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富士フイルムH社長の発言を読む

富士フイルムホールディングスの決算報告会での社長発言がプチ炎上している件で、カメラユーザーがそれぞれの意見や感想を発信しています。
私もXシリーズユーザーなので、ちょっと考えてみました。


報告会での発言を読む

きっかけは、イメージング事業(カメラ関連事業)に関する証券アナリストからの質問。
富士フイルムホールディングスが公開しているIR資料の該当部分を引用します。
島本さんはアナリスト、後藤さんは社長。
切り抜きは誤解が生じるので、公開している該当部分をそのままコピペしています。

島本 [Q]:もう 1 問イメージングについて、1〜3 月は好調にいっていると思いますけれども、キ ヤノンさんとかは少し在庫調整の話で、業績厳しい決算になったところがありまして、御社のカメ ラの事業、チェキも含めて、デジカメとチェキそれぞれ在庫調整とマーケットに変化が今年度ない のか。それなりに強い計画にはなっていると思うので、この辺り今の状況について教えていただけ ますでしょうか。

後藤 [A]:おかげさまで 2023 年度イメージング事業としましては、売上が 4,000 億円台の後半、 利益率が 21%ちょっとで、大変良い成績を収めることができました。
特に 3Q までは好調でして、いつもは 4Q でこのクリスマスシーズンが終わると、需要が下がるの がこれまでのパターンでございましたが、今回はいろいろその前に新製品を投入しながら、バック オーダーも抱えながら、4Q も良い成績を上げることができて、通年でこれだけの成績を上げるこ とができました。 積極的な計画をと言われていますが、他のアナリストさんからはちょっと物足りないんじゃないの というような意見も前回中期の時ございました。 ポイントはブランド力をどれだけ作って、それをどう維持するかが最大のポイントです。ですから 作りすぎちゃって、値段を下げるとか、それはかなりもったいないことというか、富士フイルムが ずっとやろうとしてきたところはやっと今それが叶うようになってきた。 一つは特徴があるカメラ、例えば GFX シリーズは、世界でも一番大きい CMOS を搭載しまして、 プロユーザー、それからアドバンスドアマチュア、絶大なる信頼を得ておりまして、値段も相当か かりますが、まだ買っていただくお客さんがバックオーダーを待っている。それに付随してレンズ も売れているところです。 ブランド力をどうやって構築するか、そしてお客様が持っているその購入されたプロパティの価値 を下げないところに集中しながら、イメージング全体、チェキもそうですけど、それを引っ張って いきたいと考えております。 例え話で言えば、社内で僕が言っているのは、ドイツの有名なメーカーライカっていうのは、いま だに古いカメラも、今売っているカメラも、かなり高い価値を維持しているところが目標とすると ころです。これまでの富士フイルムのカメラの売り方を、根本的に変えていくところが、ミラーレスカメラのわれわれが目指すところでございます。

島本 [Q]:分かりました。一点確認で、在庫の状況等は平常な状況だという、そういう理解でいい ですか。

後藤 [A]:はい。

富士フイルムホールディングス IR資料より

発言を生成AIで要約

解りやすくしたいので、Copilotさんに要約してもらいました。

・2023年度のイメージング事業の成績は、売上が4000億円台の後半であり、利益率が21%程度で非常に良好であった。

・特に第3四半期は好調であり、新製品の投入とバックオーダーの管理により、通常のクリスマスシーズンでも良好な成績を上げることができた。

ブランド力の構築と維持が重要であり、特にGFXシリーズの特徴的なカメラは顧客から高い評価を受けている。

在庫の状況は平常時と同様である。


ユーザーが問題としている点

ユーザー発言でよくみられる焦点は、「ライカを目指す」と「在庫状況は平常時と同様」に集約されるようです。

ライカのようなブランドを目指すことは、私個人としてはとても良いことだと思っています。
過去のカメラも含め愛着を持っている私にとって、道具としてもコレクションとしても一流のライカは、やはり憧れ。
そんなブランドを目指すこと自体は、とても良いことだと思います。

次に「在庫状況は平常時と同様」について

気に入ったものを買うときに長い時間をかけて検討する私は、現在の富士フイルムカメラの値段は見ていませんでしたし、在庫を気にしていませんでした。
X-T4ラブ!

そこでお世話になっているヨドバシカメラさんの在庫状況をみてみると・・・・

ヨドバシカメラ.com(2024.5.29)

ん、在庫無いんですね。
ちなみに、ちょっと気になっていたX100Ⅵなんて、3月発売なのにアクサリーしかヒットしませんぜ(泣

これで「在庫は平常時と同様」といっていたら、ユーザーは怒りますね。
X-T4やX-T1の時は注文してすぐに手に入ったので、ここ1、2年の方針なんだろうか?

これじゃあ過剰供給や値下がりを気にしすぎて、売り逃ししていますね。
半導体の供給は安定してきているはずだから、在庫調整だとみられても仕方がない。

いいカメラつくっても、ユーザーの手に渡らなければ評価はしてもらえない。
新規顧客は完全に逃がしています。
会社はどこを(誰を)みて商売しているんだろう。


ついでに株価チャート

富士フイルムホールディングスはイメージング事業以外にもいろいろな事業があるので、一概には言えないでしょうが発言以降の株価が気になります。

3月決算報告会が5月9日なので、ここ1か月の株価チャートを見てみましょうか。

こちらは平常運転。
個人投資家の売買はあまり株価に影響しませんし、機関投資家やファンドは気にしていない様子。

株価チャートのスクリーンショット

結論

在庫は適切に
富士フイルムのカメラユーザーや、これからユーザーになろうとする人をちゃんと見てほしい。
これしか言えませんね。

私は会社やブランドより、個々のカメラのデザインや操作性能を重視しています。
なので発言は気にしません。
いまの製品は愛着を持って使い続けるだろうし、売るつもりもありません。

お気に入りの製品が買えないのであれば、私だったらオークションなどで手に入れるようなマネはせず、すっぱり諦めるでしょう。


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