ITの資格について調べてみました。第4回
引き続き情報提供です。
ITスキル標準V3 2011(以下、IТSS)では、IT技術者を「SE」、「プログラマー」といった名称ではなく、ビジネスの実状に沿うように職種や専門分野を分類定義し、それぞれに対して個人のスキルを評価する尺度を多面的に提供しています。
IТSSのキャリアフレームワークとして横軸に職種と専門分野、縦軸に能力レベルの深さを表現しています。横軸は、職種を以下の11に分類しています。
そしてこの職種ごとに専門分野を設けています。
縦軸は、IT技術者個人の能力や実績に基づいて7段階のレベルがあります。レベルは、当該職種/専門分野においてプロフェッショナルとして価値を創出するために必要なスキルの度合いを表現し、職種や専門分野を横断的にとらえています。そしてキャリアパスを明確にするためにも以下の7つのレベルで整理しています。
下記の全体図を見ると、職種と専門分野によっては、プロフェッショナルとして価値を創出するにはいたらない下位レベルは空白となっているものがあり、また、価値を創出するために必要なスキルの上限以上の上位レベルが空白となっているものがあります。IТSSで表現しているのは、あくまでも、プロフェッショナルとして価値を創出するために必要なスキルの度合いです。それぞれの職種/専門分野におけるサービスの価値の大小や組織内での職責のレベルを表現しているものでは無いそうです。
IТSSで表しているのは、あくまでも、プロフェッショナルとしての実務能力のレべルです。職種と専門分野が異なってもレベルが同じであれば、活動領域や成果物の違いはあれ、実務能力のレベルとしては同等です。なお、ITSS V3よりレベル1、2については、職種、専門分野を共通化し、達成度指標、スキル熟達度等の指標を統一されました。このレベルの人材については、経験や実績をもって人材の評価を行うよりも、視野を広げる意味でまんべんなく幅広い知識の修得を促進する観点で、保有すべき知識、スキルを定義します。日常の業務遂行をしながら、基本的な知識、スキルを身につけた上で、専門別のスキルを習得することが重要です。スキル開発においても、自らのスキルの研鑽を止めることなく、また、下位レベルの育成に積極的に貢献することが求められます。
ITスキル標準(ITSS)を元にした資格の対応表として「ITSSキャリアフレームワークと認定試験・資格とのマップer11r3 (2021年7月1日現在)」という対応表が特定非営利活動法人 スキル標準ユーザー協会(http://www.ssug.jp/docs/)から公開されています。メールアドレスを登録するなどして取得することができます。「情報処理技術者」試験については、職種、難易度ごとに体系化されていますが、数多い民間資格・ベンダー資格もこの体系にあてはめ、資格の価値を全体的に判断する目的でまとめていますが、私にとってあまりにも専門的で詳しく述べることはできかねます。
次回、分かる範囲で資格を取り上げて「IТ資格を調べてみました。」の記事を終了とさせていただきます。
出典:独立行政法人情報処理推進機構(https://www.ipa.go.jp/jinzai/itss/)
特定非営利活動法人 スキル標準ユーザー協会(http://www.ssug.jp/docs/)
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