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GRAPEVINEがヤバい。

初夏の日差しが早くも日本を強く照らそうとしている中、それを隠そうとする梅雨前線も駆け足で日本に向かっていますね。皆さまご機嫌いかがでしょうか、らっちと申します。

そんな私らっちがかねてから愛しているバンド、GRAPEVINEですが、2021年、異変が起きていまして、これは多くの人に注目していただきたいと思い、バンドの紹介も兼ねながら記事を書こうと思います。拙い文章ですが、よろしくお願いいたします。

常に進化するバンド、GRAPEVINE。その紹介

まず、この記事を読んでくださる読者の方は、私のTwitterアカウントのフォロワーの方や、おそらくネットを検索して徘徊しているGRAPEVINEファンの方々だと思うので、このバンドについては説明するまでも無いとは思いますが、2015年くらいから聴きだした歴史の浅く経験不足な恥ずべきファンですが、紹介したいと思います。

彼らは1997年、まずデビュー時にミニアルバム「覚醒」を出しました。

名曲はあるものの、こんな渋くて熟した曲、若手バンドのデビュー曲として誰が聴くんだというような曲でデビューしたのでありまして、その翌年に出した1stアルバム「退屈の花」でもその路線を感じるのでありますが、その中でも少し青臭くて、でも本当に名曲であるのがこの曲。「君を待つ間」

さあ、この一曲で禁断の味わいに溺れてくれたでしょうか、多分多くの読者は読む前からこの味わいに溺れてくれていたとは思いますが。

そんな彼らが世間様にブレイクした切っ掛けの曲がこれ。「スロウ」

好きです。本当に。ストレイテナーのホリエアツシも若いころこの曲にh層激を受けたという一曲です。
そんなGRAPEVINEがこの曲の次にシングルで出した曲が、ライブでも一番の定番曲となっているこの曲。「光について」

音楽フェス等のイベントでGRAPEVINEを見たという人も、この曲は知っている方が多いと思います。「光」というテーマに関しては、作詞を担当する田中和将さんもよく使うとおっしゃっていました。

そしてこの「スロウ」「光について」も収録された2ndアルバム「Lifetime」はオリコンアルバムチャート週刊3位を記録して、バンド最大のヒット作となりました。

そしてその次に出したアルバム「Here」、こちらからは「羽根」を紹介しておきましょう。

軽快ながらも、渋いこの曲、私は大好きですし、ブレイクした自己批判するような歌詞もすごく好きです。

そんな彼らに、2001年、事件が起こりました。ベーシストでリーダーの西原誠の休養。この時期にいったんバンドは3人体制となり、その中で制作した4thアルバム「Circulator」、このアルバムには彼らの季節の名曲、夏の「風待ち」と冬の「Our Soug」を紹介したいと思います。

まず「風待ち」は、一番沢山の人にGRAPEVINEとして親しんでほしいと思う、バンドの夏の代表曲だと思っています。
それに対して「Our Song」は壮絶な幼少期を経験したボーカル田中が、休養中のリーダー西原への気持ちを冬の風景に映しながら書いた、私がこのバンドで一番好きな曲です。

そんな彼らの元に、一度はリーダー西原が帰ってきて、5thアルバムを制作するものの、2002年を以って西原が脱退となります。残された3人で初めて作った曲が「会いに行く」です。

こうしてこの曲からメンバー3人と、サポートのベースとキーボードの体制でGRAPEVINE、これ以後は基本的に実質5人体制で活動していくことになり、変わることなく活動しています。

そんな彼らの少し転機となった曲が「FLY」

この曲は、メンバーによるセッションから生まれた曲で、この形で制作された初の楽曲です。以後、ジャムセッションによって作られた楽曲が多く作られるようになりました。

そんな彼らは、2013年、「愚かな者の語ること」を最後に事務所を移籍、音源の発売元もポニーキャニオンからビクターへと変わります。その移籍前最後のアルバムから「1977」、移籍後初シングルである「Empty song」を紹介したいと思います。

