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時代の寵児 OpenAIの軌跡と理念、そして社会への影響と長引く課題


 2015年にサム・アルトマン、グレッグ・ブロッチマン、イーロン・マスクらによって非営利団体として設立されたOpenAIのここまでの軌跡を20分程度にまとめたCNBCのビデオコンテンツ(8/10リリース)の参考訳です。設立当初の注目度は低く、2016年に「OpenAI Gym」や「Universe」などのツールを発表。徐々に存在感を示しながら、2022年11月にリリースしたChatGPTが大きな成功を収め、OpenAIの評価額は800億ドルを超えるまでに成長しています。一方で、この急速な成功は、AIが社会に与える様々な影響や疑念を引き起こしています(OpenAIはその象徴的な存在として注目されることが多いですが)。

 そのようなこの2~3年の生成AIにまつわる社会動向をOpenAIの軌跡を中心に据えて、まとめたコンテンツとなっています。 ご参照ください。




(1)イントロダクション


 今、テクノロジー業界は人工知能に夢中になっています。大手テクノロジー企業は、人工知能に巨額の投資をすると予測されていますが、その中でも特に注目を集めているのがOpenAIです。現在、OpenAIに関するニュースが話題になっており、OpenAIとアルトマン氏は、AGI、すなわち人工汎用知能の開発を目指しています。

 OpenAIは、人気のチャットボットChatGPTを開発した企業です。2015年にサム・アルトマン氏、グレッグ・ブロックマン氏、イーロン・マスク氏を含む研究者や学者、起業家たちによって設立されました。現在もアルトマン氏がCEO、ブロックマン氏が社長としてOpenAIに携わっていますが、マスク氏は2018年に退社しました。当時、OpenAIは、マスク氏が他に経営するテスラ社がAIに注力し始めたことで利益相反を避けるために退社したと説明しています。それ以来、OpenAIはAI開発の分野で最も著名なリーダーの一つに成長しました。

OpenAIの成長は、近年目覚ましいものがあります。約10年前には、あまり知られていない研究所に過ぎませんでしたが、今では誰もが知る名前になりました。

ヘイデン・フィールド(CNBC)



(2)理念と利益


現在、約200万人の開発者が私たちのAPIを活用して、さまざまな用途で素晴らしいことを実現しています。また、フォーチュン500企業の92%以上が私たちの製品を利用しており、ChatGPTには現在、約1億人の週間アクティブユーザーがいます。

[サム・アルトマン](OpenAI)

OpenAIは急速な成長を続け、企業とのパートナーシップを拡大し、新しい革新を次々と生み出しています。その結果、OpenAIの評価額は860億ドルに達したと報じられています。 

[CNBC News]

これほどの成果を挙げていると、OpenAIがもともと非営利団体として設立されたことを信じがたいかもしれません。
彼らの当初の使命は、「経済的な利益に縛られることなく、全人類に利益をもたらす形で人工知能を発展させること」でした。

[ヘイデン・フィールド(CNBC)]

 初期の段階で、アマゾン・ウェブ・サービス、YCリサーチ、イーロン・マスク氏、ピーター・ティール氏など、複数の投資家が非営利団体であるOpenAIに対して、驚くべき10億ドルの資金を提供し、活動を開始させました。

 しかし、OpenAIは人工知能の発展に取り組んだ最初の研究所ではありませんでした。
 2010年に設立されたイギリスのスタートアップ、DeepMindも同様の目標を掲げていました。DeepMindは2014年に約5億ドルでGoogleに買収されました。 

OpenAIという名前には「オープンソース」の意味が込められています。「Googleの反対とは何か?」と考えたとき、それはオープンソースの非営利団体ということになります。なぜなら、Googleはクローズドソースで営利目的の企業であり、その利益追求が潜在的に危険を伴う可能性があるからです。

[イーロン・マスク](Tesla)

