見出し画像

荻原浩 「噂」 序盤からラストまで一気に楽しめました

友人に薦められて読んでみました。

冒頭から、噂にからめた話がはじまり、噂がもつネガティブなイメージや、
口コミで、あることないことが広まっていく描写がリアルに描かれていて、
きっとなにかこう、噂が噂をよんで、よくないことが起こるんだろうな、
と予想できる始まり方でした。

とても引き込んでくれる冒頭でよかったです。

小説を読む時、まだひきこまれてないな〜と思う時は、
Kindle Oasisで読むんですけど、

もうどんどん次が気になったら、
iPhoneのKindleアプリで読むんですよね。
大きな画面で読んでしまうと、もう先が気になって、
目をどんどん先に送っちゃうんですよね。(笑)

iPhoneアプリならそれが防げるので、
ひきこまれ始めたらiPhoneで読むのですが
今回は、10%か15%ぐらい読んだあたりから、ずっとiPhoneで読みました。


テンポよく進んでいくオーソドックスな刑事事件とみせかけての衝撃のラスト

噂を流す側と、事件を追う警察側が交互に描かれて、
これはきっとどこかで交わるんだろうなという感じで、はじまります。

噂を流す側は、自分たちが宣伝する香水を売りたいがために、
"レインマン"という、殺人して足首を切る猟奇的殺人犯の噂に加えて、
自分たちが宣伝する香水をつければ、レインマンに狙われない、
という口コミを流します。

しかし、レインマンは作り話だったはずなのに、
噂どおりの死体が発見されてしまいます。ただ、うさわを流す側が殺人事件を起こしたのかどうかが、最後の最後まで分からないところが良かったですね。

そして、最後には刑事が犯人をつきとめて、追い詰め、
ハッピーエンドで終了に思われるのですが、
ラスト1行で、グサっとえぐられてしまう。。。

本の中では、合計で4人の被害者が殺されるのですが、
最初の3人は同じ犯人が殺していますが、、、
最後の1人は・・・なんと主人公の刑事の娘が、殺していました。

最初に殺された3人のうち1人が、親友だった、という理由から、
同じ方法で殺してやる、と。


この、荻原浩の「噂」は、最後の1行が衝撃!!!という宣伝で有名ですが、
1行といっても、それは文章ではないんです。
たったの4文字。
しかも内容を読まないと意味がわからない4文字で、しめくくられます。
その4文字を読んで、意味がわかってゾッとする感じですね。

主人公の娘は年頃の高校生で、
「げろげろ〜」とかいった、ちょっとギャルっぽい言葉をはなし、
まわりに流行らせようとしても自分以外はだれも使ってくれない、
「きもさぶ」
という口癖があります。
4人目を殺したあと、殺してやったぜ!という趣旨の発言とともに
ラストに「きもさぶ」の4文字言い、
4人目を殺した犯人は主人公の娘だとわかります。

ゾッとしましたね!!!
と同時に、得体のしれない、うぉ〜・・・なるほど・・・という感覚。。
そして、ここまでの本文中に、
殺人をしている描写があったのか、もう一度読み返したくなりました!

友人からおすすめされたときに、
「最後1行がもう最悪!」との前情報があったので、
kindleで読んでいて、読んだ進捗が97%あたりからは、
ページめくりではなく、指でホールドしながら
ゆっくり画面を動かして1行1行読んで、
次が最後の1行か?いや次か!?という感じで読みました。(笑)

最初から最後まで退屈しない、良い小説でした。


この記事が参加している募集

読書感想文

サポート!夢のようです!😆