あのですね、歌詞もメロディも本当に好きなんですよ、「1977」という曲が。こんな雰囲気で成熟させられていたバンドが、事務所やレーベル移籍でここまで開放感のある曲を書くというのも、またこのバンドの進化であるなと感じる点であります。私がこのバンドの存在を知ったのも、移籍後初アルバムがリリースされた年でした。

さて、このバンドの進化は思わぬ方向にも向いていまして、それがこの「EVIL EYE」の曲とMVですね。

何ですかこのエロビデオ。
色気のある田中さんだからこそ、すごくエロティックが満たされているんですけど。この曲が収録されたアルバムのツアーから、私もこのバンドのコンサートを見に行くようになりました。

そんなこのバンドの最新作を除いた近年の最高傑作だと思う曲が、「すべてのありふれた光」です。

ライブ定番曲「光について」と同じくタイトルに「光」が入ったこの曲。GRAPEVINEらしさも保ちながら、この曲のプロデューサーホッピー神山さんのエッセンスによる進化も強く感じる、とてもいい曲ですね。

さて、前置きが長くなりましたがここからが本題です。

今作のGRAPEVINE、なんだかすごい。

5月末発売の新譜、「新しい果実」から、現在3曲が先行配信されているのですが、3曲とも毛色が違いながらも、GRAPEVINEでありながらGRAPEVINEらしくない、更に進化したサウンドが作られていて、10曲収録だから、あと7曲はどうなってしまうんだと、とても大きな期待と不安を持っています。

さて、そんな先行配信第一弾の曲がこちら。「Gifted」

ポニーキャニオン時代はこのような重たい雰囲気の曲もありましたが、ビクター移籍後はこのような重苦しい雰囲気の曲がほとんどなかった中、それを打ち破るようなサウンドの重苦しさ。コロナ禍での制作活動ということもあり、世間の空気感の狭苦しさが、楽曲にも反映されたことによって、今作は2003年発売の「イデアの水槽」のような感じで影のある、バンド史のなかでも重たい作品になるのでは?と思わされました。

そんな中で開催された4月25日の日比谷野外音楽堂でのコンサート、こちらで披露された新曲たちも、比較的激しいものや重たいものが多く、この状況下が曲調へ与えた影響というものを感じさせたように思いました。

しかしながら、その野音コンサート前から予告されていた、ねずみが降臨した時、その予想はいい意味で裏切られることとなりました。

正直、こんな露骨にオシャレなサウンドに挑戦するんだ、そう思わせてくれた曲、「ねずみ浄土」は重苦しいアルバムになることへの期待も不安もすこし緩和してくれました。
そしてこの曲、現代日本でシティポップブームがより根を張ってファッションだけでなく、日常的にシティポップが浸透したと感じる今日で、バンド流にシティポップを解釈したような、そんな曲だなと感じるとともに、現事務所の後輩バンドであるTemparayの書く曲のようだなという印象も感じさせられたりもしました。

ちなみに、昨年コロナ禍によって中止となった対バンツアーでも、ボーカル田中が強く気になったバンドとして、Temparayはブッキングされておりました。

そんなねずみが降臨した衝撃の2週間ほど後に、突如先行リリースが発表された曲が「目覚ましは鳴りやまない」です。

正直、5年ほど前から日本のシティポップブームに乗って、サウンドを追いかけたりもしている私にとっては、この曲に対して、所属レーベルの後輩であるYogee New WavesやLUCKY TAPESでも演奏されている曲調だなと感じたりもしました。

しかしながら、この曲に関しては今まででも演奏されてきた曲調でもあり、これまでリリースした2曲と比べても、GRAPEVINEらしい曲でもありました。
このブームによってバンドが持つサウンド力と、ボーカル田中の育ててきたブルージーでソウルフルな歌い方が、一気に花開いてこうやって示されたことが、私個人としてはとても嬉しいことでした。

