過去を思い出し発狂させられた小説
どんな本
就活時に読むと、発作が発動するとの噂だったので、就活が終わってから読むようにしていた。そしてそれをすっかり忘れていて一年が経過した。
amazon.co.jp/何者-新潮文庫-朝井-リョウ/dp/4101269319
正直、読んでいて心苦しかった。
私が就活に対して、苦戦を強いられた経験があること。
主人公の拓人の泥臭く努力する他人を笑う陰湿な性格が生々しく描かれていること。そしてそれが周囲に見透かされていること。
これらのリアルな描写がTwitterの140文字で表現されていたこと。
人間が表に見せる表情とは裏にある行動にギャップがありすぎること。
自分は変われないのに他人は変わっていくこと。
まさに人生において激動の時期を過ごす若者の心理を描いた作品になっています。
要点「観測者の立場では人生の主人公にはなれない?」
拓人は演劇サークルで活躍するアクティブな学生かと思いきや、彼の周りにはそれ以上に活動的な学生が多く存在する。
そんな彼らをよそ目に拓人は匿名で誹謗中傷する陰湿な行動を繰り返していた。
自分は安全圏の立場から、リスクを負って何かに打ち込む人の悪口を言う人。それで失敗したら、ここぞとばかり叩く。
現代社会におけるSNSの闇と多感な時代の人間関係をうまくつなぎ合わせていますね。
でもそう言う人間は何も動けない。一生観測者でいるなとは言いませんが、もう少し自分を客観的に見る姿勢が必要なのかもしれません。
感想「就活で失敗したら全否定される気持ち」
確かに就活ってそれまでの人生の評価を下される気になるんですよね。
就活という一枠の評価でしかないのに、就活で苦戦すると「ああ俺はダメなやつなんだな」と。
就活なんて縁があるか、ないかくらいの気持ちで考えておいた方がいいかも。
もちろん自分がやりたい事をかを軸に就職先を探すべきなんだろうけど、そこまで強い想いもなかった気がする、今考えると。
まあそんな軽い気持ちで考えていて、学部時代全落ちした私が言うのも説得力ないんですけどね。笑
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