見出し画像

パナソニックの社内BTC組織が取り入れる「ウェルビーイング」の学びと実践 ━ Our wellbeing stories journey プログラム対談

2021年2月〜3月の2ヶ月間、パナソニック株式会社 アプライアンス社にてウェルビーイングに関する新たな視点を提供し、社員自身のウェルビーイング(よい状態)を振り返り、認識を深めることを目的に、弊社レアがプログラムを設計、実施いたしました。

プログラムには、パナソニック株式会社 アプライアンス社の社内BTC組織として2020年4月に発足したFuture Life UX(以下FLUX)より7名にご参加いただきました。本インタビュー記事では、本研修を導入いただいたFLUXの池田 武央様と中川 仁様に研修導入の背景やプログラム前後の変化について伺います。

人々のウェルビーイングをつくるために、まずは自分たちから始める

━ 弊社のプログラムを導入いただく上で、期待していたことを教えてください。

池田さん: 人々のウェルビーイングに繋がるような価値をつくる私たち自身が、ウェルビーイングという考え方や、そうしたライフスタイルを大切に考える必要があると思います。今回のプログラムでは文化的にも成熟した地域の人々の生き方や暮らしを参考にしながら、ウェルビーイングについて考え直す機会をつくりたかったんです。プログラムに参加したメンバーには、世界の多様なライフスタイルと自分自身のライフスタイルを照らし合わせながら、「どうしたら今の生活をもっとウェルビーイングな状態にできそうか?」と考えてもらえるのではないかと期待していました。

中川さん: 正直なところ、私たち自身がウェルビーイングとは言えない状態でした。今回のプログラムではウェルビーイングについて体系的に理解して、自分を見つめ直すよい機会になったのではないかと思っています。

画像1

(写真左)パナソニック株式会社 アプライアンス社 FLUX クリエイティブ ディレクター 池田 武央 様
(写真右)パナソニック株式会社 アプライアンス社 FLUX マネージングディレクター 中川 仁 様

━ ご提供したプログラム『Our wellbeing journey』では、欧州の生活大国・幸福大国で暮らす人々のウェルビーイング観をご紹介した後、ご自身のウェルビーイングについて内省する個別のメンタリングセッション、チーム全体のウェルビーイングを考える研修を実施しました。プログラム全体を通して、お二人が特に印象に残っていることは何ですか?

中川さん: もっとも印象に残っているのは、メンタリングセッションの対話の中で得た、自分自身に関する気づきですね。普段の会議や勉強会で自分の想いをチームメンバーに伝えることはありますが、自分自身や生活を見つめて、改めて自分のことを他人に伝える機会はあまりなかったので。メンタリングセッションでは、なんとなく気づいていたけど深く隠れていた本音を発見することができました。ファシリテーターであるレアの大本さんと花田さんに引き出してもらえたように思います。

池田さん: 個人としては、リフレクション(振り返り)の習慣化です。プログラムと合わせて日々の状態を振り返り記録するツールをご用意いただいて、自身のウェルビーイングを振り返る問いをもらえたのが良かったので、プログラムが終わったあとも定期的にリフレクションを続けています。

画像2

チームとしては、会議ではあまり話せないことを共有する機会をつくっていただけたのがありがたかったです。会議のような場では、個人的なウェルビーイングの話をチームメンバーに話すには少し抵抗があると思います。社外のファシリテーターに入っていただいて、場とフレームをつくってもらえたからこそ、参加メンバーの本音を引き出せたのだと思います。

三段飛ばしのチームビルディング

━ 先ほどチームの話がありましたが、プログラム前後でチームメンバーとの関係性にはどのような変化がありましたか?

池田さん: このプログラムが始まる1ヶ月前に新しいチームメンバーを迎えていました。以前から彼の人となりは分かっていましたが、プログラムを経てさらにお互い本音で話をしやすくなりましたね。

中川さん: 上司と部下の関係性だとどこか線引きしたコミュニケーションになる傾向がありますが、今回のプログラムを通してその線を少し超えていくことができたのかなと。

池田さん: 今後離れた場所で仕事をするのが当たり前になっていくなかで、チームビルディングに悩む責任者も増えると思います。今回のプログラムはすべてオンラインでしたが、安心して本音を話せる場とフレームをつくってもらえたので、通常のチームビルディングの過程を三段飛ばしたくらい、お互いを一気に知れた感覚です。

━ 距離や時間に制限があるなかで、通常より速いスピードでチームビルディングにお役に立てたのは嬉しいです。今回ご参加いただいたチームメンバー個人のウェルビーイングに関して変化があった方はいますか?

