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「痩せてることが悩みなの」なんて、口が裂けても言えないよね

このnoteを書くのを、少しだけ迷った。
自分の心のちょっとだけ傷付きやすい部分に触れるにも関わらず、それがもしかしたら誰かにとっては自慢や嫌味のように聞こえてしまうかもしれないから。

でも、同じような嫌な気持ちをした人と、その周りの人に読んでもらえたら嬉しいかもなと思い、わたしはこの文章を書いている。

ちょっと重めのテイストで始まったけれど、今はそんなに気にしていないのでわたしの知り合いがこれを読んで気を遣ってこなければ良いなあとだけ思う。

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「痩せてるね!」「ほっそ!」
わたしは人生で、この言葉を何千回とかけられて育ってきた。

生まれてきた時は超絶健やかな体重(大きめベビー)で生まれてきたわたしは、1歳になるまではまあ周りに心配されるくらいの関取サイズだったのだが(食べるだけのマシーンと化して、バナナを無限に口の中に放り込んでいたそう)ある日口内炎ができてものが一時期食べられなくなったときに食べる楽しさを忘れてしまったようで(ただのアホの子)そこからは細身の、そして高校に上がるくらいまでは食の細い子として生きてきた。背も高い方だったので、実際の体重よりも余計に細く見えていたと思う。

すらっとしているね、というと聞こえは良いが、要するにがりがりなのである。
しかも、食べるスピードがあまり速くなかったわたしは、幼稚園から小学校にかけては給食の時間を過ぎてもいつも残されていて、昼休みになると机を後ろに下げてごはんをいやいや食べる(小学校でひとりはいたはず、あれがわたしだ)という毎日を過ごしていた。そうなると、目の前に広がっている給食がこなさなければいけないタスクのように思えてしまい、ますます食べることが嫌いになる。
そうして食べる量があまり多くないと、そんなの太るわけがない。あの給食の時間は、結構苦痛だった。

これは一般的な社会の概念としてだけれど「太っているのは良くない、細いのは良い」という考え方が世間には蔓延しているように思う。
ややぽっちゃりしている人に対して「太ってる!」とは言わないけれど(なぜならばそれは言ってはいけないことだと認識している人が多いから)痩せている人に対しては誰もが抵抗なく「痩せてる!」という言葉をかける。悪気がなく、この言葉をかける。

だから、わたしは小さい頃からめちゃくちゃこの言葉を言われてきた。
そりゃもう、何千回、何万回と。
羨ましい?全っ然そんなことはない。

言っていい言葉、という免罪符に乗じてかけられる言葉の裏に隠されている意図は様々だ。

「痩せてるね!」(もっと肉付きの良い方がいいよ、細過ぎて気持ち悪い)
「痩せてるね!」(太らないなんて羨ましい)
「痩せてるね!」(体に悪いよ、もっと食べたら?)
「痩せてるね!」(骨折れそう)← 折れません!!!!!

いろんな意図が含まれているので、言われるたびに「そんなのわたしが一番よく分かってる」と思う。そして、この言葉をかけられた時の反応に困る。
事実、確かにそうだよなと思うし、自分ではそれが本当に嫌だったのだけれど、「そうなんですよ〜」と答えると嫌味だと思われる。
でも、「そんなことないですよ〜」と言うと、嘘じゃんと言われる。
じゃあどう答えろってんだ、という袋の鼠状態になる🐁

中学に上がって食べる量が増えても消化が悪いのか胃腸が狂ってるのかなかなか太らなくて、中学の顧問は会うたびに「相変わらずがりがりやな!ちゃんと飯食っとんのか!」と毎回毎回言ってきた。それしか話す話題がないのか、と呆れるくらいに、そりゃもう毎回毎回。ちゃんと食べてます言われなくとも、と心の中で悪態をつきながら「そうですね〜」と愛想笑いで返すしかなかった。

そんなような言葉をかけられることを重々承知しているわたしは、手足の露出が多い夏の季節がくるのが嫌だった体育などの着替えの時間も嫌だったし、部活の合宿などでみんなで温泉に入るのも、本当に本当に嫌だった。自分でも、全然肉のつかない骨っぽい体を見るのが嫌なのに、逃げ場のない詰め将棋のような会話に追い込まれるという二重苦。しかも相手は褒め言葉をかけていると思っている。地獄だ。

世間を見渡しても、「絶対痩せる食事」「これをするだけで5kg落とせる」などの痩せる方法はたくさん存在しているのに、太る方法は全くと言っていいほど紹介されていない。「全人類が痩せたいと思っている」という前提の元でこの世界は存在しているのだろうかと思うほどに。
それに周りの友達は「痩せたい」と言ってるし、「○○(わたし)は食べても太らなくていいよね」と言われる。「わたしは太りたいんだけど・・」なんていうと血で血を洗う戦争が勃発するので口が裂けても言えない。

