イギリス美術は面白い【ロンドン・ナショナルギャラリー展】
Podcastアフタートーク
第119回も無事収録が終わり、今回は特にお気に入りの回になりました。
1人の画家にフォーカスするより、全体を話すことには労力が要るんですが、やるとやるでハマります。美術史というと主に西洋美術、しかもさらにフォーカスして、イタリア史であり、バロック以降はフランス・スペインや新教の国(ドイツ、オランダ)へと舞台がだんだん移っていきます。
そのためイギリスは、全体からするとあまりスポットライトが当たらず、だがしかし魅力溢れる美術史です。
念願のロンドン・ナショナルギャラリー展
本来なら3月3日からの開だったロンドン・ナショナルギャラリー展。
残念ながらコロナにより開催中止の企画展も多い中、こちらの展示は延期という方向で進んだことに感謝せざる終えません。
なかなか都外から行くことも拒まれた年となってしまい、今年行きたかった展示会にほとんど断念していましたが。
世界の美術史が一望できる
今回日本にきた作品(初の日本上陸作品ばかりだったのですが)は、イギリス、またはイギリスにゆかりのある作品群だったように思いますが、本家の美術館では世界の美術史が一斉に並んでいることも、魅力の一つです。
世界の美術史といえば、ルーブル美術館ですが(エジプトから18世紀まで幅広い)このロンドンナショナルギャラリーの魅力は個人蔵の集結だという点ではないでしょうか。
市民のための市民の美術館。
産業革命らにより急速に発展し世界から注目されたUKが、我が国に美術館がないと建てられた美術館(まあ、それどころではなかったとは思いますが)
市民発信から始まり、最初は手元の美術品を収集するところから始まりました。そのため展示作品が、かなり個人的嗜好によるものだと感じています。
その辺は、ルーブルとはまた違う魅力があるのではないでしょうか。
博物館のような役割を上回り「これめっちゃカッコイイから見て!」という感覚。コレクターの愛情が伝わるんですよね、個人蔵って。
例えば私が好きなのはHoMA(ホノルル・ミュージアムオブアート)
アンナ・ライス・クック(チャールズ・クックの夫人)の個人蔵4500点が始まりとのこと。ハワイの土地柄か、他国の文化に寛容でものすごく前のめりに集めているのだということが伝わるんです。こちらのHoMAも『先住民の他にも多くの国籍が集まる場所であり、そのみんなの故郷の文化を共有したい』との思いもあったそうです。だからコレクションが本当に文化の共存。古典的で価値の高い美術作品と、ハワイで活動する若手アーティストの作品が同じように大切に扱われていたりしていました。
評価額基準や、歴史的分岐点にある作品の格式を上げる感覚でない点。
フラットに並べすぎるとそれはそれでデメリットもありますが(教養として学ぶ場合や、目を肥やすことはやりづらいかも知れません)
オランダや印象派も注目
イギリスゆかりの作品が多かったわけですが、意外だったのはオランダ美術が多かったことでです。
オランダの作品は見たら大体わかりやすいもので「フェルメール」か「大きい黒ハットをかぶってる男性がいる」やつが、大体オランダです。
これはオランダ美術が活気づいたのがイタリアでいうバロック期であり、その時期のオランダの衣装が大体黒い帽子。
貿易でリードしたオランダ(のちにイギリスも貿易国としてりーどしますが)そのいい時期の作品が見れるのも面白いですね。
あとは印象派。これはやはり日本に上陸するから必須だったのでしょうか。メインビジュアルもゴッホのひまわりでしたし。
メールのご紹介
番組中に取り上げられなかった、ロンドンナショナルギャラリーに対するメールをご紹介します。(敬称略)
絵を描くことは今よりずっとお金と時間がかかりましたから、そうゆう「時間とお金と希少性」って大好きですよね。
そんな需要があったからこそ、現代でもアートが付加価値をつけていられると思うと、肖像画時代もなくては成らない系譜だったのかもしれません。
クリヴェッリは変な現実味のある描写と緻密さが魅力に感じています。
悲しみの聖母を題材とした曲や絵画は多くありますね。
ホックニーいいですね^^。時の流れを感じるメールでした。
「そんない」は単純にチームの名前です。
10年ほど前、podcast配信チームとして結成され、当時のメンバーの口癖がそのまま名前になったそうです。
________________
ラジオクラウド(ログイン後「そんない」で検索)
__________________
ランキング
いつもたくさんのご支援・ご声援、ありがとうございます。