見出し画像

開発秘話03:お坊さんが人の恋路を邪魔する理由。

前回は「白蛇伝」のストーリーラインをご紹介しました。

白娘が邪悪ヒロインな話と、善良ヒロインな話。どうしてこんなにも違いが出てきたのでしょうか…?

参考資料:
青空文庫/雷峯塔物語/田中貢太郎訳
(web資料)
東映/白蛇伝(DVD)/脚本:藪下泰司
平凡社新書/蛇女の伝説/南條竹則
栃木県/白蛇伝 (web資料)
中国の物語/白蛇伝 (web資料)
Wikipedia各項目

「白蛇伝」は1150年以上前から中国で大ブームであり、
沢山の派生が生まれました。

中国の方に直接お伺いする機会があったのですが、
「白蛇伝」は現在でも人気があり、ドラマ化、アニメ化、ゲーム化されていて、知らない人はいないのだそうです。

日本でいうと「かぐや姫」や「戦国時代」みたいな感じでしょうか。

やっぱり「白蛇:縁起」見に行きたいなあ…


さて、やっと入手できた「蛇女の伝説」という頼れる資料を読んでみますと…

P224 平凡社新書/蛇女の伝説/南條竹則
─この物語に接する人は。芝居で観る人も耳から聞く人も、法海和尚が好きだという人はまず珍しいので、おおかたは魯迅のように白娘子が贔屓です。そうすると彼女の性格も、魔性をおびていたのがだんだん心優しくなってきたことは─(以下略)

白娘の性格が善良に変わっていき
二人の恋路を邪魔する「法海」にヘイトが集まっていったようです。

更にはWikipediaにも
「白娘と許仙の恋物語に重点が置かれるようになる」旨の事が書かれていました。

…なるほどね。
白娘が善良で、シナリオ的にも恋愛に重点が置かれたら、

その恋路を邪魔する法海、確かに邪魔だよね。

画像1

で、ですね。

元々は「白娘が妖怪で悪女」だったから、お坊さんが「退治する(恋の邪魔をする)」という構図が成立していたわけで。

白娘が善良になってしまうと…「なんで法海しゃしゃり出てくるの?」という疑問が発生します。

まあ「泥棒が居たら警察は捕まえる」ように。
「妖怪が居たら法師は退治するものなんですー!!」と言われてしまえばそれまでですし、ヘイトはより集まっていいかもしれませんが。


やっぱりちょっと、納得いかない…。


なので法海にはLady Wizardオリジナルの設定を付けてあります。

画像4

それは「妖気かぶれ」
妖気を察知するとその妖を倒すか弱らせるまでずっと痒いのです。

…痒いって、イヤですよね。
1か所蚊に食われただけでも嫌なのに、
法海は妖の妖気に触れると、体が蕁麻疹のように痒くなるのです。

ゲームっぽい設定でしょう?

オープニングで小青が傷だらけになっていますが、それは法海の仕業です。
法海からしたら「妖を成敗しただけ」正当性があるわけです。

そして、より強大な妖気(白娘)が登場します。

妖が強ければ強いほど妖気の届く範囲も広く、痒みの大きさも、体が痒くなる範囲も広くなります。常人ならば気が狂う程に。
法海は修行僧ですので、耐性を鍛えてはいますし、心も乱れないようにしていますが、それにしたって限度があります。

白娘は1000年の修行をした大妖怪です。
それほど強大な妖気ですと痒すぎて、他の妖を察知できなくなってしまいます。

白娘がフッと消えた瞬間、千、万の"ソコソコ妖"に取り囲まれている可能性だってあるのです。

ゲームっぽい設定でしょう?ね?

なので、法海は「絶対白娘を倒すマン」になるわけです。

★これはあくまでLady Wizardオリジナルの設定です。

画像2

これにより、思う存分白娘を善良に設定できるようになりました。

あとは、小青と許仙の設定です。せっかくなので尖らせたい。
許仙は…まあ上図が大方を説明してます。キッチリ変な人に出来ました。

小青には「原作では白娘が行った悪事」を被ってもらいました。
白娘を潔白にする分、誰かがヘイトを被らないといけません。
そして小青はソレを進んで行う「腹黒&白娘大好きっ子」になりました。
私は満足です。

★あくまでLady Wizard版のオリジナル設定です。

画像3

アプリ情報

アプリ名:白蛇伝 -白蛇姫と千年の恋-
モチーフ:白蛇伝(中国の昔話)
リリース:2021年05月20日
27本目のアプリ
iOSはここからダウンロード
Androidはここからダウンロード

↓続き

スキ、シェア、フォローを頂けると大変喜びます!!!

スキ、シェア、フォローをして頂けると大変喜びます!!! 宜しければサポートお願いいたします。 アプリ開発費、取材費、リフレッシュ費、そしてnote更新の糧に致します。