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リモートワーカー同士が刺激し合える場にしたい | LAC宮崎青島コミュニティマネージャー・宮木章太さんインタビュー

「LivingAnywhere Commons(以下LAC)」は、仕事や場所などの制約に縛られないライフスタイル“LivingAnywhere”を実践するコミュニティです。コミュニティメンバーになると日本各地のLAC拠点を利用でき、仲間と共生しながら自分らしい生き方を実現できます。

2021年9月に、LAC宮崎青島がオープンしました。
LAC宮崎青島は、宮崎県宮崎市の青島エリアにある「アオシマアパートメント」。
周辺にはスローな南国ムードが漂っており、サーフィンのメッカとして多くの人に親しまれています。

今回はLAC宮崎青島のコミュニティマネージャーを務める宮木章太さんに、アオシマアパートメントをつくった経緯や魅力についてお話をうかがいました。

ライブチャット業界で引っ張りだこ。数々のベンチャー企業で実績を残す

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ーーまずは宮木さんの経歴を教えてください。

新卒で事業開発を積極的におこなっている会社に入りました。そこで3年働いたのち、会社を辞めて司法試験受験生になります。司法試験予備校に2年通い、次の1年は司法試験を受けながら在宅で勉強していたんです。

でも正直な話、司法浪人というのが性に合わなくて。刺激がない毎日にうんざりしていたところ、友人からライブチャットの世界に誘われました。

ーーちょうどいいタイミングだったんですね。

はい。友人のいたシステム会社が、ちょうどライブチャットサービスのシステム提供を始めようとしていた時期だったんですよね。そこで手伝っているうちに、気がついたら営業として働いていました。

僕はそこでの3年間で20以上のライブチャットサイトを立ち上げたんですが、業界内で“日本で一番ライブチャットビジネスを語れる人”としてかなり有名になりまして。そのおかげで、いろいろな方から「話を聞かせてくれ」と声をかけられるようになったんです。

ーー事前に拝見したプロフィールに“ライブチャット業界で引っ張りだこだった黒歴史有”と書かれていました……!

まさに、この時代のことですね。実は最後の1年は、そのシステム会社の企画営業ではなく、ライブチャットサイト自体を運営するサービスプロデューサーをしていたんです。それが僕の事業開発のキャリアにおける最初の大きな実績になりました。

そのあとシステム提供でクライアントだった企業に誘われて、デジタルコンテンツを月額課金制で携帯電話に提供する会社に転職します。

いわゆるネットビジネスのアンダーグラウンドの世界から、表の世界に出てきたわけです。
当時のライブチャットや出会い系といった業界は一般的なネットベンチャーの活躍する表の世界とは人材的にも情報的にも分断されていたので、インターネット業界の方たちからすると「ある日突然、暗黒大陸から1人のプロデューサーがやってきた!」という感覚だったみたいで、イロモノ的な注目も集めました(笑)。

ーーまるでアニメの世界ですね(笑)

そうなんです(笑)。それから携帯アプリの企画や開発などを手がける会社を経て、葬儀社や仏具店、墓石店向けの業界紙を発行する会社に移りました。その会社は紙からWebへの事業転換を図っていて、WebプロデューサーやWebディレクターの経験がある僕に声をかけてくれたんです。

当初はすごく小さな会社でしたが、僕が辞めるときには一部上場企業になっていましたね。そこで10年ほど働き、上場の過程では役員も務めました。

一度は計画がとん挫したものの、自分でアオシマアパートメントをつくろうと決意

画像2▲LAC宮崎青島の連携拠点としてオープンしたアオシマアパートメント

ーーその後どのような経緯で、LAC宮崎青島の連携拠点であるアオシマアパートメントをつくることになったのでしょうか?

先ほど、アプリの企画や開発などを手がける会社に移ったとお話ししましたが、当時のメンバーの1人が宮崎に先に移住していろいろな事業家さんを支援していたんです。

僕が前職で役員を務めていたとき、彼から「宮崎に住む社長のSさんが、東京のマーケットを絡めたビジネスをつくりたいと言っている。今はそのサポートをしているんだが、東京の人がいると助かるから宮木さん手伝ってよ」と連絡をもらいました。

ちょうどその頃、僕は暇を持て余していたんですよ。会社が上場したことで、仕事のモチベーションが下がっていたんです。これは僕の持論ですが、ビジネスは“金の卵を産むニワトリ”だと思っていて。

――“金の卵を産むニワトリ”ですか?

