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第5章 脳が大きな嘘をつく | スタンフォードの自分を変える教室 (毎週日曜日更新)

今日はこの本の第5章を読んでいく。

脳の報酬システムはどのようにして私たちに行動を起こさせるのか?
脳は報酬が手に入りそうだと認識すると、ドーパミンという神経伝達物質を放出する。
このドーパミンが脳全体に指令を出し、注意力を集中して欲しいものを手に入れようとする。
よく幸せな時に「ドーパミンがでている!」というような言い方をするが、実はそれは適切ではなく、ドーパミンが一気に放出された時に感じるのは幸福感ではなくむしろ興奮に近いものだ。

人はこれによって神経が研ぎ澄まされ、敏感になり、欲望で頭が一杯になる。

「パブロフの犬」という有名な実験で明らかなように、目の前に食べ物がなくてもベルが鳴っただけでよだれがでてしまう犬のように、脳も報酬が得られると分かった瞬間に、「報酬の予感」を抱きドーパミンをどばっと放出する。

現代はドーパミン放出を促す装置で溢れている。
新着のメッセージ、SNSの通知、Youtubeの関連動画、目を引く広告・・・
特にゲームのクリエイターなどは、脳の報酬システムを意図的にコントロールした設計を施している。
「もしかしたら次のレベルに進めるかもしれない・・」
「あと少し課金したらスコアを獲得できるかもしれない・・・」
そう期待してしまうからこそゲームには止められない魅力がある。

スーパーも工夫を凝らしている。
スーパーマーケットは顧客のドーパミンが最大になった状態で買い物をしてもらいたいので、最もお買い得の目玉商品を入り口に並べたり、無料の試食コーナーを置いたりする。「1点買えばもう1点無料!」などもドーパミン放出を促す仕掛けだ。

あえて欲望に負けてみる

「これをすれば楽しい気持ちになれる」と思い込んでいるせいで、つい負けてしまうような誘惑、例えばオンラインショッピングやネットサーフィン、スナック菓子やテレビなどの暇つぶしなどをあえて楽しむことにしてわざと報酬への期待を感じてみる。

そして自分にどんな感情が湧き上がるのか観察し、
「いつになったら満足するのか?」あるいは「そもそも満足することはあるのか?」を確かめてみる。
この実験を試した人は次のどちらかのパターンに分かれていく。

① 楽しいと思っていることを心から味わうようにしたところ、思っていたよりずっと少しの量で満足できる

② 報酬への期待と実際に得た快感があまりにかけ離れていることがわかり、すっかる幻滅してしまう

いずれの場合も、自分の欲求を以前よりも上手くコントロールできるようになる。
これに共通して言えることは、「客観的に自分を見つめる」ということである。
欲望の行動を支配されず、「自分は今なにをしているのか?」を冷静に見つめる。

欲望は、善か悪か

欲望は行動を起こすために脳が仕掛ける戦略だ。
これは毒にも薬にもなるもので、自己コントロールを脅かす脅威にもなれば、意志力の根源にもなりうる。
欲望それ自体に善悪はないので、大切なのは欲望によって自分はどこに向かおうとしているのか?どういう場合ならば欲望に走っていいのか?を見極められることである。

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