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バーチャル疾患・障がい者グループ #VRetires (ブイ・リタイアーズ)を作りたい!「何もしない」「したいときに何かする」-VChallenged

 先日、障がい・難病VTuberプロダクション「VChallenged」が話題になった。HPには「生まれ持った障害や病気の影響で『もっと自分らしくありたい』『もっと皆に自分を知ってもらいたい』『誰かを幸せにしたい』そのような感情を持っていても『発信する場がない』そのような想いに応えようと思いこの『VChallenged』を立ち上げました」と書いてある。ASD(自閉症スペクトラム障がい)があり、障がい者手帳2級を持っている私は、「面白い。私の生き様を見せつけてやろう」と思い、早速募集概要を覗いてみた。

 応募要件には、必須事項として▽明るい方、ファンの皆さんを元気にさせられる方▽チームとして協力して一緒に活動していくという認識を抱ける方▽なんらかの障害や難病を抱えている方(障害者手帳、診断書など証明できるものがあること)▽週3日以上1年以上継続して活動できる方▽18~30歳くらいまでの女性の方▽PC、マイク、iphone等配信に必要な機材をご用意できる方▽必要な場合に都内で面談や打ち合わせができる方―とある。ほうほう。「18~30歳くらいまでの女性で、明るくて頻繁に配信できる人間」が求められているようだ。

 私は「生まれ持った障害や病気の影響で」コミュニケーションがうまく取れないし、頻繁に配信できるわけでもない。そもそもバ美肉女性なので、必須事項に当てはまる女性かどうかはわからない。「なるほど、これは生まれながらに、選ばれし者のためのチャレンジか」と思った私は、「ならば自分のような、チャレンジができないとされた『漏れた人間』を集めてグループを作ったら面白いのでは?」と思い立った。

 その名も「VRetires(ブイ・リタイアーズ)」。名前の由来は「VR」と引退や退場を意味する「リタイア」だ。「Challenged(チャレンジド)」は、障がいをポジティブに捉え、「困難に挑戦するチャンスを与えられた人」という意味を持つそうだ。「なんで障がい者は生まれながらに挑戦しなきゃいけないんだ。のんびり生きちゃいかんのか?」というのがこの言葉の第一印象だった。できないことを無理にやろうとして、どれだけ苦しんだと思ってるんだ。そんなことがポジティブな訳無いだろ!我々は闘牛じゃない!人間だ!できないことを無理にやらなくても、のんびり生きられる世界の方が良いに決まっている。万人よ!一緒にリタイアしよう!チャレンジはやりたい人がやればいい。我々はそれを応援するだけだ。

 VRetiresの応募要件は「何か生きづらいなー。何もしたくない!」と思っているか、「何かハンデがあるけどとりあえず生きてみるか」と思っているか、それ以外でも適当で何でもいい。何かしたい人も、他人に何かすることを強制しなければ大歓迎。疾患・障がい者系を銘打ってはいるが、健常者とされていても、単に診断が出てないだけで苦しんでいる人間はいくらでもいる。肉体の性別も無関係で、対象は0歳~人類最高年齢である。そもそも人類じゃなくてもいい。活動内容は「何もしない」「したいときに何かする」の二つだけだ。人間は生きてるだけで偉いので、「何もしない」「したいときに何かする」だけの集団が存在することは、「何かしなきゃ」「何かさせないと」という強迫的な生産性思考に対して武装解除を促すことになるかもしれない。

 みんなもVRetiresに入らないか?入り方は、私に一声かけて一応存在を認知してもらい、何かしたり、何もしなかったりするときにVRetiresを適宜名乗ればいいだけだ。「何もしない団体が存在するらしい」という噂が立てば百点満点。プロフィールに使えるエンブレムとかは、そのうち考えておくので、名乗りたいときに使ってほしい。「何もしない」「何かしたいときに何かする」生き方を、一緒に広げたり広げなかったりしていきましょう!いつかはVChallengedとコラボしたいね。

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