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アルバム

生きてきて、四半世紀が過ぎた。

両親にお礼がしたいと思った。

うちには アルバムがない。引っ越しを繰り返すうち、どこにしまったのか分からなくなったらしい。

25年分を振り返るアルバムを作る。

決めるのは簡単。あとはやるだけ。

私が幼い頃はまだ、ネガフィルムのカメラだった。幸い、父はデータ化して保存しておいてくれた。その点においては、作業は思っていたよりも、スムーズに進んだ。

問題は 何を基準に選ぶか。テーマは、父と私。母と私。それぞれとの成長記録。申し訳ないとは思ったけれど、妹が写っている写真は使わなかった。

何万枚もある写真から、選ぶのは難しい。それ以上に難しいのは、父との2ショット。 単身赴任&大嫌いだった時期があったので、ひとつもない。アルバムの中で、徐々に成長していくはずだったのに、中学生から 一気に成人式になった。

母とは かなり仲がいいので、量が多すぎて選べないほどだった。


一枚一枚、写真を見ていくと記憶が蘇る。脳の隅っこに鎮座していたらしい。よくもまあこんなに、色んなところへ連れて行ってくれたなと両親に感心する。土日は どこかへ出かけるのが、うちのルールだった。家で過ごした記憶はほとんどない。母は何でもやらせてくれたし、父はどこへでも連れて行ってくれた。今思えば、本当にありがたいことばかりだ。




感謝を込めたアルバムは完成した。




No.16 25th anniversaryを形にする/100

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