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私にもコーダの友人がいた

高校時代、ひいちゃんという同じクラスの女の子と仲良くなりました。ひいちゃんの両親は、ふたりとも耳が聞こえないろう者でした。

そんな両親のもとに産まれた聴者のひいちゃんは、コーダ(CODA, Children of Deaf Adult/s)と呼ばれる立場なのだと知ったのは、高校を卒業して何十年も経ってから、ここ数年のことです。

それを私に教えてくれたのが、以下の4作品。

①【エール!】2014年製作のフランス映画。

②【コーダ あいのうた】2021年製作のアメリカ・フランス・カナダ合作映画。【エール!】のリメイク版なのに、本家より有名な気がする。アカデミー賞を取ったから?

③小説【デフ・ヴォイス】著者 丸山正樹/文藝春秋

普通にミステリーとしても面白く、かつ読み易く、初めて知る手話の豆知識もふんだん。
この本の中で、「ろうあ者」ではなく「ろう者」と表現するほうがいいことを知った。聾唖の唖は話せないことを意味するが、聴こえないが話せないわけではないので。
続編もあるので、これから読もう。

④ノンフィクション【ろうの両親から生まれたぼくが聴こえる世界と聴こえない世界を行き来して考えた30のこと】 著者 五十嵐大/幻冬社

夢中で読みました。著者の辛さがヒシヒシと伝わってきて、子供時代の彼を抱きしめてヨシヨシしたいほど。

高校時代の私は子供すぎて、ひいちゃんの心情を全く理解していなかったことに、これらの映画や本で気づいた。

ひいちゃんはよく笑う明るい女子高生で、「コーダ」としての苦労を全く感じさせなかった。

というより、私が鈍感でわからなかっただけ、と、今ならわかる。

ひいちゃんは男子にかなりモテてました。可愛いだけでなく、性格も良かったからモテて当然。

今、どうしてるかな。コーダを取り上げている小説や映画、知ってるかな?

卒業以来数十年会ってないけど、養護教諭になったんだよね。同業者と結婚して、子育てしながら先生もして、充実した日々を送っているのが年に一度の年賀状で見てとれたよ。

きっと良い先生になったんだろうな。


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