先行リリースされた曲が3曲、ライブで披露された新曲がこれらを除いて3曲、残る4曲がどのような曲になるのか楽しみで仕方ありません。このバンドのまだまだ秘められたポテンシャルが、2020年から2021年にかけてどのように示されていくのか皆さんにも期待してもらいたいです。

アルバムリリースに向けての広報活動、なんか変だぞ。

さて、今作のリリースに向けて、バンドとしても、発売元であるビクターでも、当然告知の広報活動がされているのですが、ネット上での告知方法が今までと比べてあまりにも異質なものとなっていまして、その中から、公式Twitterアカウントから一部を紹介させていただきたいと思います。

このような曲名を提示してのイントロ等の一部を流すことは確かにどのアーティストでも見られることかもしれません。しかし、

唐突に曲中の重苦しい歌詞だけを抜粋した画像の告知、ここで私はあれ?と思ったりもしました。

その次にされたのが、配信シングルとしてのジャケット画像。この曲の持つ重苦しさを示す重要なパーツだったのだと思います。そこから突如前日に配信告知をしてからリリースされたのが「Gifted」でした。更にはそこで新アルバムのリリースも告知されます。

このようなオシャレな形で。こうして新曲リリース以前から告知されていた日比谷野外音楽堂でのコンサートに向けても、ファンの期待を高めていくのですが、

突如この気が狂ってしまったかのようなツイート。更に、

絵文字だけでこの曲の一部を公開する、この当時まだ収録曲の曲名が公表前だったので、私は公式アカウントの奇行にとても不安になりました

その後レーベルから曲名を提示しての告知、更にはこの後いくらかのFM局で「ねずみ浄土」がリリース前の先行放送されます。

そのあとに歌詞の断片を散らした告知、前回リリースした曲と同じ手法かと思いました。

しかしながら回数を重ねてちりばめられた歌詞が形を見せていく、この様には驚かされました。そして、

日比谷野音公演でもMCで触れられた、「ねずみ」が歌詞として降臨、リリースとなったわけです。ここまで手間がかけられていることにも感動。MVでも曲名がネズミのように這っているのがすごくオシャレでしたね。そんな「ねずみ浄土」

曲を絶賛してくださった音楽関係者に対してまで絵文字で返信するという徹底ぶり、素晴らしいですし、日本語で喋ってくれ。

そしてレーベルでもバンド公式でも、雑誌やラジオ等の出演告知等で忙しく、新譜リリースに向けて盛り上げだした5月中旬、

収録曲が公表済みであるため、何の曲の予告かははっきりとわかる告知、更には翌日には明けて0時にリリースするという告知を流します。

そして、0時ちょうどにレーベル、公式ともに目覚ましを鳴らしてリリース告知、すごくオシャレでいいなと感じました。

今までリリースに向けて、バンド公式やレーベルがここまで奇をてらったことをすることはあまり印象になく、前作でも先行配信曲のMVを香港でロケしたりなどはありましたが、比較的保守的な告知の仕方を行っていたので、レコード会社、事務所、そしてバンド自身としても、気合を入れてリリースしたい作品なのだということも強く感じました。

とにかく、私は今作のアルバムに関して、多くの人に注目してもらいたい。

さて、ここまでバンドの紹介と、今作に対する私の驚きや気づきなど、多くのことを雑多に書いてきましたが、おそらくここまで異質なことまでして告知しているということは、いいアルバムであるという自信が恐らく本人たちにも強い作品だと感じます。

そんなこの初夏一番注目してもらいたい、私が一番愛するバンドGRAPEVINEですが、最後に、ボーカルである田中の壮絶なる生い立ちを感じさせてくれる名曲、「Wants」を紹介して終わりたいと思います。ご清聴ありがとうございました。またGRAPEVINEの記事を書いたときにお会いしましょう。


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