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LACの巡り方を考えよう!第一回LACコミュマネサミットin三豊

2019年7月3日の運営開始から、今年で3周年を迎えたLivingAnywhere Commons(以下、LAC)。

LAC会津磐梯を皮切りに、今や北海道から沖縄まで全50拠点(※2022年12月25日時点)が登録され、2022年だけでも新たに21拠点が仲間入りしています。

運営開始以降の宿泊数も述べ3万泊を超え、多くのユーザーが利用するコミュニティとなったLACは、今回各地のコミュニティマネージャー(以下、コミュマネ)を集め香川県三豊市で第一回目となるLACコミュマネサミットを開催しました。

総勢約40名が集結し1泊2日で開催されたコミュマネサミットから、今回はLACの巡り方ワークショップの内容をお伝えします。

LACコミュマネサミット
2022年11月16〜17日にかけて行われたサミット。香川県三豊市を舞台に、1日目は三豊市の街づくり視察ツアー、2日目はLACの巡り方ワークショップが行われた。普段はオンラインで繋がっていたメンバー同士が集結し、拠点ごとのさまざまな運営ノウハウや課題を共有。三豊の街づくりや各拠点との情報共有を通して、LACの今後について話し合った。

暮らし方と働き方が拡張する時代のなかで、点で終わらない循環コミュニティを作るために。

今回のLACの巡り方ワークショップは、そもそも今の時代が「住関興(住まい、関わり先、興味仕事)拡張時代」へ移り変わっているという前提のもとはじまりました。

リモートワーカーはコロナ前から約3倍に増え、住まいも仕事も職場も、複数の場所と関わりを持ちながら暮らすリビングエニウェアな人が増えている今、全国に散らばっているLAC拠点がどのように連携しあいながら、一回の「点」で終わらない「面」の連携をとっていけるのか?

それを模索するために、各拠点のコミュマネ同士が初めて対面で集合し、ユーザーにとってよりよい選択肢を提示できるよう、さまざまなノウハウや課題を共有しあいました。

全国に散らばる拠点の共通点を共有し、LACの巡り方を考えよう

▲LAC事業責任者の小池克典さん
▲開催地となった三豊拠点の原田佳南子さん

ワークショップでは、まずLACの事業責任者小池より今回のワークショップのゴールが説明され、「全国に散らばる拠点の共通項をみつけ、それを深めることで新しいツアープランを考えていきたい」という旨の説明が行われました。

しかし各拠点の担当者からは「そもそも他の拠点にまだほとんど足を運べておらず、他がどんな活動をしているのか?自分の拠点が他と比べてどうなのか?がよくわからない」という意見が出ており、まずは近接する各拠点同士で情報共有を行うこととなりました。

情報共有のなかでは、LACのコンセプトである「働く」「暮らす」「遊ぶ」「交流する」の4つのトピックに対して、「“しっかり”働ける」「“どっぷり”暮らせる」「“まったり”遊べる」「“さっぱり”交流できる」など各拠点のニュアンスの“具合”を共有しながら、新しいツアープランの考案を行いました。

東西南北に分かれ現状共有と新プラン考案

ワークショップは東西南北4つのグループに分かれ、以下のようなチーム編成で情報共有と新プランの考案が行われました。

北チーム:八雲、石巻、気仙沼、ひたちなか、会津磐梯、つくば

北チームのコンセプト(働く・暮らす・遊ぶ・交流する)に対する具合は、以下の通り。

北チームは、自然の中でゆっくりと一人の時間をとれるような拠点が多く、人生の転換期に自分を見つめ直したい人がよく訪れているという話がでました。

東日本大震災の被害と復興の様子から既存の価値観を見つめ直し、ゆっくりと自然の中でこれからの人生を見つめることのできる拠点が多い北チームは、「大人のための学び〜フォルケホイスコーレ(※1)プラン」を発表。

その他、八雲や石巻のような一次産業が盛んな拠点も多いことから、冬の間、漁業や農業の仕事をしながら自分のやりたいことを探す「越冬コース」についてもプラン提案がありました。

東チーム:館山、横瀬、伊豆下田、八ヶ岳北杜、小田原、熱海

東チームのコンセプトに対する具合は、以下の通り。

東チームは直営拠点(小田原以外)が多かったことから、「お互いがお互いを紹介しあうためにまずは各拠点の状況を把握する必要がある」ということで、各拠点の情報共有が細やかに行われていました。

自然のなかで癒されながら仕事ができる館山や八ヶ岳北杜、夜の街を楽しめる小田原や熱海など、各拠点の特徴を整理しながらも、季節や曜日によって“具合”に差があることも共有。

