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日本語に窮屈さを感じませんか?

本記事では、日本語にとらわれる(囚われる)という事象について説明し、筆者なりの打開策を記載したい。

窮屈の背景

例えばテレビや映画などで海外の人々の映像が目に触れた時、日本人より海外の人々のほうが「伸び伸びと自由に人生を過ごしている」ように感じることはないでしょうか?

海外の文化や言語に目を向けず、日々日本語でしか考えることしかできないということは一定のリスクを伴うと思われる。

「日本語でしか考えることができない」ことは、「日本的なやり方」や「日本的な慣習」に追従するしか打開策が見出だせない思考ループに陥ることがあって、それがある種のやみ闇(= 病み)を生じさせることがある。このことは多くの日本人が漠然と思っていることかもしれない。

「日本的な慣習」の代表的なものは「自分と違う意見や考えを持つ人を敵視してしまう」や「異なる意見を許容しない(=同調圧力)」の風潮である。日本の組織的な問題や人間関係の悩みなどの大きな部分はココに関係している。

現在、多くの日本人が海外に移住したり、海外で活躍している事例も多く知られているが、まだ全体の一部というレベルであり、むしろ海外の文化や言語に縁遠い日本人のほうがマジョリティであると思われる。

異文化や外国語への無関心

このような状況を生み出している要因として、
✔ そもそも外国に興味がない(興味を持つことができない)
✔ 外国語への苦手意識(拒否反応)がある

という感覚を持っている日本人が、実は多いということが推測できそうである。

上記の「興味がない」と「外国語への苦手意識」は密接に関連している。簡潔に言うと、「外国語に親近感を持てないために、海外の文化や言語また外国人そのものに興味を持つことができない」ということである。

極論すると、外国語への拒否反応は日本語の通じる社会へ引きこもる傾向を生じさせて、生涯に渡って日本的な発想を客観視することができず、そこから逃れることができない。ずっと「日本語という檻の中で暮らしていく」ということである。

ここまでをまとめると、「外国語に親近感を持てない」ことが「日本語に囚われる」状況を生み出している諸悪の根源であるように思われる。

外国語に親近感を持てない原因

「外国語に親近感を持てない」を別の表現で言い換えると、「日本語と外国語の関連性を直感的に感じられない」ということが大きい。

科学的な視点で考えると、言語が無の状態から突如発生することはあり得ないので、必ずどこかにルーツがあって徐々に変化して現在の日本語になっているはずである。

しかし、この「日本語の由来・成り立ち」が現在でも解き明かされていない。少なくとも、一般常識的な日本語のルーツを説明する定説や話題は存在していない。

NHK等日本のマスメディアも、考古学的な発見や人類のルーツに関する報道はあっても、日本語のルーツというテーマは全くと言っていいほど扱わないし、積極的に扱おうともしていないように思われる。(そもそも言語(学)を扱うドキュメンタリー番組の供給自体が不足しているように思う)

例えば、欧米人などは、詳細な言語学的な知識は別として、大まかに、ざっくりと、現代語のおおもとである印欧祖語はユーラシア大陸の中央あたりで生まれて、ラテン語などローマ帝国を経由して、種々の異文化の影響を受けつつ現在に至っているという大まかなストーリーを想像できているはずである。

しかし、上記のような大まかな・ざっくりとしたストーリーさえ日本人は持ち合わせていない。


「日本語と外国語の関連性を直感的に感じられない」要因を以下に箇条書きしてみる。

1.日本語の系統や兄弟姉妹言語が不明
  ➔ 日本語の語源やルーツを日本語で考えるという袋小路

2.外国語学習の際に、日本語の語彙と外国語の語彙の関連性に気づくことができない
  ➔ 実際は関連性があるのだが、それに気づかせるような教育が全くなされていない

3. 漢字仮名交じり文という日本語の表記方法の短所
  ➔ 母音や子音の変化や関連性が分かりにくいので、日本語の発展段階 (古語から現代語に至る)や単語・語彙の発展経緯が直感的には分からなくなっている

大まかに上記 1~3が障壁となり、日本人の言語に関する感性・感度が鈍くさせられているように思える。

言いたいこと

筆者(LangDicLab)が約50年生きてきた経験から、次のことを読者の皆さんに言いたい・伝えたいと思います。
(特に外国語との関わりが少ない方々へ)

  もっと外国語(の単語)を聞くようにしよう!
  もっと外国語(の単語)を聞く機会を増やそう!

言語に関する感性・感度が鈍いことは、多方面で学習成果や理解度に影響するため、人生に大きく影響すると考える。言語的な感性・感度を向上させることは、個人の生き方に変化をもたらす。

どうすれば良いのか?

「外国語に親近感を持てない」事案への打開案をいくつか提示したい。これは、外国語をマスターするとか、話せるようになるとかではなく、日本語以外に多様な音声が存在することを肯定的に認める作業のようなものである。

✔ まずは外国語の音声に触れる機会を増やす
✔ 単語の関連性を意識して外国語を学習する
✔ 積極的に似ている単語探しをする

学習(学ぶこと)の本質は「何かと何かが似ていることに気づく」ことである場合が多い。ある単語は別の似た単語が必ず存在する。単語の由来探し、似たもの探しは結果的に言語感覚の向上に役立つ。

何か少しでも日本語を客観視できるような材料を外国語の中に発見できれば、それは思考回路にとって新しい一歩になる。

どの言語を学ぶのが良いのか?

日本語を母語とするの方には、日本語の語彙と関連が高い言語(*1)の学習(特にリスニングを意識して)をお薦めする。

例えば、以下のような言語のいずれか。
  ・沖縄語(琉球諸語のいずれか)
  ・アイヌ語
  ・韓国語(朝鮮語)
  ・南島語系言語のいずれか
      マレー語・インドネシア語・タガログ語(フィリピン語)
      ハワイ語・マオリ語・台湾原住民語など

上記言語の基本的な単語を「音声的に日本語に似ているいるところがないか?」という疑いを持って聴いてほしい。
そうすると色々見えてくるものがあるはず。
(以上)

脚注(Footnote) 

(*1) 日本語とアイヌ語と韓国語は関連が高く、それら3者をひっくるめて基礎語彙は南島語に祖形が見られる。これらは突き詰めると似ている言語である。

改訂(Revisions)

2023 0220 初版

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