幼稚園児の息子とポケモンカードを続けるために工夫を続けた日々の記録
ポケモンが大好きです。
大切なことなのでもう一度。
6歳と4歳の男児2人の父、とにかくポケモンが大好きです。
家に帰ってから息子たちと話す内容は、主に3種類しかありません。
▽ アニメのポケットモンスター(アニポケ)
▽ ポケモンgo(ポケgo)
▽ ポケモンカード(ポケカ)
以上。
帰るなり録画してあったアニポケを一緒に見ようと言われ、ポケgoで今日は何を捕まえたとか、新しいポケカを開けようとか、そんな話をしているうちに1日が過ぎていきます。ポケモンが載った図鑑はボロボロ。ポケモンセンターに月に2〜3回は通う日々となっています。
こんなにもポケモン大好き家族になったのには、大きなきっかけがありました。
ポケモンカード“ワンコイン”GXスタートデッキの襲来です。
2018年夏に発売されたものを、わが家で購入・開封したのが2019年1月のこと。これ一箱で一人分のデッキが揃っていて、デッキ2つ分でも合わせてたった1000円。なんと安い!そんな値段でポケカを楽しめるなんて!…そう思ったのは最初だけでした。その奥深さに気づき、どんどん沼にハマってしまうことになるのです。
この記事は、ポケカにハマった父親(僕)が、ポケモンは大好きだけど戦いが好きではない息子(現在6歳)に対して「どうやって道連れにして楽しむか」と悩み抜いた汗と涙の記録です。
【こんな人にオススメ】
・ ポケモンカードゲームを始めたいけど始め方が分からない
・ 子どもと共通の趣味を持ちたいけどどうすればいい?
・ 子どもの集中力が続かず、すぐに飽きてしまう
【関門その①】幼稚園児にどうやってルールを教える?
スタートデッキを開けて、さぁバトルスタートです。
ルールに関しては、まぁ大丈夫。僕は小さい時にゲームボーイ版の「ポケモンカードGB」をやり込んでいたので、すぐに分かる…と思いきや、そうはいきませんでした。ここでまず最初の壁にぶつかります。
「さすがに幼稚園児にはダメージ計算ムズくね?」
息子は当時5歳(年中)
例えば、最初の写真にあるライチュウGXが雷エネルギーが4つ付いた状態で、わざ「パワフルスパーク」を使った場合、
20ダメージ + 20ダメージ × 4枚 = 100ダメージ
となります。
足し算と掛け算が必要です。
そこに弱点と抵抗力というルールがあって、ライチュウの雷タイプが弱点のポケモン(水タイプなど)に同じパワフルスパークを打った場合、
(20+20×4) × 2倍 = 200ダメージ
足し算と掛け算という算数に加え、弱点や抵抗力の計算、加えてわざの説明文を読み解く読解力が必要とされ、幼稚園児には一言では説明できないわけです。加えて、試合を最後まで続ける集中力も、相手の行動を見て先を読む能力も試されます。
箱を見れば「対象年齢9歳以上」の文字。そりゃそうだ。
だからと言ってここで止めるわけにはいかないので、ウェブサイトやYouTubeを見て勉強しました。
こうした動画やルールブックなどとにらめっこして、どうやって幼稚園児に理解してもらうか悩みに悩んだ結果…
えっ、これってまさか、もしかして…
「ポケカおもしろい!!!」
はい、僕がハマりました。
もうこうなったら、一度慣れている人と対戦してみたい! 強いデッキを組んでみたい! 息子と一緒に戦えたら最高だなー! イトウシンタロウ選手のバトルすごくない!?
…なんてどんどん夢が広がってしまった結果、計算ができないくらいなんて些細なこと、やってりゃ覚えるでしょ、と切り替えたのです。
【関門その① まとめ】
Q.幼稚園児にどうやってルールを教える?
