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『東京改造計画』(堀江貴文)を読んで

「多動力」「好きなことをして生きていく」「暇つぶしの時代になる」。ホリエモンの本だけでもいくつか読めば、何年も前から提唱しているのがわかります。

何冊も本を出されている方がテーマを変えど「あえて同じこと」を言い続ける意味を考えてこなかったけれど、本書を読んで「信頼」というワードが頭に浮かぶ。

というのも「いつものホリエモン本」というよりは「ブレていないなあ〜」って率直に感じました。

もちろん重要だからこそ繰り返す必要があるし、そのテーマにあわせて適切な言葉をチョイスしているだけのはず。ただ、本書のような提言本において「らしさ」というか、一貫した姿勢は説得力が増すなあと。

著者に対してのイメージは徹底した経済的な合理化、あとは石川善樹さん的なウェル・ビーイング(よりよく生きる)の追求。とくに後者は共感しています。

いろんな背景や存在する課題に対しての「合理化」のなかで、とくに印象的だった箇所をすこし紹介します。

アセット(資産)の活用

経済の章にある「東京都のアセットをもっと活用すべし!」という話はおもしろく読みました。不動産のそもそも仕組みとして「空中権」のことをぜんぜん知らなかった。

法改正(規制緩和)によって、低層ビルの余情容積を「空中権」という名で民間に譲渡できるようになった。その売却益によって都民へのインフラ強化や新しいサービス提供に取り組める。ちなみに景観維持のために乱開発は防げるのだそう。

あと空き家が増える問題にもふれています。法改正が今後すすんでいけば(大変そうですが)、たしかに生活コストは下がりそう。

軍隊式の廃止

まず、部分的に引用します。

体重30キロもない小学3年生が、自分の身体の3分の1に相当する大荷物をもって通学する。修行、苦行どころか、ほとんど拷問や虐待のレベルだ。
校庭や体育館に全校生徒を集め、「気をつけ!」「休め!」「右へならえ」と怒鳴り散らしながら生徒たちを強制的に拘束する。これは完全に軍隊教育だ。

生徒を型にはめるような軍隊式の教育。明治のなごりが残っていたのはたしかで、思い返してみると小学生の頃は「そういうもの」だと受け入れていたなあ。

そもそも全校生徒を一同に集める必要はない。統率の手段としての「軍隊式」は廃止した方がいい。ひと昔それらは社会に出た後を見越した「練習」であり、そういった従順さが社会に求められていた一面もあった。

著者がいうように『これからの時代は「右にならえ!」だけしていては対応できない』というのは一理あります。子どもは生きるための術で環境に慣れることができるからこそ、上の世代が自らの経験を否定しながら変えていく必要があるのだろうなあ。

最後に、この本を「公約本」として読むかっていうのも読者に委ねている印象を受けました。それもおもしろい。

言うまでもなく本書のタイトル「東京改造計画」は、田中角栄の「日本列島改造論」などを彷彿させるわけです。

いずれにしても都知事選への注目は高まりそうです。

というわけで以上です!



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