 初期の頃、OpenAIは一般の人々の目にはあまり目立たない存在でした。会社が最初にリリースしたプロジェクトは2016年の「OpenAI Gym」というツールキットで、これは強化学習アルゴリズムの開発と比較に使われるものでした。 

強化学習アルゴリズムとは、モデルにフィードバックを与えることで学習を促す一連のアルゴリズムやアプローチのことです。これは、まるで生徒を教室に入れて大量の情報を与え、その後いくつかの質問に答えさせるようなものです。その生徒が質問に正しく答えれば肯定的なフィードバックを与え、間違えば否定的なフィードバックを与えます。肯定的なフィードバックを受け取った場合は、その情報が知識ベースに組み込まれますが、否定的なフィードバックを受け取った場合は組み込まれません。つまり、強化学習は、モデルを特定の行動に導くために、人やシステムがモデルを反復的に調整していく方法です。

[ローワン・カラン](Forrester)

 2016年、OpenAIは「Universe」というツールもリリースしました。これは、ウェブサイトやゲームプラットフォーム上でインテリジェントエージェントを訓練するためのツールです。
 
 しかし、人工知能の訓練や実行には膨大なデータと驚異的な計算力が必要です。2017年には、OpenAIはクラウドコンピューティングにだけで790万ドルを費やしました。
 
 OpenAIは急速に成長しており、リーダーたちはこの成長を続けるためには、さらに何十億ドルもの投資が必要だと認識しました。その投資先は、大規模なクラウドコンピューティングの確保や優秀な人材の獲得、そしてAIスーパーコンピュータの構築などです。

 OpenAIは、その解決策として非営利団体に加えて、「制限付き営利組織」(capped-profit company)を立ち上げました。この取り組みにより、外部からの資金調達が可能になり、従業員に株式を提供できるようになったとOpenAIは説明しています。これは、トップ人材を引きつけるために多くのテックスタートアップが採用するインセンティブです。

  「制限付き」というのは、会社がどれだけ成功しても、投資家や従業員が得られるリターンに上限が設けられることを意味します。その数か月後、マイクロソフトがOpenAIに10億ドルを投資し、両社が共同でMicrosoftのAzureクラウド上で新しいAI技術を開発するパートナーシップを結びました。
現在、マイクロソフトはOpenAIに130億ドルを投資しています。

このパートナーシップは、マイクロソフトがOpenAIの最先端技術に他社より先にアクセスできるようにすることを基盤にしています。その結果として、OpenAIの技術は他の主要なクラウドプロバイダーではなく、Azure上でのみ「OpenAIサービス」として展開されており、今もその形が続いています。

[ローワン・カラン](Forrester)



(3)時代の寵児 OpenAI


 マイクロソフトの支援を受けながら、OpenAIは人工知能技術の開発を続け、2022年に営利部門からChatGPTをリリースしました。

ChatGPTは、人工知能を搭載したチャットボットで、人間の言語データを大量にインターネット上から取り込んで学習しています。たとえば、Reddit、Googleの検索結果、旅行ブログなど、訓練に使用されたさまざまな情報をもとに、質問に対して人間らしい応答を生成します。

[ヘイデン・フィールド](CNBC)

 これは、アルトマン氏の親友であり、AirbnbのCEOであるブライアン・チェスキー氏が、最近のインタビューでChatGPTのリリース時の瞬間を振り返った際の言葉です。

「それは、iPhoneの発売以来、見たことのない現象でした。これまでに何か似たものを見た記憶はなく、一晩で世界が変わるとすぐにわかりました。」

[ブライアン・チェスキー](Airbnb)