はい。“金の卵を産むニワトリ”とは、回すことで利益を生み出す事業のことです。僕はずっとベンチャーの世界にいたのですが、それがまさに“金の卵を産むニワトリ”を“つくる”仕事だったんですね。ところが会社が上場すると、どうしても“金の卵を産むニワトリ”の“世話をする”仕事が増えてしまいます。つまり、すでに成立した事業を回す業務が多くなるんです。

事業を回す段階になると、僕にとっては刺激もないし退屈で仕方なくなっちゃって……。もともと事業をつくる工程自体は大好きだったので、その興味関心をどこに発揮しようかとしばらく考えていました。元同僚の彼から声をかけられたのは、まさにそんな時期だったんです。だから彼の話を聞くなり「これは面白そうだ」と感じて、半分遊び、半分ボランティアの形でSさんの事業づくりを手伝うことにしました。

――そこから始まったんですね。実際にはどのようなことをしていたんですか?

まだ詳細が決まっていなかったので、週1回リモート会議をすることにしました。でも実際に社長のSさんと会ったり現地を見たりしないと、わからない部分が多かったんですよね。それでたびたび宮崎を訪れて、Sさんらと一緒に新規事業のビジネスモデルを構築していきました。

東京と宮崎を行き来して感じたのが「宮崎っていい土地だな」ということ。宮崎は観光地としてはイマイチ弱いけれど、中長期で暮らす場所としては非常に魅力的なんです。とくにサーフィンやゴルフを生活に取り入れたいと考える方たちには最適な場所だろうなと思いました。

なかでも青島エリアは、サーフィンが盛んなうえカリフォルニアのような南国感もあります。いくつかの候補の中から、楽しく暮らせるかどうか?とか利便性は?といった総合的なバランスで選ぶと青島で決まりでしたね。とはいえ、青島では将来につながる仕事を得にくいという弱点があるので、それを補う形で何かできないかと考えました。

――弱点を補う形……それが見つかったのでしょうか。

はい。前職では人事を担当していたので、Webエンジニアたちの間でリモートワークが広がっているのを肌で感じていたんです。そこで“リモートワーカーのための2拠点居住施設で、サーフィンやゴルフを生活に取り入れながら働く”というサービスを思いつきました。

ただエンジニアの性質を調べると、きちんとした便利な施設にパッと入って利用するのを好むようなんです。だから古民家の改装といった一般的なシェアハウスのやり方ではなく大企業の寮やホテルを改修する案が出たんですが、青島にはそうした施設がまったくありませんでした。

それで「こうなったら更地を買ってイチからベストな形を設計するしかない!」という結論に至りました。ただ、それだと金銭的な面でSさんが思い描くビジネスとは合わなかったんです。

ーーその問題はどのように解決したんですか?

結果的にはとん挫してしまいました。でもよく考えたら、僕がセカンドライフを過ごしながら新しい事業をつくるという意味では、ちょうどいいサイズ感だなと思ったんですよね。「それなら自分でやろう」と思い立ち、アオシマアパートメントをつくることにしました。

アオシマアパートメントのコンセプトは“宮崎レジャー×リモートワーカー”

画像3▲思い思いの時間を過ごせる開放的なコミュニティ&ワークスペース

ーー写真を拝見すると、とても明るく開放的なシェアハウスですね。宮木さんの考えるアオシマアパートメントの特色とは何ですか?

アオシマアパートメントのコンセプトは、“宮崎レジャー×リモートワーカー”です。基本的にコンセプトが似通っているシェアハウスがあまりないので、もしかしたら違う点だらけかもしれません。

ーーそうなんですね。

はい。アオシマアパートメントをつくるにあたって、ほかのゲストハウスやシェアハウスのことはあまり意識していませんでした。それは、これから日本で仕事や住居に対する考え方ががらりと変わるだろうと思っていたからです。

ーーそれでは、アオシマアパートメントの魅力はどのようなところだと思いますか?

