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療養日記 2022年10月12日 『電車寝』

 わが国くらいにまで安全になると電車の中で寝ていても全く問題がない。これまでにいろんな国で鉄道を利用したが寝台の車両はまだしもそうでない一般車両では緊張して寝られた例しがない。

 例えば一番つらかったのがキューバ。あの「ハバナ・エクスプレス」は座席車両しかなくとても眠れない。寝たらどうなるだろうと緊張して眠れないのだ。

 長距離で寝台車じゃない列車ってあとはどこがあったかな。逆に寝台車はコンポーネントになっていることが多くて快適な思いしかしていない。例えばトルコのアンカラからエーゲ海沿いのイズミールまで行ったとき、イスタンブールへ行ったときといずれも寝台車での移動でぐっすり寝られた。逆にイスタンブールからアンカラへ行く列車は日中7時間もかかるがやっぱり緊張して寝られなかった。そのくせ座席はとても座り心地がよくて沈んでいくように眠気に引っ張られる。それでも寝なかった。

 ほかにも短距離だがブリュッセルからアントワープまでの特急もやっぱり寝ちゃマズいだろうと頑張って起きていた。内容とは関係ないがアントワープからの帰りの列車では目の前で麻薬の売人が鉄道警察に逮捕されていた。ドイツでもほんの数十分の乗車だったがそれでも寝ないように頑張った。

 イスタンブールのトラムや市電なども乗ったことがあるが寝た例しがない。因みに今日のカバー写真はイスタンブール新市街のトラム。これにも何度か乗った事があるけど座れたためしがないので寝たこともない。

 なのになんだろう。日本では油断しまくりでぐっすり寝てしまう。それどころかこのところ睡眠不足だと思うと敢えて電車に乗って寝る。確実に寝られるのと(グリーン車に乗っちゃえば確実)ここである程度の睡眠不足を取り返すかのごとく寝る。そして寝ても(昼間首都圏なら)安全だと思い込んで油断しまくりだし、これまでに盗難などの被害に遭ったこともない。また自分は乗り過ごしをした事がほとんどない。

 ということで今日は敢えて電車に乗ってぐっすり寝てきた。変な行動だと思われそうだがこうして寝不足を解消し同時に適当に疲れて今晩は適当に寝られるかと思う。

 ところで先ほどの海外での鉄道だが例外がある。それは韓国。韓国では日本同様電車の中で寝ちゃう事がある。例えば仁川国際空港からソウル方面へ行く列車は寝てしまう。ソウルの地下鉄も長い時間乗っていると眠たくなる。日本で言えば上野みたいな存在のチョンニャンニまで移動する時や、ウイジョンブ(議政府)やモラン(牡丹)、スウォン(水原)など目的地が遠くてなかなか着かない時はついつい寝てしまう。

 また寝台車じゃないが往年の「セマウル号」(韓国の最優等在来線特急)などは「寝て移動する人の列車」などと言われていてシートの座り心地からリクライニングの倒れっぷりまですごかった。それもトクシルというひとつ上級のクラスだとさらにすごい。目的地が遠いときは迷わずにトクシル座席を押さえておくべき。そんな列車に乗っていると乗客の大半は寝ている。

 それに較べると高速鉄道(KTX)は速いだけであまり快適ではない。こちらでは寝られた例しがない。

 いつしかツラツラと韓国の列車事情などを書いていたがだいぶ前韓国では列車旅を奨励していた事があり、日本のJRでも外国人向けフリーパスがあるように韓国の国鉄にも外国人向けの便利な乗り放題切符があったのでそれを使って韓国中列車旅をしたことがある。そんな旅のことも思い出した。いつかまた機会があったら書いてみたい■

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