 チェスキー氏の言うとおり、ChatGPTはOpenAIの名を一気に世界的なものとし、同社を世界で最も価値のあるスタートアップの一つに押し上げました。

チャットボット自体は以前から存在していましたが、ChatGPTが際立った理由は、AIへの関心と好奇心がかつてないほど高まっていたタイミングで登場したことだと思います。また、非常に使いやすく、誰でもウェブサイトにアクセスしてすぐに利用できる点も大きかったです。ChatGPTは、これまでのどのチャットボットよりも時代の風潮の一部となり、人々の生活に溶け込んでいきました。
わずか2か月で月間1億人のユーザーを獲得し、記録を塗り替えました。

[ヘイデン・フィールド](CNBC)



(4)ワイルドな生成AI


 多くの人にとって、OpenAIのChatGPTは初めて触れる生成AIでした。従来の機械学習がデータのパターンを分析し、予測を行うことに焦点を当てているのに対し、生成AIは新しいコンテンツを創り出すことができます。

生成AIは、画像、テキスト、動画、コードなど、訓練データに基づいて生成できるあらゆるコンテンツを作り出します。

[ヘイデン・フィールド](CNBC)

 これらはすべて、大規模言語モデルの開発によって可能になりました。専門家によると、これらのモデルはここ数年で飛躍的に進化しています。

言語モデルとは、人間の言語がどのように発展し表現されるかを模倣するためのアルゴリズムの一種です。基本的には、大量のデータを取り込み、それらのデータがどのように関連しているかを理解し、その関係性をもとにモデルを構築します。これを「大規模言語モデル」と呼ぶのは、過去の言語モデルに比べて、扱うデータの量が桁違いに多いからです。

[ローワン・カラン](Forrester)

 生成AIは、もはやテキストベースの出力に限定されません。ChatGPTに加えて、OpenAIはDALL-E 3も提供しており、ユーザーのテキストプロンプトを静止画に変換します。また、Soraはテキストプロンプトを動画に変換することができます。
 
 OpenAIは、これらのツールを最新バージョンであるChatGPT 4.0に統合する作業を進めており、視覚や音声といった他の感覚入力にも対応させています。これにより、リアルタイムのチュータリングや翻訳などのアプリケーションが可能になります。

'o'は'オムニ'を意味しており、ビデオ、オーディオ、テキストの能力が向上していることを示しています。これにより、歌を歌ったり、コードを生成したり、ユーザーの表情を認識して分析したりすることが可能になります。また、50種類の言語に対応し、ユーザーが途中で話を遮っても対応できるようになっています。これは、チャットボットにとって大きな進歩だと思います。

[ヘイデン・フィールド](CNBC)

 OpenAIは、すでにその技術からかなりの収益を上げています。主に、2023年初頭に商用化を開始した有料版のChatGPTからの収益が大きな割合を占めています。

OpenAIは、現在年間約34億ドルの収益を上げていると報告されています。これは、ChatGPTのPlusバージョンを利用する消費者や、ChatGPTのエンタープライズ製品を契約する企業、そしてAPIアクセスに対して支払いを行う開発者からの収入によるものです。

[ヘイデン・フィールド](CNBC)

 7月にOpenAIは、ChatGPTに組み込むための新しい検索エンジンのテストを開始したと発表しました。この検索エンジンは、ユーザーに迅速でタイムリーな回答を提供し、明確で関連性の高い情報源を示すことを目的としています。この技術は、Google検索の直接的な競合と見なされています。

ここ数年のOpenAIの動向を見ると、彼らは明らかに商業企業としての関心を持っており、世界最大級の企業にサービスを提供することに注力しているようです。特にエンタープライズ企業に対するサービス提供に力を入れていることが伺えます。

[ローワン・カラン](Forrester)

 いくつかの企業、例えばPwCやマグナ、エスティローダーなどが、すでにChatGPTを業務に導入し始めています。

バイオテクノロジー研究や薬の発見、法律サービスの一部の分野など、膨大なデータや文書、情報を取り込み、それを要約してタスクを作成したり、重要なポイントを抽出したりする必要があるあらゆる分野で、多くの応用が見られます。

[ヘイデン・フィールド](CNBC)