A.まずはやってみる。ダメージ計算なんてやってりゃできる(はず)
【関門その②】 集中力が続かない!
ポケモンカードステーションやポケモンカードゲーム教室に通い、息子もルールは大体分かってきました。慣れないながらも対戦する楽しさを知ってきて、特に見ず知らずの対戦してくれる方々に勝つという体験は、格別のようでした。
子供にとってポケカの魅力の1つは「大人にも勝てる」だと思うんですよね。体力が関係なく運の要素も多分にあるので、条件が揃えば相手が大人でも手も足も出ないほど叩き潰すことだってできてしまいます。
参加しただけで限定カードがもらえるから、と秋葉原のカードゲームショップまで遠征するなど、徐々に活動の幅を広げようと画策する僕。しめしめ。
ただ、まだゲームに慣れていないのが災いし、次の壁にぶつかることになります。
それは「集中力が続かず、試合を最後までやり通すのが難しい」こと。
まだデッキが弱いことや、手が小さくてカードの扱いが難しいことから、通常のルールでは1試合30分以上掛かってしまうこともしばしば。幼稚園児にとっては30分集中し続けるって難しいことですよね。ましてや書いてある文字も彼には難しいもの。大人でもあまり知らない言語で書かれたカードゲームを30分もやれば脳が沸騰してしまうはず。
なので「疲れた〜。飽きちゃった〜」と言われたらひとまず止めることにしました。難しい、辛いというイメージが一度ついてしまうと、今は同じくらい楽しい遊びがたくさんある時代なので続けるのが難しくなりそうですしね。
そこで、試したのが3つです。
集中力が続かない子供と対戦するために
①ハーフデッキで対戦
②サイドの枚数を3枚に
③ハンデの設定
集中力が続かない子供と対戦するために
①ハーフデッキで対戦
対戦するためには、まず60枚のデッキを組まなければいけません。
スタートデッキのままでは勝てないし、新しく手にいれたカードを生かしたいと思うとデッキを組み替える必要があるんですが、これがまた一苦労なわけです(それが楽しいのですが)。「デッキ作りでバトルの7割が決まる」と言われているほど勝負を決める大きなポイントなんですが、時間を掛ければ掛けるほど飽きてしまうので、まずは半分の30枚にしてみました。
【①ハーフデッキのメリット】
・30枚組んでおけばすぐに対戦できる
・サイドが3枚で勝敗がすぐにつく
・好きなカードを最初から手札に入れられる確率が高くなる
・カードが4枚揃っていなくても組める
【①ハーフデッキのデメリット】
・山札がすぐなくなる
・戦略的なことが何もできないくらいあっさり終わる
集中力が続かない子供と対戦するために
②サイドの枚数を3枚に
ハーフデッキのデメリットを打ち消すために次に考えたのは「デッキは60枚のままでサイドを3枚にする」でした。
【②サイド3枚のメリット】
・60枚のスタートデッキを改変する形ですぐにデッキを組める
・サイドが3枚で勝敗がすぐにつく
・戦略的なことを考えたデッキを作れる
【②サイド3枚のデメリット】
・枚数が揃っていないカードをサーチする方法が必要
こうしてハーフデッキの「試合時間の短縮」と通常デッキの「戦略性」の両方のいいとこ取りをしたルールを考えた僕ですが、ここにきてまた問題が出てきました。それは、「子どもは喜んでるけど、僕は全然面白くない問題」です。
戦略性が高いデッキを組めるようになり、深く知れば知るほど面白くなるポケモンカードの世界。
「サイド6枚」とは実に絶妙なゲームバランスで、「詰む」ためにはどの順番で戦っていくかという戦略が必要になります。最後どう勝ちきるかを知りたい!など欲求が高まってきました。
サイド3枚ではまだゲーム半ば…。本気で戦ってみたい、でも子どもを置き去りにしてジムバトルに出るのはちょっと違う気がする…そんな思いから「自分が本気で戦った上でギリギリ勝敗が決まる」という状況を作るべく、あらゆるハンデを考えることになります。
集中力が続かない子供と対戦するために
③ハンデの設定
以下、僕がやったことのあるハンデたちです。
デッキによって違いますし、正解はないと思うのでいろいろ組み合わせてみて下さい。
