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開発秘話03:ホラーでミステリアスな原作に囚われる
前回は「12回も書き直したシナリオ」というお話をしました。
今回はその続き。
「眠れる森の美女」の難しい点
シナリオ作成を何より難しくさせたのは、
「ヒロインがあまり出てこない」という点です。
・冒頭は赤ちゃんなので活躍できず
・大きくなったと思ったら針に指をさして昏倒
・100年後に王子様に起こされてハッピーエンド
出番少なっ!!
とはいえ、絵面としてはヒロイン(ターリア)を前面に出したいところ。
その為にはターリアを冒頭から登場させつつ、「不在時」の説明をターリア本人に「誰かが」してあげないといけないのです。
それはイコール
プレイヤー様にも「説明を長々と聞かせる」ことになります。
ここをうまく魅せないと「面白くない」と判断されてしまいます。
前半の原稿はこのあたりの説明が上手に行かなかったのです。
ホラーでミステリアスな原作
「本当は怖いグリム童話」なんていうのが流行りましたね。
「眠れる森の美女」はたぶん一番怖いんじゃないでしょうか。
原作では、「ターリアは幸せになりました。めでたしめでたし」
の後に、
「王子のお母さん(お姑さん)」が「人食い鬼」で、
ターリアの子(つまり自分の孫)が柔らかそうだから食べたい。
と言い出すのです。
どうした?!
孫ぞ。目に入れても痛くないハズの孫ぞ。
あ、むしろ食べちゃいたいくらい可愛いのか?
参考資料:
岩波文庫/グリム童話集2/金田鬼一訳
二見レインボー文庫/童話ってホントは残酷/三浦佑之監修
しかし、私はこの設定大好物です。(心情は理解できませんが)
「この怖い設定も生かしたいなー。ホラーにしたいなー。」に
囚われすぎてしまったのです。
最初から最後まで暗い雰囲気で救いがない。
仄暗さを持ちつつ、ポップさがないと読んでいて疲れてしまいます。
そこで、思い切って
もう「手のひらサイズにしちゃうか」というアイディアが浮かびました。
これは起爆剤となり、一気に筆が進みました。
ターリアを小さくすると「親指姫」になってしまうので、妖精を小さく。
私もノリノリで書き。
最終的に「ターリアが妖精を食べようとしました」。
はい、没。
いや、誤解無きよう。未遂です。ポップで冗談めかした感じなので、怖くないです。多分。
他にも、
「全ての黒幕は12番目の妖精だった。ターリアは妖精の操り人形」パターンもありましたが、友達の受けが良くなかったので没。
※友達というのは例の声優さんです。
アプリ情報
アプリ名:眠れる森の吸血姫
リリース:2020年11月24日
26本目のアプリ
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