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125分全力疾走

2020年の映画3本目はナ・ホンジン監督作品「チェイサー(2008年)」。キム・ユンソク主演ですね。知ってる風ふかせてますが、もちろん監督も役者も知りません。しばらくは、敢えて勉強せずに望もうと思いますが。

しかし、この優れた韓国映画のクオリティは何なのか?起承転結なんて構造を盛大に無視した「起転転結承転結承!!」みたいな非常識。序盤から心臓をググッと生で掴まれて、そのままズリズリとマラソンで走る距離ほどを上下前後左右に揺り動かされながら完走させられた。自然と拳を握り(手汗いっぱい)、奥歯をギリギリと噛み締め(顎疲れた)、足の親指を攣る寸前までピーン伸ばして(意味不明な緊張感)観切った。こんなに消耗する作品は記憶にない。

真っ暗闇を方向もわからず走り抜けた先にあるのは、救いようのない現実。世の中にヒーローなんていないのよ。そうありたいと願っていても、実際には映画みたいにはいかない。ド派手なコスチュームに身を包まずに、血と泥に塗れた情けなくも激しい男をMARVEL(観たことないけど)に入れてくれないだろうか?

現実にあった事件をベースに組み立てられているという衝撃と共に、隣国のエンターテインメントの底力に感服。そして嫉妬。こいつら狂ってるよ(褒め言葉)。この事実を受け止めないと、日本映画は前に進めない!!



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