ないことはわかっていました。ようやくグレイブエンド通りに着きました。

BEN:「両側に2軒づつ家がある。」

 彼女は、ベンが言っていたことを思い出しました。

EILEEN:「墓地のすぐ後ろ。」

そして、アイリーンが言っていたことも思い出しました。ケリーは車から降りて通りを歩いて行きました。辺りを見回しました。

BEN:「左側の2軒目の家だよ。」

 湖が見えました。このハロウィンの夜、空が暗くなるにつれて霧が出てきました。しかし、そこには2軒目の家はありませんでした。代わりに、彼女の前に広がっていたのは草むらといくつかの大きな白い石でした。共同墓地でした。ケリーは、門を通り抜けて墓地の庭に入りました。


16.KELLY:ベン?

 返事はありませんでした。彼女は歩き続けました。

KELLY:ベン?答えて。ここにいるのはわかってるのよ。

 やはり答えはありません。しかし、風が吹き抜け木の葉が墓石の周りを舞い始めました。ケリーは、ひとつのお墓の方へとゆっくりと歩きました。突然、空が真っ暗になり、とても暗くて、何も見えなくなりました。彼女は何かの力が彼女を押し返そうとしているように感じました。それは、彼女をそのお墓から遠ざけようとしていました。しかし、そこにとどまらなければならないことを彼女は自覚していました。

KELLY:ベンジャミン・オーウェン・オア(Orrが何かよくわかりませんでしたが、とりあえず、Owenがミドルネーム、Orrがファミリーネームとして訳しています。)、あなたのお母さんよ。すぐに出てきなさい。


17.誰も答えませんでした。吹く風の音だけが聞こえていました。暗闇が明るくなり、銀色の月明かりが、彼女の前にある古い墓石の上に直接照らされました。しかし、ケリーはもう誰の名前を見ることになるか知っていました。

KELLY:「ウォレス・グレイ、1900年10月31日から1910年10月31日まで生存。安らかに眠るときが、ある者にとっては最良である。」

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18.Kellyは、深く息をした。そして、。。。

KELLY:ウォレス・グレイ、遊びの時間は終わりよ。息子を返して。ウォレス、お休みの時間よ。

 突然、地面が火山のように盛り上がり、土や小枝や虫が Kellyの頭上を飛び越して雨のように降り注ぎました。それに続いて彼の息子、彼女のそばに着地しました。

BEN:(ゴホン、ゴホン、咳の音)

KELLY:ベン、ベン!

BEN:(ゴホン、ゴホン、咳の音)

お母さん、お母さん。そこにいるの?見えない。埃が目に入っちゃたよ。


19.ベン、ここにいるわよ。ここにいるわよ。坊や。ここよ。ああ、かわいいベニー坊や。息できる?本当に大丈夫?何があったの?どのくらい長くそこにいたの?

BEN:わからないよ。お母さん。だけど、僕、嫌になったよ。ウォレスの住んでいるところ嫌いだ。家に帰りたい。

KELLY:ええ、私もよ。大事な子。さあ、ベン、私に腕をかけて、がんばって。

BEN:それとお母さん、もう一つ。

KELLY:どうしたの?ベン。

BEN:ハロウィンでもう幽霊やりたくないよ。

以上[2020/11/15 4:15 a.m.]

This story is written by Caty Weaver, Special English reporter and producer of VOA Learning English.

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