やはり生活にサーフィンを取り入れられることです。ほかにもサーフィンができる拠点はたくさんあると思います。でもサーファーからしてみれば、アオシマアパートメントは段違いに有利な環境にあるんじゃないでしょうか。

ーー実際、利用者さんはサーフィンをする方が多いんですか?

そうですね。サーフィンが好きな方、サーフィンを始める方、いずれにしても全体の8割ぐらいはサーフィン絡みの方です。

アオシマアパートメントには「関東の有名なサーフポイントに移住したけれど、混んでいて波も小さいから満足できなかった」という方たちがたくさん来ます。もともと青島は、サーフィンを目的に移住してくる方が多いエリアなんですよね。初心者からプロまで楽しめるサーフポイントがありますし、海外のリゾート気分を味わいながら暮らせますから。

リモートワーカー同士が刺激し合って、いい関係性を築ける場にしたい

画像4▲個室のミーティングスペースでじっくり語り合えば、新たな発想が浮かぶことも

ーーアオシマアパートメントを、どのような場所・存在にしたいですか?

働き方や人生設計などでリモートワーカー同士が刺激し合える場にしたいですね。僕がいたベンチャーの世界では、次から次へと新たな起業家が生まれていました。そのなかでとくに多かったのが、イノベーターの社長の下で働いていた人が次のイノベーターとして起業家になるというパターンです。

イノベーターと身近に接していくなかで、その人の価値観や思考などを肌で感じられますよね。そこで何かを得た人が、自分なりのスタイルをプラスしながら新しい事業を始めるんです。これは日本のWeb業界に限らず、いろいろな世界でいえることだと思います。

ーー身近なお手本のマネをする感じですね。

そうです。さらに、アオシマアパートメントはチームで働くための関係性を築ける場でありたいとも思っています。一緒に住むことでちょっとしたことで助け合う関わりが生まれる仕掛けを積極的につくっています。

例えば青島から車で30分の距離にニシタチという九州でも有数な飲み屋街があるのですが、そこで呑んでいる住人たちを迎えに行ったり迎えに来てもらったりといった助け合いを通じて、段々とその先につながる信頼関係を育んでいくのだと思っています。

そうやってリモートワーカー同士でいい関係性を築きながら、チームで仕事をしていくカルチャーをつくりたいですね。

サーフィンやゴルフを楽しみたい方にとっては、アオシマアパートメントの右に出る施設なし

画像5▲5分ほど歩けば南国ムードたっぷりのビーチが出現!思う存分サーフィンを楽しめる

ーー最後に、アオシマアパートメントをまだ利用したことがない方や、利用を検討している方へメッセージをお願いします。

しっかりとリモートワークをしたい、個室で自分のプライベートを守りたいと思っている方は、ぜひアオシマアパートメントを利用してみてください。とくにサーフィンやゴルフを日常的に楽しみたい方にとっては、アオシマアパートメントの右に出る施設はないと思います。

ーーこれからサーフィンを始めたい方でも大丈夫ですか?

もちろん!歩いて3分ほどのサーフスポットの海へ行く途中には、サーフィンやSUPの体験ができる「SURFCITY(サーフシティ)宮崎」があるんです。

古民家を再生したアウトドアフィットネスクラブで、サーフィン初心者の方にも多く利用いただいていますね。室内ではヨガやピラティスも楽しめます。青島にはプロサーファーもたくさん住んでいるので、一緒の海に入れるチャンスがあるかもしれませんよ。

LAC宮崎青島は仕事・趣味・出会いを両立できる理想的な場所

画像6▲日が暮れると、日中とはひと味違う大人の雰囲気も楽しめる

LAC宮崎青島の連携拠点であるアオシマアパートメントは、2021年3月にオープンしたばかり。だからこそ、たくさんの可能性を秘めた魅力的な施設だといえるでしょう。

コミュニティマネージャーの宮木さんは「お互いにいい影響を与え合える人たちをどんどん集めたい」と語ります。すでに宮木さんのなかには、思い描く理想を実現するための構想もあるそうです。

仕事と趣味、出会いを余すことなく両立できる場所。それがアオシマアパートメントではないでしょうか。時間がゆったりと流れるオープンなスポットで、新しい自分を発見してみてください。

《ライター:山本洋子

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