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運動する人も運動しない人も使える、プロテインは作れるか?

商品開発でよく言われるのはN1分析。
「実在する特定の顧客1人」のニーズを徹底的に掘り下げて、その人に刺さる商品開発するという方法です。
確かに熱狂的なファンを作れるような商品を生み出せる可能性はありますが、非常にニッチな製品になってしまうリスクを抱えています。

逆に、誰にでも使ってもらえる商品を開発できれば、ターゲットがその分広いわけですから商品の持つポテンシャルが高まります。

そこでプロテインを題材にできるだけ広いターゲットを狙った、運動する人も運動しない人も使えるプロテインは作れるか?を考えてみましょう。

プロ向けから、ライト層へ拡大し伸びるタンパク質補給市場

ターゲットの広いプロテインを考える前に、プロテイン市場に目を向けます。

プロテイン粉末・顆粒だけでなく、タンパク質補給全般を含めた市場全般で見ると安定的な成長をしており、富士経済によると2023年タンパク補給食品の国内市場 2,580億円(2022年から2.4%増)となりました。

引用元:PR TIMES

かつては、プロテインサプリメントの市場は、ボディビルダーやスポーツ選手などプロユーザー向けというイメージがありました。
しかし、コロナ禍で健康意識が高まる中、コロナ太り対策でライトユーザーにも拡大しプロテインパウダー需要が拡大し、現在は「美容目的」「タンパク質補給」など運動しない人にもプロテインが利用されています。

その背景には「タンパク質は筋肉だけでなく、髪・爪などの美容にも良い」「タンパク質なら太らない」「タンパク質はそもそも不足している」といったように、タンパク質補給の価値が向上したことによりプロテインへ多様な価値を求めるようになりました。

そんなプロテインの価値変化を図にするとこんな感じでしょうか。

従来のプロテインは運動する人だけ飲んでいたので、運動しない人には価値がないものです。
イメージとしては「運動しない人からすると、プロテインってボディビルダーが飲むものだよね」という感じでしょうか。

従来のプロテイン価値

一方で、タンパク質の価値が向上したことにより、運動しない人にも価値浸透しました。
プロテイン(タンパク質)全般のイメージで、「運動しない人もプロテインって飲んだ方がいいよね」という感じでしょうか。

現在のプロテイン価値

その結果、運動する人、運動しない人共にプロテインを購入するので市場がどんどん拡大しているのが現状です。(モデル化のために単純化しています)

運動する人も運動しない人も使える、プロテインは作れるか?

上記はプロテイン全般のイメージなので、商品個別を整理していくことで運動する人も運動しない人も使えるプロテインがどんな要素が必要か考えてみます。

・事例1:ザバス(SAVAS) アドバンストホエイプロテイン100
1kg大容量の粉末プロテインはアスリート向けで、タンパク質20g・1kg大容量は日常的に運動する人でないと価値を感じにくいですね。

ザバスの価値

・事例2:アサヒグループ食品 1本満足バー プロテイン
タンパク質15gとある程度多く、PFCバランスも悪くない。そして、おやつ感覚で食べれるプロテインバーは、運動する人・運動しない人のどちらにも価値を感じる商品。コンビニなどでも手軽に購入できる点も、ポイントが高い。
「おいしさ」という価値が強くなると「食事」としても利用できるので、運動しない人にも届きますね。

プロテインバーの価値

・事例3:森永乳業 ミライプラス プロテイン ミルクココア味
BMIが高めの方のおなかの脂肪を減らす機能性表示食品で、タンパク質10gの設計です。
いろんな成分が入ってるのでコスパが悪く運動する人からすると、価値が低いです。
一方で、運動しない人にとってはお腹が空いた時に飲むなど、ダイエット中のカロリー制限にも使えるなど価値が高いものです。

ミライプラスの価値

・事例4:味の素 プロテインスープ コーンクリーム
たんぱく質が1回で20g摂れる、甘さ控えめなコーンクリーム味のスープです。
運動する人は冬場でもホットで飲めるプロテインとして価値があり、運動しない人にとってもスープ感覚でタンパク質摂取できます。
既存スープの代わりになる価値があるので、運動しない人にも価値がありますね。

プロテインスープの価値

まとめ

運動する人も運動しない人も使えるプロテインを目指すには、2つの要素が必要と考えられます。

  • タンパク質が市販のプロテインと同等(15g〜20g)

  • 何かしらの代替価値を持つ(スープ、お菓子など)

プロテインの価値を持ちつつ、他の食品としての一面を持っていれば、運動する人も運動しない人も利用して貰える可能性が高まります。

多様な価値も持つ商品を作ることで、商品のポテンシャルを高めましょう。

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