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アート作品の読み解き方

近頃はアートやデザインの領域に関心が寄っているので、それらの領域に関連する書籍が増えていっている。

今読んでいる本は、この本。

感性とは生まれつきのものではなく、論理をベースにして鍛える(磨き込む)ことができる、という趣旨の本である。

ビジネスでもなんでもそうだと思うのだが、物事には「型」がある。
できないのではなく、知らないだけ。
美術鑑賞にも型があり、まずは型に則って鑑賞することでより作品への理解を深められるのだ、というもの。

感性とは、「これまでの人生で見聞きしたり、実際に体験したことの全てが蓄積されている自分のデータベースをもとに判断される感覚」のことである。
所詮人間なんて、

自分が経験した世界を軸にしてしか判断はできない。
感性を磨くということは、自分の世界を広げ新しいものの見方を手に入れていくことに等しい。

パーソンズという研究者が美術の鑑賞レベルを研究した結果、次の5つの段階に分けられると結論づけたそうだ。

第1段階:「偏愛主義」(Favoritism)
→ 直感的で表面的な好き嫌い

第2段階:「美と写実主義」(Beauty and Realism)
→ 本物そっくりがいい!段階

第3段階:「表現性」(Expressiveness)
→ アーティストの表現や生き様が素晴らしい!段階

第4段階:「スタイルと形式」(Style and Form)
→ アートヒストリーを理解した上で判断できる段階

第5段階:「自主性」(Autonomy)
→ 評論家的に独自の見解を示せる段階

鑑賞レベルを高めていくと、自分だけの鑑賞の幅も広がり、一枚の絵画が奥行きを帯びてくる。新しいものの見方を手に入れることができる。

まずは作品をありのままに見て、例えば以下のような観点で紐解いていく。
・描かれているものは何か?
・色や大きさはどんなものか?
・使っている画材はどのようなものか?
・いつ/どこで描かれたものなのか?
・誰が書いたものなのか?
・その人に影響を与えた人物は?

そして、総合的に見て自分がその絵を見た時にどんな感情を抱いているのかを、向き合いゆっくりと紐解いていくのだ。

近日、美術展に足を運ぶ予定なのだが、わたしの鑑賞レベルは1~2段階だと思うので、せっかくだから展示物の何点かを予習して訪れようと思う。

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