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コンピューター・メトロポリタン

現在、インターネット動画を制作しています。原作は自分で書いた長編小説です。登場人物のひとり「ミカ」はAIを搭載したヒューマノイド(ロボット)で、都市生活に適応していく様子を描いています。このためタイトルを「コンピューター・メトロポリタン」としました。(ネーミングには別のエピソードがあるのですが、それは後ほど改めて・・・)

当初は、原稿の朗読音声で構成する「オーディブル」として発表する予定でした。しかし、より多くの人に楽しんでもらうための表現を検討するうちに、場面をイメージしやすい紙芝居の動画を作ろうと考えました。

こうして原稿の朗読音声が出来上がったのですが、作品には「ミカ」が唯一会話をする相手「文映(ふみえ)」という人物がいて、朗読では、この二人が言葉を交わす場面が克明に表現されています。

担当していただいた方の声と表現力が素晴らしかったので、どうしても「もっと映像表現を豊かにしたい」という思いに駆られ、当初は予定していなかったアニメーションの制作に着手しました。

原作を書いたのは2020年のことでした。新型コロナのパンデミックが始まった直後のことで、東京はそれまで見たことがない状態になりました。街にも駅にも人の姿はなく、当時よく行き来していた銀座は、まるで誰もいない美術館のようでした。

その鮮烈な印象から、NHKの「みんなのうた」で聴いた「メトロポリタン美術館」を思い出し、しまい込んでいたCDを引っぱり出して「コンピューターおばあちゃん」を見つけると、一気に「コンピューター・メトロポリタン」というタイトルが頭を駆け巡りました。

このような話を始めると、あれやこれやとキリがないので割愛しますが、誰もいなくなった街に繰り出したときは、自分を含めて、人に共通する愚かさとは何なのかを考えさせられました。

このような訳があって作り始めた作品が、もう少しで完成する見込みです。
できるだけ多くの人に見ていただきたい、そう願うばかりです。

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