ソフトウェア開発の分野を見ると、現時点で最も顕著に影響を受けている分野だと思います。

[ローワン・カラン](Forrester)

 最近の報告によると、AIの影響を最も受けやすい職業は銀行業界で、その次に保険業界とエネルギー業界の職業が続くことがわかりました。

 これがこれらの業界の人間の働き手にどのような影響を与えるかについては、まだ判断するには早いかもしれないと、カラン氏は述べています。

すべての技術革新と発展に伴い、仕事の所在に変化が生じ、いくつかの職が失われることは避けられません。職務内容が変わることもあるでしょうが、現時点では、失われる職業よりも新たに生まれる職業の方が大幅に多くなると考えています。

[ローワン・カラン](Forrester)



(5)OpenAIとビッグテック


 このような可能性に期待を寄せる投資家やテクノロジー企業は多く、AIスタートアップに積極的に投資したり、自社で技術開発を進めたりしています。

Amazonは、AI企業アンソロピックに最大40億ドルを投資する予定だと発表しています。

[CNBC News]

マイクロソフト、アルファベット、そしてメタも、それぞれAI製品の開発に四半期ごとに数百億ドルを投じる計画を明らかにしています。

[CNBC News]

現在、生成AI市場は急速に成長しており、専門家によると、今後10年以内に1兆ドルを生み出すと見込まれています。OpenAIの最大の競争相手で、まだスタートアップであるのはアンソロピックです。他にも、企業向けに特化しているCohereや、Google、Microsoftも競合に名を連ねています。

[ヘイデン・フィールド](CNBC)

 OpenAIに加えて、Microsoftは2022年以降、フランスのスタートアップMistral AI、ロボティクス企業Figure AI、Inflection AIなど、20社以上のAIスタートアップに投資しています。また、独自のチャットボット「Co-Pilot」も開発しています。Googleは、AnthropicやHugging Face、自社のGeminiモデルに投資しています。Amazonも、AnthropicやHugging Face、さらにMetaも出資しているScale AIを支援しています。今年の初めには、MetaがChatGPTやGeminiに対抗する「Meta AI」を発表しました。

 

Appleもこの流れに加わり、OpenAIのChatGPTをiPhone、iPad、そしてMacのソフトウェアに統合することを発表しました。

[CNBC News]

 新機能「Apple Intelligence」を使用するには、ユーザーがオプトインする必要があり、この機能は昨年のiPhone 15 Proモデルを含む最新世代のAppleデバイスでのみ利用可能です。



(6)残される疑問


 生成AIやOpenAIが多くの期待を集めている一方で、この技術に対して懸念を抱く声も少なくありません。AIを急速に採用することで、潜在的なリスクや影響を十分に考慮していないのではないかという懸念が広がっています。
 
 オープンAIの創設者の一人でありながら、イーロン・マスク氏は2018年に退社して以来、同社に対する最大の批判者の一人となっています。

イーロン・マスク氏がOpenAIを提訴したことを巡る両者の言葉の応酬は、沈静化する兆しを見せていません。

[CNBC News]

イーロン・マスク氏は、OpenAIと創設者のサム・アルトマン氏とグレッグ・ブロックマン氏を相手取り、契約違反および受託者責任の違反で訴訟を起こしました。マスク氏は、OpenAIが当初の非営利の使命から逸脱し、現在はMicrosoftの利益を支援する営利団体になっていると主張しました。しかし、当時話を聞いた専門家によると、この訴訟の法的根拠はかなり疑わしいものでした。というのも、関係者全員が署名した正式な契約が存在しなかったからです。

[ヘイデン・フィールド](CNBC)

 マスク氏は6月に最初の訴訟を取り下げましたが、8月初めに再びアルトマン氏、ブロックマン氏、そしてOpenAIを相手取り、同様の訴訟を起こしました。彼は、OpenAIを非営利団体として設立するという前提で共同設立に関与するよう操作されたと主張しています。一方、OpenAIは2018年に、Googleと競争するために営利企業になる必要があるとマスク氏が同意したことを主張しており、その証拠として過去のメールをブログで公開しています。

