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画に痺れ、音に振える。

岩井澤健治監督「音楽」。2020年2月8日時点で、Wikipediaにも詳細の載っていない監督が、とんでもない作品を世に送り出した。

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2本のベース、スネアとフロアタム。ボボボボボボボボと繰り返されるグルーヴから滲むのは、技術とか知識とかファックオフな純粋な音楽。そんな音の塊が紡ぐ、異なる世界に生きる人とつながり。研二という主人公を中心に描かれるも、周りに生きる人々の人生がグルグルと渦巻いていく。森田の部屋にはじめて遊びに行った太田のあの一日は、彼の人生において最も重要な日になることは想像に難くない。

万人に薦めてはいけない映画だけど、自らを音楽が好きだと認めるのであれば、やはり観るべき作品だろう。アニメファンなだけなのであれば、恐らく観る価値はないであろう。上映時間2分、作画期間2年という狂気に満ちたライブシーンを観て、研二の「魂」を目にして何も感じないのであれば、あなたが好きなモノは音楽じゃないのかもしれない。


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