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《目にみえないことが大切》とあらためて感じられる本

バッハは幾何学的。
ベートーヴェンは長い火や光の柱のよう。
ジャズは鋭角の光だ。



鋭い音楽家の批評のよう。

これは自閉症を患うイド・ケダーのことば。

『自閉症のぼくが「ありがとう」を言えるまで』
 イド・ケダー 著   入江 真佐子 訳

この本には、コミュニケーションの手段が健常者とスムーズにいかないもどかしさがわかりやすく書かれています。

芸術療法の実習をフランスで行ったとき
自閉症患者の多さが目立ちました。
そのころ、無学な自分に落ち込みつつ、
この世界を知ることが芸術療法のキモだと感じていました。

その答えを、この本の中に垣間見ることができたようにおもいます。

自分と他者の間には
たとえ言語があっても
伝わり合うことは困難。

心を表すことは困難。

だけど、
もどかしい気持ちを出したい。
わかりたいし、わかってほしい。

芸術や文化は、共通言語になる。
感動や共鳴を味わうことができる。

著者のイド・ケダーは
「ぼくたちはそろそろ
声をあげるときだ」
といっています。

言語で流暢に伝えられない
もしくは受け止めてもらえないとしても
そこであきらめたら試合終了なんですね。

見に見えないものは
やっぱり大切。

#星のおうじさま
#サンペグジュペリ
#自閉症
#steam教育
#美術教育
#内申も高いので要注意

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