【ポケモンカードゲーム おすすめハンデリスト】
□ デッキ枚数(60枚/40枚/30枚)
□ サイド枚数(6枚/4枚/3枚)
□ サイド枚数の差(0枚/2枚/3枚)
□ 最初に置くバトルポケモンの設定(最初の手札から/自由に選べる)
□ 最初に置くベンチポケモンの設定(最初の手札から/自由に選べる)
□ エネルギー(通常/全てのエネルギーがどのタイプにも自由につけられる)
□ 弱点・抵抗力の設定(あり/なし)
□ 待ったコイン(あり/なし)
※選択項目は左が通常ルール。右に行くほど初心者向けになります
一部解説します。
□ サイド枚数の差(0枚/2枚/3枚)
→初心者とやる場合、最もオススメのハンデです。
例えば自分がサイド6枚・相手が3枚に設定したとして、例え自分が5枚取っていたとしても、タッグチームGX(またはVmax)が一体きぜつさせられただけで終わるので、気の抜けない戦いができます。
□ エネルギー(通常/全てのエネルギーがどのタイプにも自由につけられる)
→新たに手に入れたカードをバトルで使ってみたいのは、大人も子どもも変わらないもの。ただ1からデッキを組むと大変なので、既存のデッキに入れ込む形が簡単です。でも、そうするとエネルギーのタイプが違うことが多いので、「基本エネルギーは全てのタイプで使えるエネルギーになる」というハンデルールにすればどのタイプでも簡単にデッキに入れ込むことができます。(リスクなしで使えるレインボーエネルギーみたいなものです)
□ 待ったコイン(あり/なし)
→そのわざ使われると負けちゃうからちょっと待って!と「待った」を言われることもあると思いますが、毎回従っていると試合にならないので「1回まで」など回数を決めます。
ポケモンコインを利用して「ウラにしたら待ったを使った印」など決めれば、デザインもかわいいし、一目で分かるのでオススメです。
【関門その② まとめ】
Q.集中力が続かない幼稚園児とどうやって遊ぶ?
A.ハーフデッキやハンデの設定で、短く・楽しく
【関門その③】 闘争心がない!
こうしてあらゆるハンデを駆使して、息子を何とかポケカ大好き少年に仕上げようとする僕。
そんな中、僕たちにぴったりのイベントが開催されました。
それが2019年末の「ポケモンカードからの挑戦状 目指せ!ポケカスタジアム」です。
新しいスタートデッキ5種だけを使って対戦するというルールで、カードの種類が限定されているので誰でも楽しめるイベントでした。
たった数百円の参加費でバトルすることができる上、勝敗に関係なく限定プロモカードを手に入れることができるということですごく楽しめました。
さらにイベントに参加する、という大きな目標があったので練習にも熱が入り、1週間ほど前からは毎晩のように一緒にバトルをして当日に備えました。
それだけやれば6枚サイドも最後まで戦えます。カードの扱いに慣れ、ほとんどアドバイスなしでお兄さんにも勝利して、とにかく楽しんでくれたようで一安心。
これはこの調子で僕ももっと楽しめるなー、次はポケモンカードステーションで同世代と対戦かなー、なんて夢が広がっていたら…
…燃え尽きました。。
翌日からは「今日もポケカやろうよ!」と誘っても、やるーとは言うものの、あまり乗り気ではない感じ。前から薄々気づいていましたが、息子には元来あまりないんです、「闘争心」というものが。。
「もっと勝ちたい!」と思えば自然と練習に熱が入るものですが、彼は勝ちたいとは思うものの、負けるリスクを冒してまで強くなりたくはない、というタイプなのでした。どちらかというと、バトルよりもポケモンたちをファイルにコレクションしたいタイプ。アニメ「ポケットモンスター」で言えば、サトシよりもゴウに近いわけです。
これはもうしょうがないですよね。彼本来の性格なわけだし、きれいにファイリングするのも才能の一つです。人を思いやる気持ちがあって素晴らしい。一緒にポケモンカードを楽しんでいるという意味では同じ…
…と、割り切れればよかったんですが、再び同じ問題が浮上してきます。
そうです、
「子どもは喜んでるけど、僕は全然面白くない問題」(2度目)
これがもう全然割り切れない! 僕はもっとバトルしたい!
