見出し画像

花香る大磯オープンガーデン

藤沢、辻堂、茅ケ崎…というと海を思い浮かべる人が多いと思います。または、サザンオールスターズ発祥の地とか。それでは「大磯」では何を連想するでしょうか。昭和の方なら「芸能人水泳大会」の開かれた「大磯ロングビーチ」が思い浮かぶかもしれません。そう、大磯はいわゆる「湘南」と言われるエリアからさらに小田原方面に進んだ、のどかでゆるゆるの駅になります。

その大磯で「オープンガーデン」というイベントが毎春開かれ、もう18年目になるそうです。今年は第1部が今週末に開かれました。

大磯駅前にたたずむ「大磯迎賓館」

ガーデニングが趣味の町民の方々のお庭を、道行く人に開放してくれるという植物好きにはたまらないイベントです。私は大磯の隣町に東京から移り住んで住んで4年になりますが、今年初めて観光協会のツアーに参加して、数々の素晴らしいお庭を見学することにしました。何せエリアが広大過ぎて、どこにどのお宅があるのか、紙の地図だけではわかりにくいのです。アプリがあるといいのになぁ…。

モッコウバラの玄関。素敵すぎ。

春なのでどのお宅からも花の香りがむせ返るようで、羽衣ジャスミンとバラ、すみれの香りがあちこちから漂ってきて、胸いっぱいの深呼吸を何回もしました。

オープンがガーデンに参加してますよ~の印

オープンガーデンの時期だからといって、どのお宅にもズカズカ入って良いわけではなく、参加されている方のお宅の前には上のような札が出ているので、その場合はお庭に入ってもいいのです(粋な企画ですね)。

煉瓦にしっくりの可愛いピンクちゃん

ガーデニングに精を出している方たちは、皆さん朗らかで「いらっしゃい」と迎えてくださり、冷たい飲み物をクールボックスにご用意くださっているお宅、キャンディーをどうぞと下さるマダム、ご主人がイギリスの方なのでイングリッシュガーデンを作っている方のお宅ではちょっとしたフリーマーケットが開かれていたり、苗木をご提供くださっているお宅もありました。

羽衣ジャスミン✨

東京都内でも閑静な住宅街はいくらでもあるし、お庭のお美しいお宅も沢山ありますが、大磯の場合は何が違うかって、背景には小さな山とたくさんのエネルギッシュな緑があるということです。鳥の囀り、澄み切った空気が都内とは圧倒的に違います。

黄色の青のコンビネーション

大磯オープンガーデンの発起人の方のお宅も回りました。元建築デザイナーのご主人が設計するおうちとお庭は、設計するのが大好きというご主人の熱が、お庭のあちこちに散りばめられていて、仕事を引退しても夢中になれる趣味に打ち込む姿が素敵でした。

元建築デザイナーの方のお宅の可愛すぎる壁。

「設計して材料はいくらかかるのか調べて計算してね、合計金額を家内に提出するの。OKが出ないとダメなの」と笑いながら沢山の設計ファイルを見せてくださいました。

玄関ドアもシックで素敵。
さりげなく置かれたイースターの卵。
ワインのコルク栓で作った鳥小屋だそうです。

そして今回、手編みの帽子をかぶっていきました。100円ショップの毛糸の割には可愛くできたと思っているのですが、なぜか沢山の方が、編んだの?可愛い~など、お声がけくださいました。

コットン糸でお花のピースを5枚繋いでいます。
お花は全色違う色&洗えるのがみそ

ランチは「パン屋の富田」で頂きました。店内が満室だったので、外の席で頂きました。オープンエアが超気持ちよくてパクパク食べていたら、通りすがりの老婦人が「あら、素敵、自分で編んだの?」と話しかけてくださる。聞くと以前は編み物の先生をされていて、こちらのお店で編み物の会があるのよ~と教えてくださり、店内にお会計に入るとまたもや帽子の話に笑。奥に座っていらした方たちが「編み物みんなでしてるのよ、いらっしゃいよ」とお誘いくださったので、来月参加させてもらうことに…✨


さて、1日目オープンガーデンの最後に訪れたのが、画家・堀文子さんのアトリエです。2009年に100才でなくなった堀さんは、終の棲家を高麗山の麓に選んだそうです。「大磯のいいところは電車の急行が止まらないところ、お店が沢山ないところ」と話されていたそうで、これには大いに賛成です!私の生まれ育った池上線・洗足池も小さな私鉄で急行なんてないし、結婚後に暮らした田園都市線・宮崎台も急行が止まらないところが気に入っていました。人が少なめの町は暮らしやすいのです。

繊細なタッチのイラスト集
みずみずしいイチゴ
静かな息遣いが聞こえてくるよう。

テーマとか表現よりも、内に持っている響きやリズム、知識を超えたどうしようもないことが絵には大事だと思います。

描いたスケッチ残した言葉 / 堀文子

上の言葉のとおりの響きやリズムの表現されたイラストの数々に出会えてよかったな~。堀さんは生粋のアーティストであると共にバイタリティあふれる女性だったようで、引っ越しをしょっちゅうしていて、長野に住んだかと思うとイタリアに飛んだりしていたようです。大磯ではお向かいのお宅のホルトの木が地域開発で切り倒されると聞き、守るために借金までしてその土地を買い取り、ホルトの木を守り、その土地にアトリエを建てて住まわれいたそうです。
80才を過ぎてからブルーポピーを描くためにヒマラヤに上ったりなど、本当にすごいとしか言いようがない。見習わなければ。

徹子の部屋の背景に飾られている「アフガンの女王」
※j-voceの記事から引用

2019年2月に100歳でお亡くなりになられた堀さんは、「年の割にお元気で」などと言われることをとても嫌がったそうです。「今でも私は子どものときの続き」とおっしゃっていたとか。そんなところも共感せずにはいられません。

最後に私のインスタのリールにオープンガーデンのお花を記録しましたので、よろしかったらご覧ください。フォローも大歓迎です。


大磯オープンガーデン1日目
2日目


この記事が参加している募集

一度は行きたいあの場所

pay forwardで行動していきます、ありがとうございます☆