ウクライナ情勢とESG、平和を願って。②
週一の更新じゃないんかい。と思った方々、ごめんなさい。思ったより長くなってしまい、いくつかに分けて掲載したかったので今週は2回です。
もう少し続きます。どうか飽きないで…
前回ウクライナの現状に対する率直な感想を書き記した。
そしてESGという概念は今、分岐点に来ている。
この二つがなぜ関係があるのか?
それは【有事】だからだ。新しい概念の浸透は有事の際には停滞する。
逆に心配事が少ない時代では、新しい価値の浸透が早い。
2015年のパリ条約からわずか5年余りで、ESG・SDGsの概念が一気に加速した。様々な法律・規則が出来上がり、企業は不平不満がありながらも適応してきたのではないか。
おかげで世界は、持続可能エネルギーに向かって異様なスピードで進んでいった。
途中、コロナウィルスの脅威もあったが、それは全世界共通の敵。(一時期犯人捜しの風潮もあったが)きれいな言葉を使えば、一致団結して前に進む気持ちが少なからず誰の心にもあった。(国家に視点を移せば各国のグローバルスタンダード争奪戦かもしれないが)
では、今はどうか。
「一番猛威を振るう敵は誰ですか?」と聞かれたら、全員一致の答えは出ない。現に、ロシア国内でさえ、若者とその親世代で価値観が分断されているという。
「心配事は何ですか?」など、さらに答えは細分化されるだろう。
「ESGなんて言っている場合じゃないんじゃないの?」
そんな言葉も出てくるかもしれない。否定はしない、肯定もしない。
しかし、その考え方がトリガーとなるのは事実。
【ESGを考えること】をやめると、確実に気候変動対応が遅れる。それは、今まで必死にやってきた「持続可能な社会」の寿命を縮めて、さっき遠ざけたかもしれない【未来に起こるはずの災害】を呼び戻すかもしれない。(全て、憶測の話でしかないが)
EUが進めているCSRDについてこれからどうなっていくのだろうか。
EU諸国も既にこの惨事の第3者とは言えない状況になっているだろう。
CSRD(企業サステナビリティ報告指令)は、ESGに関することについて企業に報告を義務付けるものだ。2022年の1月の段階で当初の予定よりもかなり遅れが生じていた。そこにこの有事。
Eに関しては、ISSB(国際サスティナビリティ基準審議会)が基準を制定している。それをもとに、今まで作ってきた制度を活用していけば、今まで通りの活動ができるかもしれない。
しかし、Sについてはどうだろうか。
今起こっているのは、人権侵害の最たるもの。
それは、被害を受けている人も、本当はやりたくないのに加担してる人も含まれる。大手企業の事業撤退・停止が進んでいるとはいえ、人権侵害という大きな壁を躱すことは不可能に近いのではないか。
一生懸命に転がしてきたESG思考は止まってしまうのか、有事適応として緩和されるのか、突き進むのか、誰にもわからない。
しかし、後にも引けない。ここで止めない意思が社会にも企業にも必要だ。
今止めてしまうと、あちこちで陰ながら囁かれていた「どうせ誰かが作ったブームでしょ」。が事実になってしまう。
私たちの老後に指折り数える後悔が増える。そんなことを言っている場合ではないのかもしれない。でも、頭の片隅でいいから、置いておいてほしい。気づいてほしい。
(次回に続く)
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