池田さん: そういう意味では、中川さんかな…。なんか、良い人になった。

中川さん:そうですか?(笑)

池田さん: 中川さんに心のゆとりができたように見えます。中川さんはチームのリーダーだから一層、そのあり方がチームの雰囲気をつくるんですよ。

プログラムの前後で比較すると、チームメンバーの肩の力が抜けてきて、チーム全体が柔らかくなっているように感じます。

画像3

中川さん: まあ、なんとなく分かります。これまで必死に走ってきたところに、潤滑油をさして動きが良くなったような。余白をつくる意識を自分も周りも持つようになって、仕事のやり方にも変化が出始めているのだと思います。

また、レアのお二人から「聞くこと」の重要性を学びました。僕はよく喋るほうですが、「聞く」「待つ」ことをコミュニケーションに取り入れるようにしています。自分の言いたいことを一旦飲み込んで、相手の話をよく聞く。チャットやメールでも、場合によっては送信せず一度寝かせて、冷静に考え直す。そのような姿勢を持つことが、心のゆとりに繋がっているのかもしれません。

挑戦的なプロジェクトこそ、お互いへの感謝とケアを

━ 一人ひとり、ウェルビーイングの捉え方は異なります。お互いにウェルビーイングをサポートするためには日々のコミュニケーションの積み重ねが重要だと考えていますが、お二人は職場に個人のウェルビーイングを取り入れることにどのようなメリットがあると考えますか?

池田さん: 今新しいプロジェクトを進めているのですが、チームメンバーとは「とにかく気持ちよく仕事をしよう!」と話しています。困難や嫌なこともあるかもしれないけれど、少なくともチームメンバーの間ではプロジェクトをピュアな状態に戻して、プロジェクトの意味や楽しさを取り戻せる場にしたい。そういう避難所のような場所を、プロジェクト設計に組み込んでおく必要があると考えています。

僕らの場合は、週次で集まる60分のミーティングは何でも話せる時間にしています。その中で大事にしているのは、プロジェクトの意味をみんなで思い出すこと。職場にウェルビーイングを取り入れる一歩目として、このような時間を設けることから始めています。

━ 「気持ちよく、働く」人間的で良いことばですね。

中川さん: 僕もまだ初歩段階ですが、少なくとも自分の身近な人が仕事をしやすいように意識するようになりましたね。お互いやさしさと感謝を持って一緒に何かを作り出せる体制にしていきたいです。

池田さん: 感謝もそうだし、ケアすることも大事。同僚や部下、家族を含めて目の前にいる人をケアできないほど余裕がない状態って、大人として恥ずかしい状況だと思うんです。「なんでそんな言い方するの?」みたいなこと、あるじゃないですか。お互いにケアしながら仕事をするチームでありたいですね。

━ 中川さんの言う、メッセージを送る前の余白も一つのケアの形ですね。

中川さん: あとは、目的と想いを一つにすることも大事ですよね。想いが一つになっているプロジェクトは速く、確実に進む。どれだけ忙しかったとしても、感謝もケアもできます。お互いのウェルビーイングを考えることと、想いを一つにすることはもっと重なっていけるように感じています。

池田さん: 信頼関係をつくるフェーズと、共通のゴールや想いをつくるフェーズの二段階あると思っています。今回レアさんにはリモートながらも、チームの人間的な信頼関係を共につくっていただきました。これからはこの信頼関係をベースに、チームの想いを一つにしていきたいですし、期待もしています。

━ プログラムの最後には、チームのウェルビーイングを象徴する一枚の絵を描いていただきました。その中でも、チームの信頼関係が土台にあったことが印象的です。その信頼関係を基盤に、私たちも想いを一つにする支援をして参ります。ありがとうございました!


聞き手:Laere 大本綾、花田奈々

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?