勝っても負けても戦いの中から色々学んでほしい。いや、僕が学びたい!
これは困ったといろいろ考えた挙句、次のアプローチを考えました。
まずは「ともだち布教作戦」。
元々、息子と一緒にポケカを楽しんでくれている彼の友達がいまして、その友達と何度かバトルをするのが第一歩目。
続いて他のお父さん(パパ友)たちに「ポケカ面白いですよ〜」と宣伝します。
特に男児を持つ親には「500円から始められる」がセールスポイントですね。
こうしてポケカを楽しむ友達を増やした上で集まってもらい、ハンデを超えた「新ルール」を考え出しました。そのときの写真がこちらです。
はい、「レイドバトル」ですね。
(注・「レイドバトル」とは、ポケモンGOやソード・シールドにおいて、複数人で協力して「ボスポケモン」と呼ばれる強力なポケモンと戦う協力プレイのこと)
つまり、僕が「ボスポケモン」となって、2対1で戦ってみました。
これがなかなか面白くて、順番にターンが来るので、自分がわざを使った後に相手側がわざを2回仕掛けてくるわけです。普通に考えたら圧倒的不利でバトルにならないところですが、子ども2人相手なら結構いい試合になります。
単純にどちらにとっても気の抜けないバトルができることに加え、子ども達が相談・協力をし合って強大な相手と戦う姿はなかなか良いものですよ。
【関門その③ まとめ】
Q.闘争心がない幼稚園児とどうやって続ける?
A.他の友達にも布教。レイドバトルで協力プレー。
まとめ
現在は、レイドバトルを始めたからなのか、休みの期間に入ったからなのかは分かりませんが、以前よりはバトルを楽しんでいる様子が見られています。これがいつまで続くか分かりませんが、ポケモンカードを通して彼なりの楽しみ方をずっと続けてくれたらいいなと思います。
そんな「息子のため」という名目で様々な工夫を凝らしてきた僕は、ここまでお読みいただいた奇特な方は十分お分かりかと思いますが、「全て自分のため」です。ただ単に、大人の財力を使ってカードやグッズを買い揃える名目が欲しいだけです(断言)。
でも、それでもいいと思うんですよね。
ポケモンのことよりも勉強やバイトや趣味に夢中になる日がもうすぐそこまで近づいている息子に、人生のほんの一時期だけでも「お父さんと一緒に夢中になったこと」があるという思い出がいつか支えになってくれたら嬉しいなと思います。
さぁ、全国のお父さん!
ヤルカ!ポケカ!!
(おまけ)レイドバトルをやってみたいポケカ経験者へひとことメモ
▽先行・後攻は2番目がオススメ
→3番目だと1〜2ターン目でバトル場のポケモンが全滅することもあるので、サポートを使える2番目なら戦えます
▽リセットスタンプ必須
→相手側はサイドが3枚からスタートするので序盤でも刺さります
▽ベンチ一斉攻撃が強い
→モルペコVmaxの「ダイホウデン」やストリンダーの「ポイズンシャウト」など、相手のベンチポケモン全員にダメージを与えるわざで最大10匹いるベンチポケモンをきぜつさせて、一気にサイドを取ることもできます
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