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ふうちゃんの冒険1

フウちゃんは白茶の♂の日本猫、まだ一歳になるかなないかの少年猫です 
人間にしばらく飼われていましたが、事情があったのか捨てられ、お腹が空き、気が付くといい臭いに誘われここにたどり着きました 
今日で数日、何も口にしていません 
生まれながらの野良ではないので何処に食べ物があるかもわからず、他の猫にどう接すればいいのかもわからず、他の猫の縄張りに入っては尻尾を噛まれ足を噛まれ目まで引っ掛かれて右目も半分ふさがって見えなくなって来ました 
冷たい雨と空腹でもう、意識も無くなってきました 
人通りも無くなった深夜の商店街、もう終わりかと思った時目の前に二本の足が現れました 
そしてその足に最後の力をふり絞りしがみつきました 
しかしその二本の足はフウちゃんを振りほどくと去って行ってしまいました 
しかし程なくさっきの二本足はフウちゃんの大好きなシャカシャカビニール袋の音と共に引き返しそしていい臭いのするジャーキーを差し出したのです 
夢中でかじりつき飲み込みました 
一本二本、もう夢中で喉の奥に流し混み、半分むせながら遂に十本のジャーキーを全部たいらげました 
でもそれが最後の力、そのまま倒れこみ眠りにつきました 

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