たぶん大学に入学してから(成人してお酒を飲み始めたからだろうか・・)それでもあまり太りはしなかったけれど以前よりはましな体型になってきて。それとともにわたしも自分の体を徐々に受け入れ始めた。
「まあ、自分の体だし、これはこれと思って受け入れるしかないかな」と。
そう思うと、いろんな服も着れるしこれはこれで悪くもないのかな、とようやく思えるようになった。嫌で嫌で仕方なかった温泉も、「まあみんな違う体だし、よく考えたらそんなにみんなわたしの体ばっかり見てるわけじゃないしな???」と。本当に本当に、そう思えるようになったのはここ数年のこと。

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本当に、わかっているのだ。
「痩せてるね」という言葉をかけてくる人たちの殆どに、悪気が無いことは。
ただ、「太ってるね」よりも言葉をかけるハードルが抜群に低いこの言葉は、初対面の人にも平気でかけられる。初対面であれ、既知の仲であれ、何度も何度も。だって、悪気がないから。(中学の時は悪意を込めて言ってくる人もいたけれど)

勿論、この言葉をかけられて嬉しい人もたくさんいる。
そんなことも、とてもとても良く分かっている。

でも、全員じゃないのだ。
嫌味でも自慢でもなんでもなく、その言葉で少し嫌な気持ちになってしまう人だって、少ないかもしれないけれど確実に存在している。

今でもわたしはこの言葉をかけられる。
これは自慢でもなんでもなく、一つの事実として。
悪気が無いことなんて分かっているし、たぶん褒め言葉のつもりで言ってくれているんだろうなと思っているから、にこにこ笑って返事をする。
「わーい、ありがとうございます!!」と笑って返せる強さを手に入れたわたしは、ちょっと大人になったんじゃないかと思う。

でもやっぱり小さな頃からの刷り込みもあって、「痩せてる」「細い」という言葉に関しては100%良いイメージを持ちきることはできなさそうだ。「これは完全に褒められている」と認識できる時でさえ、ありがたい気持ち 90%、複雑な気持ち 10%という感じだ。三つ子の魂、百まで。(でも「スタイルがいいね」「華奢だね」という言葉だと嬉しい気もするから、言葉選びって難しい)

とはいえ、そんなことを言って数年後に「痩せたい・・無理・・」と嘆いているかもしれないし、そう考えると人生は本当にわからないし人間結局ないものねだりなのである。太りたい、とはいえバストなどのお肉がついていると良いところにたくさんお肉がついてほしいだけで、太りたくない箇所もあるもんね・・・顔は結構すぐに丸くなるので、顔にはお肉、ついてほしくないな・・わがまま・・・・

なんでこのnoteを書いたのかというと、「こういうものの見え方もあるんだよ」ということを知って欲しかったから。
その立場でものを見たことがないと気付くことなんてできないし、話し言葉で伝えても、なかなか伝わらない。これだけきちんと文章に起こせば、「そんなこと言ったってただの自慢話でしょ」なんて思われないはずだ。(それでも思われるならばそれはもうお手上げ🤷‍♀️)

最近は殆どこのことについて気にすることはなくなっていたのだけれど(というか受け入れ過ぎててほぼ忘れてた)幼い時の気持ちをふと思い出したので、ありのままnoteに書いてみた。

もし、同じような悩みを持っている、特に中高生の女の子が読んでくれるのであれば「あなたのこれからは分からないけれど、一つの事例としてわたしは数年後にはまあしょうがないって受け入れることができて、今では自分の体もそんなに悪くないんじゃないって思えるようになったから気にしすぎないでもいいかも。でも、嫌だよね。」と伝えてあげたい。

そして、なかなか太れなくて悩んでいそうな人が周りにいる人が読んでくれているのであれば、「悪気がないのは分かっているけど、ちょっとでもいいから『痩せてるね』っていう言葉をかけるのを減らしてあげて、たぶんその子が一番よく分かっているから」と伝えてあげたい。

冒頭に書いたように、これを読んだわたしの友人たちが一斉に気を遣い出さないかが心配だけど、本当に今はあまり気にならなくなったので余計なお気遣いはしないでほしい。そっちの方が傷付く。

ちなみにわたしはわたしが嫌だったことをつらつらと書いたのだけれど、誰かにとっては嫌なことだけど、わたしは気付いていないだけってこともきっとあるはずだ。それは本当に、気付けなくてごめんだし知らないだけなので是非とも教えてほしい。

このnoteが、誰かにちょっとでも優しくなれるきっかけになりますよう。アーメン


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しらも

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福岡生まれ。やわらかく、たくましく。