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ロマンスという名の甘い罠 16

こんにちは。LADY. SAKURA です。

アフガニスタンのカブールにいる
軍人と名乗る方とのやり取りを綴っています。

その方を国際ロマンス詐欺の
詐欺師と疑っていながら、
騙されているフリしてやり取りを続けている
間抜けな私に、
のんびりお付き合いくださればと思います。

「 スキ 」 「 フォロー 」
してくださった方々、ありがとうございます。

ロマンスという名の甘い罠11から、
至極、関西圏では一般的な男女の会話のように
関西弁で日本語訳を付けています。

そちらもお楽しみくださいませ。

どうぞ宜しくお願いいたします。

15の続きです。

翌朝、いつものように、
Oからgmailにメールが、
LINEにメッセージが、
届いていたのを確認し、お仕事へ向かう。

この日、職場では、春節祭で多くの中国人が
日本にやってきて
マスクを大量に買ってゆくニュースの話題になった。

この時すでに中国湖北省の武漢市では、
かなりの数の市民が新型コロナウィルスに罹り、
医療現場では、不眠不休の体制が敷かれ、
街はパンデミック状態となっていたのだ。
春節祭が始まったというのに、
街中は閑散として、物悲しい。

この時は武漢市が、
クローズアップされて報道されていた。

日本は?というと、
増税後のインバウンド消費に期待をかけ、
台湾のように疫病発生国からの早期入国拒否などせず、渡航者のみならず、
物品買い占めに規制をかけることもなく、
変わらない日常の1日だったのだ。

お昼休憩中に、
マスクが買い占められて、もう手に入らなくなったら

どっかの国の人達を恨んじゃうわ。笑笑
杉、檜と長期戦の花粉症だから、困るわ〜 笑笑
もう残り数枚だから、買って帰るわ〜 笑笑
おばあちゃんの居る老人ホームへ遊びに行くから
マスク要るのだよね〜 笑笑

と皆んなで暢気に話していた。

我が家のマスクは残り僅かだ。
花粉症に悩まされている私にはマストアイテムだ。

私の住むローカルな街で買い占めに来る外人は見た事がないから、大丈夫。

そして、その日の帰り、
ドラッグストアへ寄ってみたのだ。
しかし、



時すでに遅し



すでにレジ前では長蛇の列が出来ていた。
軒先では、店員が 「 お一人様一箱限りです。」
と大きな声でアナウンスしながら、
段ボール箱から取り出した箱入りのマスクを
ひとりひとり手渡ししているのだ。

何事?
ボーっとしている暇はなく、
マスクの箱を受け取りレジへと並ぶ。

なんだか嫌な予感がするなぁ。
と胸がザワザワしたのだ。

その日の夜、
いつもの時間にOからLINEにメッセージが届いた。

この日の朝はgmailにもLINEにも
返信はせずにいたのだ。

すると

I have sent a text message to your Gmail
( 僕はSAKURA へgmailを送ってんけど? )

Why have you not message me yet?
( なんで僕に返信せえへんの? )

I miss you so much
( 僕はSAKURA が恋しいんや )

Anything just for the woman I want to spend my rest of my life with
( 僕の残りの人生を共に過ごしたい女性には
  なんでもするで )

Hope you are fine
(機嫌いいと良いねんけど)

I have not hear from you for a while now
(僕は、SAKURA からの返事もらってへんけど?)

I have not receive any of your texts
(僕は、SAKURA からメールの返事
もらってないねんで!)

Darling,I'm in the computer room waiting for you to come online okay..
(SAKURA 、
僕は、コンピュータルームで待ってるねんけど)

実にクドイメッセージが、わんさかきた。
返信出来ない時もあるし。ってことは、
前にも話していたのに、クドクドと返信がなかったことを責めるのだ。

Honey Good Evening
So sorry
I was busy in this morning
I miss you so much
(. O、こんばんは
 ごめんね
 今朝は忙しかってん (忙しかった)
 Oが恋しいよ )

しかし、心の声は
付き合って へんやん ( ないでしょう ) !

と自惚れているくせして、白々しい内容の
メッセージを送り誤魔化す私。

Really?
I miss you so much
You were stressed at work today right
So sorry about the stressed okay
Well Darling how are my kids
Darling hope you and the kids are doing great huh
( ホンマかいな!
 僕もSAKURA が恋しいで
 今日の仕事は、大変やったんやな
 ごめんな 大変やったのに
 それでなぁ、僕らの子供らは、どうしてるん?
 SAKURA も子供らも元気やったらいいねん)

もうすっかりOが示している通り、
Future Wife 扱いを受けている私だ。

へぇ〜、詐欺師のくせして、子供達のことまで
しっかり気に掛けるんや?

