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IТの資格について調べてみました。第3回

 「ITスキル標準(ITSS)」は、IT技術者向けのスキル評価指標として2002年12月に経済産業省から公表され、その後「組込みスキル標準」、「情報システムユーザースキル標準」、さらにはDX(デジタルトランスフォーメーション)推進に向けてリンクする形でITSS+」も公表されています。

 これらの土台となっているのが「ITスキル標準(ITSS)」です。その基本要素は3つで、

 ① 職種:
 ITサービスを、コンサル、PM、IТスペシャリストなど11の職種設定。
 ② 業務:
 各職種を個別業務(専門業務)で細分化し、
 ③ 作業:
 各業務を実施するために必要な作業を「品質管理」、「組織管理」のようにさらに細分化(スキル領域のカテゴリー)しています。

 政府のITスキル標準を提示する意義を調べると、以下のように表現しています。

情報サービス業の「商品」は製品ではなく「サービス」であり、これを提供する個々人のスキルを管理し、育成していくスキームが、企業の競争力に直結するとしています。IT産業の売上げ及び利益がハードからソフト・サービスに比重を移すに伴い、戦略的・体系的なスキル管理・育成の重要性は、さらに高まってくると予測しています。

 これまでは、右肩上がりの市場の中で、総じて需要過多であったがために、ある程度のレベルの人材であれば専門知識を問わずに採用し、プログラミングだけ教育して現場に出すことが一般的で、メインフレームの時代には、スキルの伝承もOJT( On the Job Training )が機能していたそうです。

 しかしながら、 1999年代以降、IT用途の多様化により、顧客の業務内容を理解することはもちろん、業務プロセスの改革そのものに踏み込んだ提案ができるスキルが必要となり、またIT技術の多様化・深化により、技術毎の専門分化が進展し、インターネットの普及によるオープン化の進展がこれに拍車をかけることとなりました。

 このように求められるスキルが多様化・深化し、これを担う人材も多様化する中で、戦略的な人材育成・スキル開発を行う際に利用できる客観的な指標を整備することの重要性にかんがみ、基本的な部分を、政府がパブリック・ドメインとして整備し、提供し、ITサービス・プロフェッショナルの育成に関わる諸組織の有機的な連携が可能となり、ひいては我が国において提供されるITサービスの質の向上につながると考えています。

 現在、プロジェクトマネージャーやITアーキテクトなどの不足が叫ばれていますが、これらに必要なスキルは促成で養成できるものではなく、基礎からの体系的なスキルの修得が必要です。短期的な観点から個々の要素技術の修得のみを行うだけでは、現状職種においてのレベルアップも困難で、これらニーズの高い職種で必要とされるスキルの充足は、さらに難しくなります。したがって、スキル標準の活用により、実務経験の評価を伴った基礎からの体系的なスキルの修得を着実に行っていく必要があるので「IТスキル標準(ITSS)が作られました。

 次回、引き続き情報提供します。(第4回に続く)

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