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その45)生産性が上がり続けるとどうなる

テクノロジーの発達は生産性を上げてくれる簡単な方法です。車があれば移動したり、たくさん荷物を運んだりしやすくなります。多くの人を使うよりも簡単にできるでしょう。最近なら生成AIが長い文章を書いてくれたり要約してくれたり、映像を作ってくれたりして、出来上がるまでの時間が大幅に短縮できていたりします。人間ひとりあたりの生産量が上がったことを「生産性が上がった」と呼ぶように思います。

テクノロジーの発達がもたらすもう一つの現象が「技術的失業」です。アニメ「母をたずねて三千里」で主人公のマルコはビン洗いのアルバイトをしていました。マルコは1日に洗える本数を増やしていくなど頑張っていましたが、自分の10倍のスピードで洗うビン洗い機が職場に導入され、失職します。技術的失業は18世紀の産業革命で動力によってモノの大量生産ができるようになってから枚挙にいとまがない状態になっています。この場合でも社員一人あたりの生産性は上がっているといえます。

人件費は事業体の経費の中でも大きなウエイトを占めています。モノの場合、働く人数が減っても生産量が変わらないとか増えたといった評価になってきます。テクノロジーの発達は10人や100人でやっていたことを1人でできるようにしてしまいます。Googleが3万人をレイオフするというニュースがありました。これはテクノロジーによってそれだけの人数が必要なくなったということを意味しています。ハリウッドでは役者をデジタルスキャンしてエキストラにすることに反対運動が起きています。映画製作の方は簡単にシーンを作れるようになりますが、役者の仕事がなくなってしまうからです。

このまま生産性が上がり続けるとどうなるのでしょう。最後は大企業が数人で経営されているようになるのではないでしょうか。数人で兆円単位の売上って、すごい生産性といえますよね。生産性を追求するとやがてはこれに近い状態になると考えられています。ゆっくりと、確実にここに向かっているのです。

現状では会社員は法律的にすごく守られているのですが、最近は気になる合併があちらこちらで起こっているようです。簡単な構造で説明しますと、人材が余っていく企業が、人材が不足している企業と合併しているのです。これは余剰人員を人員不足の現場に異動させる目的があるといっても過言ではないでしょう。クビにはしません。社員は守ります。仕事は与えます。ただし業務内容は変わります。という動きです。

プログラマーの仕事の最大の目的は、自分たちの仕事も含め、すべての仕事をなくすことという考え方があります。これは生産性を上げるという考えともリンクします。世の中に必要なものは全て揃えられるし、企業は究極の高さで資産性を保っている。仕事はないけど消費者は必要だということになっていきます。

私は生産性が上がり続けた結果、ベーシックインカムが実施されることになると考えています。

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