これは、恐らく、被害にあった人、または、
あいそうな人には 堪らない労いなのだろう。

私は、自惚れ度が上がっているせいか、
またもや、心地よくなるのだ。

そこに Oから

I really miss everything about you Sakura
I was thinking alot today
My heart was not focused on patrol today
( 僕は、SAKURA の事を考えて恋しかったんやで
 今日はずっと考えてたんやで
 考え過ぎて今日は
 仕事に集中出来へんかったんやで)

と返ってきたから私は、更に舞い上がったのだ。

しかし、落ち着いて、

That ’s a problem
Well Passionate men are good at speaking.
( 集中出来へんのは、問題やねぇ
でもね、情熱的な男性は、話すのが上手いよ)

と返してみると

What do mean
Are you trying to say you don't want to talk to me?
Not so I'm not that kind of man okay
I'm a cool hearted man
( どういう意味なん
 僕の言ったことで
 SAKURA は僕と話したくなくなったん?
 そんな男じゃないねんで
 僕は、クールな男やねんで)

やや怒ってるのか、なんなのか、gmail とLINEに
返信をしなかったことで、
Oが狂ってると思ってしまった。

極め付けは、
誰と今まで一緒にいたのだ?
誰かと会っていたのか?
私達の子供を、しっかり見ておいてくれ。
僕はとにかくSAKURA を愛してやまないんだ。
Darling 僕をわかってくれ。
SAKURA は僕のFuture Wife なのだから。

と、Oは、勝手に
メラメラとジェラシーに燃え上がっていたのだ。

男の人ってこんなに嫉妬深かったっけ?

と、結婚していた頃を回顧してみる。

育児に追われる中でも、元夫は、
こちらの状況などお構いなく
帰るコールをするマメな男だった。
そこは、とても嬉しかったけれど。

お風呂から上がりたてのその時に電話が鳴り、
取らずにいたら烈火の如く、
立て続けに呼び出し音を鳴らす。
入浴後、整った子供が取れば、
すぐにママに代われ!と怒っていたのだ。
取れない時間帯があるよ。と何度伝えても
この有り様に、育児の疲れと、
何故怒られなければいけないのか、と、
お風呂でリフレッシュしても取れる疲れが取れない日々だったのだ。

何度もこういう事が繰り返し起こってしまうと、

実に男とは面倒な生き物だ

と、男性を理解出来ないようになってゆく自分に嫌気が差してきたのだ。

この時も確か、今のOのように、
お風呂上がって着替えたい。と言っても、
元夫はそれは嘘だ。と、電話を取らなかったことで
勝手にジェラシーに燃え上がり、クドクドと
浮気してたやろ!と言われていたのだ。

育児に追われる私が浮気などしようがないのに。だ。

恐らく、この時から、
元夫には、誰か恋しい人が居たのだろう。
と今になって思う。

そんなことを考え Oにこの日は、
ズバリあるメッセージを送り、様子を窺ったのだ。

Honey I hope so that
But I also have some male friends.
Are you alright?
( Oがそうなら良いけど。
でもね、私には、男友達だっておるねんで。
それでも良いよね?)

Are they with you in japan
Are your male friends with you in japan?
What’s are the job of your friends
We’re are the male friends
Do you prefer them than me?

( 日本で一緒に居るん?
 その男友達とやらと日本で一緒に居るん?
 その男友達とやらの仕事は何なん?
 僕たちの友達ってことやろ!
 僕よりその男友達とやらが好きなん?)

いよいよ Oのジェラシーの塊が私を襲う。
ここで、私は、すっとぼけたことを返してみる。

I'm female
( 私は、女性よ〜 )

I know that you are female okay
Darling I’m talking about your friends
Talk to me

( 女性なことくらい分かってる
 SAKURA、僕は、その男友達とやらの事、
 聞いてんねん。
 話してくれへん?)

そして、既読を付けてから10分ほど放置する。
その間、Oから怒涛の質問責めのメッセージで画面が埋め尽くされてゆく。

四つ星の軍人が何を焦ってるねん!
ちょっと笑いが起こる。
気になる人がいると、こんな感じっだったっけ?
可笑しくなってきて、やっと返信をする私。

Honey Are you jealous?
( O 妬いてるん? )

あまりにも滑稽な流れにOも吹き出したのだ。

I'm really going to give you happiness every day of our lives together okay
( 僕は、SAKURA に毎日とびきりの幸せを
 あげるねん )

You we enjoy me as a husband okay
( SAKURA の夫として楽しむねん )

I miss you so much because Watch and see okay
( もっと僕のことを見て欲しいから、
 ホンマにSAKURAが恋しいねんで )

こんなやり取りがしばらく続き、
Oは、やっぱり私の顔が見たいから、
写真を送ってと何度もせがんでくるのだ。

詐欺師に写真を送るまい。あり得ない!
と、あれほど思っていたのに、この日の私は、
Oを恋しく思う余り、
2枚の写真を送ったのだ。

だって Oは、Real Major Army なのだから。

滑稽なのは、きっと私の方やなぁ。

17に続く。