見出し画像

日本語の「わ」とは何か?

日本語の1音節のうちいくつか特別な意味を持っていると思われる。たとえば、「ち」「つ」「ま」「み」「わ」などである。それらのうち「わ」について記載する。


「わ」という音はどこから来たのか?

意味の源泉は主に2通りあるように思われる。
1.wa, wo (= 水・湧水・海水) のイメージ
2.ipa (岩・祝) > ifa > iwa > wa と変化(子音弱化)

よって、意味として以下の機能を持つと思われる。
1. 水に関する様々の概念・語彙を作る
2. 岩から派生した祝い(祈りや祭り)に関する語彙を作る

どこから日本列島に来たかは現状不明である。(*1)
上記 1. 2. をそれぞれ wa1, wa2 とする。



現代の「わ」のイメージ

現代では「わ」単独では以下の漢字が該当する場合が多い。

➔ (特に人の集まりが)争いがなく穏やかで円満な感じ(訓読みの「なごむ」のイメージ)

輪・環

➔ 円形、環状のイメージ 特に踊りなどで人が円形に並ぶときを「輪になる」という。

上記 「和」「輪」は両者ともwa2の意味を引き継いで wa という音に 「和」、「輪」という文字を当てたと思われる。

わじん(倭人) の「倭」 の由来

解明は困難であり由来不明である。そもそもwaという発音であったかも正確には分からない。なぜ、特定の集団を指す語として「倭」が使用されたかというと、おそらく倭人の自称が「倭」という音に近かったことが想像できる。(例えば、「わ」、「われ」のような音)

可能性としては、宗教行為に関連度が高いwa2 から変化した可能性が高いように思う。(しかし、wa1から変化した可能性や両者の意味を持っていた可能性もあり得る。)

「わ」に関するメモ

わ(水・海) に関する語彙
  wak, wakwak (湧く, わくわく)
  wata, wada (綿津見, 和田)
  wakka (アイヌ語)(= 水)
  pada 바다 (韓国語) (= 海)

waka(若)に関する語彙
ワカタケル ➔ 雄略天皇(在位 456-479 とされる)
5世紀後半に「若い」という形容詞的な意味が存在したか

わ(輪・環)に関する語彙
  わく(枠) ➔ 丸く囲むイメージから派生したか


脚注(Footnote)

(*1) 筆者は 日本語は 南島語(オーストロネシア語)と非常に近いと考えているので、語源由来はほとんどの場合、台湾先住民語、マレー・ポリネシア語の中にヒントがある場合が多いと考えている。しかし、wa, ipa(岩)に直結する語は見つかっていない。

改訂(Revisions)

2023 0720 初版





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?