 マスク氏は、xAIという競合するAIスタートアップと「Grok」というチャットボットを立ち上げています。しかし、昨年マスク氏は他の1000人以上のテクノロジーリーダーや研究者と共に、AIの開発が社会や人類に深刻なリスクをもたらすとして、一時的な開発停止を求める書簡に署名していました。

 テスラとスペースXのCEOであるマスク氏は、AppleがOpenAIとの提携を発表した後、自社でApple製品の使用を禁止する可能性があると警告しました。しかし、AIが社会に与える影響についての懸念は、OpenAI内部でも高まっていました。

2023年11月、OpenAIのCEOであるサム・アルトマン氏が取締役会によって一時的に解任されました。その後、取締役会の一部のメンバーが、アルトマン氏に対する信頼を失ったと公言しました。彼が取締役会に対して率直でなかったことや、営利目的の製品開発と非営利団体としての使命である人類の利益のためのAGI開発に関して、彼の言葉を完全に信頼できなかったことが理由とされています。

[ヘイデン・フィールド](CNBC)

 この解任劇は逆効果となりました。アルトマン氏が解任されてから1週間も経たないうちに、Microsoftが一時的に雇用していたアルトマン氏はOpenAIのCEOに復職しました。解任を決定した取締役会は、OpenAIの数百人の社員が辞職してアルトマン氏と共にMicrosoftに移籍すると脅したことを受けて、入れ替えられました。

 現在、政府もOpenAIやビッグテックのビジネス慣行に対して疑問を呈しています。

連邦取引委員会(FTC)は、テクノロジー大手によるAI関連の取引について調査を開始しました。特に、Microsoft、Amazon、GoogleがOpenAIやAnthropicなどのスタートアップに対して行った数十億ドル規模の投資が注目されています。

[CNBC News]

 FTCによるこの調査は、支配的な企業による投資やパートナーシップが、イノベーションを歪め、公正な競争を損なうリスクがあるかどうかを明らかにすることを目的としています。

これらのAIモデルのトレーニングや運用、構築には非常に高額な費用がかかります。AIモデルのトレーニングには数百万ドルから10億ドルかかるとの推定もあり、日々の運用には数十万ドル以上の費用がかかることもあります。現在、スタートアップとビッグテック企業の間で大きな権力が集中していますが、FTCの調査結果や現在進行中の他の規制当局の監視によって、その状況が変わる可能性があります。

[ヘイデン・フィールド](CNBC)

 こうした状況は、アメリカ政府が人工知能の規制方法を模索している最中に起きています。

昨年10月、バイデン政権は初めてAIに関する大統領令を発表しました。これには、新たな安全性評価、新たな公平性や市民権に関する指針、そしてAIが労働市場に与える影響に関する新たな研究が盛り込まれました。この大統領令は、規制強化を求めていた業界関係者から概ね好意的に受け止められましたが、十分ではないとの声もありました。具体的な内容、より広範囲な安全性評価、そして企業がモデルのトレーニング方法やその影響について、もっと透明性を持つよう求める声が上がっています。

[ヘイデン・フィールド](CNBC)

 現在、生成AIに関する大きな懸念の一つは、技術を悪用して誤情報や偽情報を拡散することや、AIが既存の偏見を助長することです。これらの問題は、社会に深刻な影響を与える可能性があり、技術の開発と利用に対する厳格な監視と規制が求められています。

これらのツールは本質的にパターン生成器であり、与えられたデータを基にパターンを作り出します。そして、多くのツールがインターネット全体のデータを使ってトレーニングされているため、偏見や性差別、人種差別、その他の問題のある信念を示すことがあります。また、世界的に重要な選挙年を迎える中で、誤情報やディープフェイクが広がる可能性が高まっていることも大きな懸念です。こうした技術が選挙や公共の議論に与える影響は非常に重大であり、慎重な対応が求められます。

