見出し画像

その4)コモディティ化と「定番社会」

商品やサービスが市場にて画一化し、品質による差別化ができず市場価値が下がることをコモディティ化といいます。 価格競争が起きやすい分野において同じような特徴を持つ商品やサービスが揃っている市場で起きやすい現象です。

例えば、スマートフォンは通話のほかSNS、動画視聴、撮影など様々なことに使える便利な道具です。誰もが手放せない便利なツールになりましたが、現代のスマートフォンは様々な機能が付いても売れなくなってきたそうです。

最新型が出ると古い汎用的な機種が中古市場で高く売れるということもあるようです。必要な機能が満たされたらあとは価格競争になってきます。昔は100万円くらいした65インチの液晶テレビも今や10万円台からあります。

そうなると信頼性とコスパが両立しているものばかりが売れるようになります。大手食品メーカーが毎年出している新商品も実は売れ行きはわずかで、多くは50年前からある定番商品が売上の半分以上を占めている・・・といったことも珍しくないそうです。アイスクリームの人気商品はほぼ固定化されていて、決まったものばかり売れているそうです。このように「この界隈ではこれが最高!」みたいなものがすでに世の中にあふれているのです。「定番社会」の到来です。

定番商品を洗練させる中、当然コストも合理化されていきます。とある地方でできた超大型工場が雇用したのは正社員は管理部門の2名のみで、後は数名のパートとアルバイトだったという例もあります。最新鋭の工場で働く人の数は年々減っているのです。世の中のものはどんどん成熟して「定番で十分」があふれた状態になっていると言えるのかもしれません。

そして、コモディティ化と合理化によって、色々なムダ・無理・ムラが取り除かれていくと増えてくるのが電話番とかハンコ稟議などに代表される「ブルシット・ジョブ」という仕事です。次回はこれについて簡単に説明します。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?