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伝統的工芸品産業の振興に関する法律

🍵横浜のやきもの眞葛焼を愛してやまないnoteにようこそお越しくださいました🤸‍♀️🤸‍♂️
🍵今日も推しの香山翁のお役に立ちたくて
一歩ずつ、学んで前進していきます💪

🌟前回までのあらすじ……

国立国会図書館(NDL)に初来館した私は、リサイクル粘土の最盛地である岐阜県のセラミックス研究所の研究報告を、5年前までさかのぼって調べました。
そこに、『伝統的工芸品産業の振興に関する法律に基づいて……』という記述があり、

えぇなにその法律?!
ってなったので、さっそく作成したNDLのアカウントで
伝統的工芸品産業振興協会の発行している
「伝統的工芸品産業の振興に関する法律逐条解説」
を読んでみたのです📝💡

「伝統的工芸品産業の振興に関する法律」
通称「伝産法」はなんの為にできたの?

伝統的工芸品は、天然の原材料を用いて手作業で心を込め作り、それを使う者も愛着を持って長期間使うという、作り手の真心が製品を通して使用者に伝わる「心のふれあい」を感じる生活用品であり、自然の息吹と、日本人の豊かな心情を秘めた情緒ある生活用品といえましょう。

(日本古来の習慣や生活の知恵の伝承、
高度経済成長によって画一化した生活からの脱皮、
手工性の「独特の味わい」が生む心の豊かさや潤いなど、
機能面と共に精神面において消費者の欲求を
みたすものを守るのが目標のようです)

伝統的工芸品産業の問題点は、需要、価格、後継者不足、事業維持の困難さですが、これを助成金や融資、貸付、税制の優遇措置、経費の補助などで地方庁や政府が「支えて守るよ」という制度なんですが、公的にお金をもらうわけですから、これを認めてもらう為の条件が当然とても厳しいわけです。
組合を作って計画を練って申請して、書類と度重なる審査を全て通って……

しかも、認定後は、ちゃんとやっているかずっと見られていますし、報告義務があり指導が入ることもあります。全てをクリアしそれを継続し続けている証が、

これ(この公式の伝産マーク)だったんですね……

見たことありますね

「伝統的工芸品」と呼べるもの

いっとう最初に条件として必要な事実は、

第2条
通商産業大臣は、伝統的工芸品産業審議会の意見をきいて、
工芸品であって次の各号に掲げる要件に該当するものを伝統的工芸品として指定するものとする。

逐条解説では、この後ご紹介する5項目以前に「工芸品」である前提を指摘しています。
工芸品の範囲は各人各様ですが、広い概念として、「熟練した技を必要とする工作物であり芸術的要素も備えるもの」という解釈が正しいようです。

1.主として日常生活の用に供されるものであること。

冠婚葬祭の時のみの使用でも「日常生活」の範囲内である。人形、置物等も、日用品はほぼほぼオッケー。ただ、特定の限られた人が商業用に使う道具や、彫刻、絵などの美術品は「日常生活の用」じゃないからアウト。
(雛人形は判るけど、置物とかがオッケーなのが私にはちょいグレーに感じます)

2.その製造過程の主要部分が手工業的であること。

伝統的な技術を生かしていたとしても、機械化はアウト。ただ、主要工程が手工性を満たしていれば、これらに影響を与える度合いの極めて少ない補助的な工程の機械化は認められる。

3.伝統的な技術又は技法により製造されるものであること

「伝統的」の意味は「100年の歴史がある」ということ。江戸時代以前には確立され、今日まで受け継がれてきた技術であることが条件。技術技法の内容については、根本的な変化でなければ、多少の創意工夫等は認められる。

4.伝統的に使用されてきた原材料が主たる原材料として用いられ、製造されるものであること。

ここでの「伝統的」も100年が目安。「主たる原材料」が枯渇、入手困難になった場合は前の原材料と同等の品質を有する同種の原材料への転換は認められるが、製品の品質、持ち味を維持する場合に限る。特殊な場合を除いて化学品の代用は認めない。

5.一定の地域において少なくない数の者がその製造を行い、又はその製造に従事しているものであること。

「一定の地域」とは、製造者の従事する産地のこと。「少なくない数」とは事業者10以上、従事者30人以上のいずれか。数の基準は必ずしも固定ではないが、この程度の産業規模は必要。なお、事業者、従事者ともに専念している必要はないが、主として伝統的工芸品の製造に関わっていることが必要。

眞葛焼とどう関わる?

眞葛焼の歴史は初代と(明治4年1871年横浜大田村で開窯から)二代でほぼ70年ありますが、四代目智之助さんが倒れたタイミング(昭和34年1959年)まで100年以下(88年)です。後継者もいません。
眞葛窯の職人が多く在籍した横濱増田窯も(2016年1月閉窯)閉じてしまい、現在残された明治横浜焼以来の職人を私は把握していませんが、それぞれの結びつきもよく分かりません。
横浜焼はそれぞれの窯のこだわりを追求しており一貫した技術で統一するのは難しく、デザインも恒久的に需要があるわけではありません。振興の継続が認められず歴史的な面からいっても、伝統的工芸品として国や行政に指定してもらえる可能性は低いでしょう。


「いつまでも開港ネタを擦ってる歴史がない薄っぺらい街」

旦那さんの言葉がヒリヒリと痛みます。旦那さんは、

「新しいもの好きな、新陳代謝の早さで発展してきた横浜に、眞葛焼を再認知させリサイクル粘土で再出発させるなら、初代香山と同じ海外販路を辿るんじゃないかな」

と予想していました。

「日本より外国人の方がECOに関心があるよね。俺は使用済み陶器で作ったものは気持ち悪くて使いたくないな。新しく安い物以上の価値を、リサイクル陶器に見出せるのは海外だよ」

と。これには私も思わず頷きました。
初代と同じ道を歩む……認められるのは海外から……

この事実や考えなども含めて、次の推し活に繋げていきたいと思います。


参考資料:
伝統的工芸品産業振興協会「伝統的工芸品産業の振興に関する法律逐条解説」PDF資料

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