[ヘイデン・フィールド](CNBC)

「こうした事態は避けられなかったのでしょうか?この技術が発展するにつれて、リスクが見えてきたのは明らかでしたよね。たとえば、ディープフェイクのようなもの、顔を入れ替える技術などです。」(サム・アルトマンへの質問)

「そうですね。技術がそういったことを可能にするのは避けられなかったでしょう。当然、その技術を利用できるシステムが出てくることも避けられませんが、だからこそ、社会や政府には役割があると思います。つまり、ある程度不安を感じる技術の利用を認める一方で、線を引くべきところもあるということです。例えば、顔を入れ替えるディープフェイクを使ったリベンジポルノは、その線を引くべき良い例だと思います。」

[サム・アルトマン](OpenAI)

”今年の5月に、OpenAIが長期的なAIリスクに取り組むチームを解散すると発表し、驚きを呼びました。”
”7月には、OpenAIがトップのAI安全担当者をAIの推論に焦点を当てた役職に異動させました。”

(CNBC News)

 ただし、OpenAI は業界で「レッドチーム」と呼ばれるセキュリティ専門家を引き続き活用しています。

レッドチームは、企業のモデルがどれほど問題を引き起こす可能性があるか、どれだけ危険や悪影響を及ぼすかを内部からテストし、その結果を企業に報告します。その目的は、企業がより多くのガードレールを設けて、問題が発生しないようにすることです。

[ヘイデン・フィールド](CNBC)

 創業当初から、著作権に関する問題もOpenAIを悩ませてきました。

ニューヨーク・タイムズは、OpenAIとマイクロソフトを訴えました。訴訟の内容は、両社がニューヨーク・タイムズの著作権で保護された素材を利用してAIモデルを訓練したというものです。

[CNBC News]

 調査報道センター、シカゴ・トリビューン、ニューヨーク・デイリー・ニュースもOpenAIに対して著作権侵害で訴訟を起こしています。一方で、他の一部の組織は異なるアプローチを選び、OpenAIとの提携を選択しています。

News Corp(ニュース・コープ)は、ウォール・ストリート・ジャーナル、マーケットウォッチ、ニューヨーク・ポスト、ビジネス・インサイダー、タイムなどを所有しています。これらの企業は、コンテンツやアーカイブの提供に対して報酬を受け取っており、その内容はAIモデルの訓練や、ChatGPTでのユーザーの質問への回答として使用されています。

[ヘイデン・フィールド](CNBC)

 持続可能性は、テックジャイアンツが十分なスーパーコンピュータを構築し、AIの電力を大量に消費するアルゴリズムのエネルギー需要に追いつこうとする中で、大きな課題となっています。
 
 一部の専門家によると、2027年までにはAIサーバーが年間で85から134テラワット時の電力を使用する可能性があると見積もられています。これを具体的に言うと、これはオランダ、アルゼンチン、スウェーデンなどのいくつかの国が2022年に使用した電力量とほぼ同じです。
 
 水の消費も懸念されていますが、それにもかかわらず、AIの開発の進展は鈍化する兆しを見せていません。

人々はこれらのツールを使って、私たち全員が共に生きる未来を創造していくでしょう。それが、世界がより良くなっていく物語です。私たちは技術を作り、人々はそれを使って新しいものを築き、創造的なアイデアを表現し、社会が改善されていきます。

[サム・アルトマン](OpenAI)



(7)オリジナル・コンテンツ

 オリジナル・コンテンツは、以下リンクからご覧になれます。
尚、本投稿の内容は、参考訳です。また、意訳や省略、情報を補足したコンテンツを含んでいます。

Schwab Networkより
Original Published Data : 2024/08/09 EST


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だうじょん


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