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17話 BI時代のフリーマーケット

これは、ベーシックインカムが実施された近未来を想像した物語です。
Living with BI 〜ベーシックインカムがある世界〜
この漫画は自動化などによって雇用が失われた時代にベーシックインカムが実施されたという設定で、人々の生活をイメージしています。ふれあいが希薄になっている世界ともいえるので、ふれあいを求める人々の場のひとつとしてフリーマーケッを描いてみました。

今回はベーシックインカムが行われた近未来のイメージとしてフリーマーケットを舞台にしました。ここにはいくつかのワードが登場していますので、少し解説しておきます。

ワークシェア
雇用がなくなってくると、働きたいという人があぶれることになります。ベーシックインカムがあるなら仕事を分け合おうという発想で雇用を維持するというやり方の会社が増えてくると考えられます。これは働く時間が減って自由時間が増える方法の一つになります。イベントに家族で出かける機会も増えるでしょう。

法律改正
ベーシックインカムの財源確保のために所得税制を変えたり、ワークシェアに対応した形に労働基準法が改正されます。追って様々な制度が統廃合されたりもするでしょう。

地域通貨
地域通貨は2種類のものが流通すると考えられています。一つはボランティア的な行為に対するお礼として渡すというタイプのものです。換金はできませんがたくさん獲得すると地域で一定の評価が得られるという価値を持つものです。

もう一つは地域振興券のように使用期限はあるけれど購入することで地域の加盟店での買い物がお得になるというものです。こちらは地域財政や産業を援助したりするのに使われます。ふるさと納税のように地域外の人が購入して応援することもできます。まんがの中で登場した「シジミペイ」は後者の地域通貨です。

シジミペイは使用期限がある「腐るお金」ですが、使用期限を過ぎたものは公共投資の資金に回されます。デジタル化することで発行や使用がより便利になっています。また、給付されたベーシックインカムを地元で効率良く使うための手段として有効だと考えられています。

協力経営
ベーシックインカムがあれば無理に仕事をしなくても生きていけますが、商業活動の場がないとふれあいの機会は失われていきます。あらゆる場面で産業が無人化しているため、コミュニティとしてのイベントや接客業が残っていくと考えられますが、そこでネックになるのが家賃などの固定費です。経営の目的が売上を立てることからコミュニティの活性化の方に目的が移っていくので、固定費を浮かすために一つのテナントを複数のオーナーで協力して運営していくスタイルが出てくると考えました。現代でも一つのテナントを複数の店主が運営している日替わりショップはあるので、現実的だと思います。

若者が農業へ
SDGsなどを突き詰めていくと、農業は地産地消がメインに移っていきます。デジタル化した世界で生きていることを最も実感しやすいのが農業などの第一次産業と考えています。高齢者が引退した後の世界で、中堅の人材は少なく、AIによって少人数大規模化した農業法人を若者たちが運営するというスタイルは今後増えてくるのではないでしょうか。未来の第一次産業については機会を見てもう少し詳しく描いてみたいです。

ベーシックインカムの時代は自分が自由に使える時間がたくさん増えるので、それを何に使うのかが生活の豊かさを決めるようになると思います。居場所を求めて新しい暮らしを求める人が増えていく・・・フリーマーケットはその縮図として描きました。もっといろいろな暮らし方があるでしょう。漫画を読んで感想や思いついたことがあれば教えていただけると嬉しいです。

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