SNSでは盛り上がりを見せるLAC伊豆下田でも、日によって交流が活発なときとそうでないときがあり、一概に整理できない各拠点の特徴について、ユーザーが滞在するまえに「今回はどのように過ごしたいのか」というアンケートがとれる仕組みがあるといいのでは?という案が出ていました。

西チーム:那智勝浦、美馬、三豊、津山、三好

西チームのコンセプトに対する具合は、以下の通り。

西チームでは、現状の「働く・暮らす・遊ぶ・交流する」の状況に加え、「本当はこういう拠点にしていきたい」という理想の状態の共有がされていました。

例えば、短期滞在の多い拠点では「もっとどっぷり暮らしてもらいながら地域の魅力を伝えたい」という課題が聞かれ、それに対して各拠点の取り組みを共有しながら運営のヒントにしあう姿が見られました。

これまで「互いの拠点に行ったことがないなかで他拠点を紹介する」という課題があったなか、今回のコミュマネサミットで担当者同士が顔を合わせたことで「より次回から紹介しやすい関係構築ができた」という声も聞かれており、こうした取り組みがユーザーのより充実したリビングエニウェアに繋がっていくと感じた時間でした。

南チーム:田川、柳川、宇城三角、屋久島、うるま

南チームのコンセプトに対する具合は、以下の通り。

南チームでは、移動に車が必要なこと、地域からの貰い物なども多く滞在中に意外とお金がいらないことなどから、4つのプランが提案されました。

1つは、ユーザーが同じ車に同乗し、あいのりのようにカップルになったら降りていく「食べて祈って恋をしてプラン」。

もう1つは、物々交換で生活するものを手に入れていく「1ヶ月1万円生活プラン」。

さらに九州にはパワースポットが多いことから各拠点のパワースポットを巡る「パワースポットプラン」、LAC宇城三角のサイハテ村でどこに行ったらいいかのお告げをもらって旅をはじめる「サイハテお告げプラン」などが発表されていました。

ここでも「まずはお互いの拠点に行ってみることが大事」という話がでており、拠点担当者同士が繋がることで、まずはコミュマネが他拠点に行きやすくなるような関係構築がなされていました。

ちなみに今回のワークショップででた各拠点の「働く・暮らす・遊ぶ・交流する」に対する具合に関しては、こちらの「LACの巡り方一覧表」にまとめています。ご興味のある方はぜひご覧ください。

最大の収穫は他拠点の「顔」が見えたこと。会って広がるコミュニティの輪

ワークショップはおよそ1時間、それぞれのチームにわかれて現状のシェアとプラン考案で終了しました。

LACの巡り方に関しては、プラン考案まで進めたチームとそうでないチームがありましたが、このワークショップでの最大の収穫は「実際に会ってお互いの顔が見えたこと」。

ワークショップ後の個人感想シェアでも

「今までユーザーさんが来るたびに、他にこんな拠点があるよと紹介はしていたものの、実際にはその顔が見えていなかった。今回みなさんと会って話せて、もっと具体的に紹介できると思えたのが一番の収穫になりました。」

「LACのみなさんに会ってとても感度の高い人が多いと感じた。普段自分の周りでもこういった話をできるチャンスはあまりなかったので、みなさんと話せて余計な力が抜けました。」

「今度、同じチームのメンバーと拠点で集まることになりました。私も自分の拠点のメンバーを誘って他の拠点に遊びに行こうと思います。」

など実際に会って話したことで生まれるコミュマネ同士の輪が広がっており、各拠点の現状や課題を共有したことで共創が生まれやすい土台ができていく姿がみえました。

▲三豊の街づくりツアーの様子
▲三豊の街づくりからそれぞれが刺激をもらう時間となりました
▲トークセッションを真剣に聞くコミュマネの皆さん
▲念願のコミュマネサミット開催。充実した2日間となりました!

今回はじめての開催となったLACコミュマネサミットでは、三豊の街づくりに触れながらそれぞれが自分の地域や拠点を見つめ直すきっかけを得ることができ、これまでバラバラだった拠点同士が一同に顔を合わせたことで、交流・協力・連携がうまれやすい関係構築が実現しました。

このサミットをきっかけに、より拠点同士の繋がりが深くなり、今後ますますLACが一つの「点」をきっかけに各地へと繋がりやすくなっていきますので、ユーザーさんは拠点を訪れた際、ぜひコミュマネに気軽に話しかけてみてくださいね。

・フォルケホイスコーレ(※1):北欧独自の教育機関のこと。社会に求められるスキルを得るために学ぶのではなく、自分自身の内側にある幸せや関心にしたがって考え、学ぶということを大事にしている。

《ライター:蓑口あずさ

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