その57)政治家の給与をゼロにできるか
すべての国民がベーシックインカムを得られるということであれば、政治家もそのインカムを受けられることになります。それなら、ベーシックインカム社会になったら政治家の給与はゼロにしたほうが良いのではという意見を聞きました。為政者は政治をボランティアでやるべきという考えです。
活動費は全て国費で賄われるし、最低限の生活費は保証されるし、それ以外の給与をもらわないなら、給与目当ての働かない政治家を排除できるだろうというのが大きな理由です。そもそも国の中の多くのことがAI運営で安定してしまっているのに政治家が必要なのかという意見もあります。
一方で、政治家は資産家も多いので、その条件だと下層社会の人が政治家になろうと思ったら、党の公認を受けて活動資金を出してもらわないと立候補できなくなるという意見もあります。何事もお金がかかる世界だからというのが理由です。
さらに、「政治家は法律を作るので、自分たちに不利益なことはしない」という意見もあります。政治と正しさは別のもので、正しいことを言ったり行ったりした人が必ずしも指示されるということは無い。むしろ正しいことをすると抹殺されるとも言われます。
そう考えると、政治家が自分の給与をゼロにすることはまずないと思われます。上記よりもさらに理想的な政策ができても実現の道のりは厳しいと思います。
民主主義は多数決で決まります。1%の天才が正解を出しても、51%を超える普通の頭の人が拒否すればそれは通りません。物事がうまくいくためには多くの心を満たす必要があります。政治や政策について最適解を出して実行するのは本当に難しいと思います。
私はベーシックインカム政策は、もうやらざるを得ない状況にならないと実行されない、給付額も生活ギリギリの金額になる最低所得保証制度になるのでは・・・と考えるのはそういった政治の性質を感じてのことです。
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