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古道具によって繋がれる”人” / titose ・ 千歳昼一「古道具のある暮らし」


古道具が、たくさんの人を僕のもとへ引き寄せてくれた。
たまたまお店の什器を探しにこられた方と出会い、そこから思いもよらぬ人たちと繋がって、今では「地球不動産」というアート活動にまで発展している。これも全て古道具という存在が大きい。思考を少しだけ加えて価値に変化を与えると、一つの点だったものが線として繋がっていく。

僕たちが店舗外でイベントに参加する形においても似たような現象が起こる。
例えば毎年、倉敷芸文館で定期的に開催される懐かしマーケットは、日頃出会うことがほとんどない人たちと巡りあい、県内、県外、海外の古道具好きと交流ができるのだ。皆、自分流の古道具の楽しみ方を知っている人たち。

サビサビの道具を家に飾って、自分のコレクトを眺めがら酒を飲む人。
道具を部品として使い、リメイク家具を製作する人。
日本の道具はこんなにも美しいのかと、器を見て感銘している海外の人。

古道具は「昔使われていた日常の道具」であったが、今日では「昔使われていた日常の道具」としての見方ではなく、「飾るもの」「愛でるもの」「価値を与えるもの」、古道具の概念そのものが使い手によって再構築されている。時が経つに連れ、「昔使われていた日常..」はただの過去話で、今目の前にあるのは只の「道具」なのだ。すなわち、古道具は朽ちていくのではない、生まれ変わり続けている。(?)



おそらく江戸期かそれ以降に作られた蝋燭台。現代風だと、フロアライトと書いた方が伝わるだろうか。蝋燭を鋭利な先端に刺し、火を灯す。たぶん想像している光の強さよりも、か弱い光だったはずだ。真っ暗なお屋敷の中を目一杯灯すのだから。その後は「電気」が解決したが、解決してしまったのかもしれない。そのとんでもない発明ゆえ、蝋燭台は日常の道具としては完全に役目を終えてしまった。


しかし、これも「道具」になったのだ。


花職人に渡ればこんなにも美しく「飾る道具」に生まれ変わる。
新しい服を着せ、何十年、何百年か越しにあたる西陽がさらに美しさを引き立てていた。ドライフラワーは、おなじみLily's Diary 仁科さんによるオリジナルブーケ。僕が店内の中でたまたま古道具のレイアウトで何気無く置いたところに、そっとブーケを添えてくれたのだ。そんな彼女のセンスに支えられた蝋燭台だ。


古道具×ドライフラワーのオーダーメイドプランも実は考えているところだが、またの機会にしよう。

まぁ、なんだ、












古道具っていいよな〜。ますます好きになる。












余談が過ぎたが、本当はポップアップのお知らせをしたかったので、ようやく本題に戻るとする。

僕自身がお世話になっている岡山市北区丸の内にあるサロン「titose」。
僕の髪をいつもカットしてくれているショータさんに「僕こんな空間でポップアップしてみたいです〜」と軽く(ちょっと本気)で口にしてみたところ、「いいじゃん!やろうやろう!」と快く引き受けてくれた。しかも、およそ2ヶ月。ポップアップの域を完全に超えた出店である。

真っ白なクロスにステンレスと白木の素材が絶妙な配分で混ざり合う空間は、まさにいい塩梅で洗練し尽くされている。どストレート、僕好みだ。
今までも、今回も、こんな贅沢な場所で古道具を展開できること、本当に嬉しくてたまらない。ありがとうございます、ショータさん。


新しい人たちと道具を通じてまた繋がっていく。
「何を持っていこう」「どんな人が見てくれるかな」「あの空間に似合うものは…」その先を想像するとワクワクが止まらない。

素敵な空間をお届けします。



ポップアップのお知らせ📢




「千歳昼一」
古道具のある暮らし

北区丸の内にあるサロン@titoseさん。
洗練された和モダンな空間にかご、ガラス、古道具を展開させていただきます。経年変化した"いびつ"な品々をご堪能ください。

施術中、施術後に是非お楽しみくださいませ。
展開中のお品は購入できます。

開催場所:titose 岡山市北区丸の内2-11-4
開催期間:5月11日(土)~6月30日(日)

【注意事項】
※ポップアップ期間中は当サロンにて施術を受けられる方のみ対象です。一般公開はしておりません。
※お支払いは「現金のみ」対応可能です。
※ご購入後の返金返品は致しかねます。

その他ご不明な点につきましては、@kimidori_hiroseまでDMもしくは直接お問い合わせくださいませ。



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