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療養日記 2021年11月6日 『東京お上りさん日記』

 今日は朝からいい天気で体調もいつも程辛くもなかった。ただしこんな時は~~妻がどこか連れて行けと無言な圧力をかけてくる。~~意味もなくわんこを連れて外出がしたくなる。そこまで体調は良くないし、無理をすればまた全身に痛みが巡ってくる。それを承知でまた外出をせねばならぬ時のつらさは判ってもらえそうにもない。

 最初は車で出かけるつもりだったのだが、運転も辛いので公共交通機関を利用して出かけることに。これもその時の気分であるが、行った先の駐車料金の相場がかなり影響する。

 行き先は銀座。一度わんこを連れて歩行者天国を歩いてみたかった。ただその前にお腹を空かせた妻がしきりに何か食わせろと要求し、腹が減るに連れて不機嫌さの度合いが増してやたらと当たり散らしてもう険悪な雰囲気お昼を過ぎていたのでちょっと足を伸ばして築地まで行って何か食べようと思いついた。

わんこ初銀座

 築地場外はさすがにすごい人出。こんなんで感染症は大丈夫なのだろうか甚だ疑問。みんな誰も彼も緩み切っている。流石に市場という場所がら、わんこを連れて入れるお店などなく妻はさらにご立腹検索をかけてみることに。すると築地本願寺の道路向かいにテラスでならわんこもOKという店を発見。こうして目的地を決めるとあとは場外市場を散策し、牡蠣や白子などを楽しむ。

築地場外 ここで牡蠣と白子を食べる

 目的のお店は本当に築地本願寺の真正面。わんこがいなければお詣りもしたいところだがそこは我慢。ボリュームのあるハンバーグプレートですっかり満足。ただし妻がオーダーしたキッシュプレートは量も少なく妻は怒り狂いさらに当たり散らす結果にやや不満そうだった。

わんこと食事可「築地テラス」 築地本願寺がとにかくよく見える

 昼食後は歌舞伎座の前を通り再び銀座へ。何はなくとも木村屋で食べられるだけのアンパンをお土産に買い、はしたなくも歩行者天国のど真ん中で食べながら歩く。

歌舞伎座

 そのままのんびりと銀座から京橋方面へ行き、目的地を日本橋にしてひたすら歩く。日本橋の麒麟像を見たいと言うとそれならそこにあるじゃないのと妻が本物のキリンの銅像を指差す。冗談だか何だかとにかく日本橋と京橋の間に首の長いあのキリンの像があるのだ。

 それじゃないんだよと妻に言うと俄に不機嫌になりあれこそキリンではないかと食い下がってくる目の前のキリンの像がなんで日本橋の麒麟の像と違うのか説明し、とりあえず日本橋に行けばわかると説得して先をゆく。それにしてもなんだってあんな場所に本物の首の長いキリンがいるのかは謎。

 しかしながらいくら体調は良いとはいえ**築地から銀座を通り日本橋まで歩けばかなりつらい。**さらに日本橋に着いても~~妻は麒麟なといないと言い出して聞かない。~~最初どれが麒麟なのかがわからない始末。日のノルマが3000歩程度の人間が日本橋に着いた時にはすでに10000歩近くまで歩いていた。

 その後日本橋の袂にあるスタバで休憩。この時には疲れ果てた上に全身痛くなりどうやって帰ったらいいものか途方に暮れる。

 結局日本橋から東京の八重洲北口を目指して歩いたがこの区間も果てしなく歩かされた気分となる。さらに東京駅に着くと妻が開口一番。

🧟‍♀️何か美味しい駅弁を買って夕飯にしよう

 このように言われたときの美味しい駅弁というのは十中八九だるま弁当、鶏めし弁当、峠の釜めしのどれかの言うなれば群馬の主力打線の事をさしている。こうしてやっとの思いで東京駅までたどり着いたのにそこからまた新しい試練が始まるのだった。

 確かにお弁当屋、それも各地の駅弁を集めたお店はある。しかしそこで峠の釜めしを扱っていたかどうかは甚だ疑問だ。やっとの思いでお弁当屋を突き止めるも時間からして殆どの弁当は売り切れ、そこに懐かしい日食のチキン弁当があったのでそれを買い求める。

 東京駅での頑張りが功を奏し帰りはグリーン車のお許しが出たのでグリーン車に乗って帰ってきた。後のことは省略、あまりに疲れ果てた妻はタクシーに乗せろと要求するも贅沢は許されぬと却下。

 こうしてただ疲れるために東京見物に行ってきた。東京は今年6月に蒲田にちょっとだけ行ったっきり。本当に久しぶりだった。しかし個人的感想ではあるけど東京は「観光」じゃなくて「見物」という言葉がとにかく似合っている。東京見物くらい東京を楽しんでいる事が伝わる言葉はないような気がする。これが横浜だと「横浜観光」だし、大阪だと「大阪観光」だろうし、沖縄ともなると「沖縄見物」という言葉はまさに新語のような感覚にさえ陥る。やっぱり東京見物、今日は本当に東京見物を楽しんだ一日だ■

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