サイトを作るということにも、らしさを持って @yuka_lab12
LA BOUSSOLE(ラブソル)は小さい会社ですけれども、いろんな種類の事業があります。
基幹事業であるオリジナルグッズ・ノベルティの企画制作の次に生まれた事業が、「WEBサイトの制作」でした。
この事業は、アライアンスパートナーである児島くんとの出会いがなければできなかったことです。
大ちゃんと言えば、最近、イベントの集客のためのLP(ランディングページ)を数時間で作り上げ、公開後もアップデートさせて楽しい仕掛けを作ってくれました。
100万円以上を失った、苦い経験
私は、超文系人間です。これまでやってきた仕事も、飲食業、ウェディングプランナー、メーカー品質保証、IT営業といった感じ。サイトの制作には無縁でした。
会社を作ったとき「WEBサイトを作らなくちゃ!」となったものの、当然自分で作ることなんてできません。普通に検索して出てきた制作会社を比較して、発注しました。
今思うと、あの頃は人とのつながりもあまりなかったし、SNSで聞いてみるとかもありえなかったし…。そうなると、検索するくらいしかなかったんですよね。今だったらまったく違った行動を取っていたと思います。
制作会社の営業さんと打ち合わせをしてサイトを作ってもらうわけですが、まったくもってダメでした。自分たちがサイトで何をしたいのか、ゴールが全然描けていなかったから。
ユーザーとしてはいろんなサイトを利用するけれど、自分たちの事業をどう、誰に届けるのか、となると視点が違います。営業さんもそこまで深く付き合ってはくれないですから、消化不良なまま資料を埋めて渡して…、サイトはちゃんと出来上がりはしました。
でも、こんな状態ですから、納得いくものなんて出来上がるわけがないのです。なんとなく素敵に作ってはあるけれど、自分たちが見てもこのサイトで何をしたらいいのかわからなかったくらいです。
つけてもらったブログ機能も使う気にもなれず、ただただ放置…。その間に確か、一件か二件は問い合わせがきたかな? びっくりして、嬉しかったけれど、問い合わせは続きませんでした。
制作にかかったものと月額料金と、100万単位のお金が、ただ消費されただけでした。
「気づいたときに手放すこと」が一番コスパが良い
サンクコストという言葉があります。ファイナンスや経済学でよく使われる言葉です。既に回収が不可能であるコストを意味し、このサイト制作にかかった費用もサンクコストです。
これだけ費用をかけたから、もう少し出費したり運用を続けたりすることによって、これまで払った費用が丸々損しないで済むんじゃないか?
そんな考えにとらわれてしまう怖さが、サンクコストにはあります。しかし、この経営判断は「損している上に、もっと大損しよう」と判断しているのと同じなのですよね。
過去に使ってしまって回収できないお金は、既にサンクコストです。サンクコストに打ち勝つためには、「勇気を伴うあきらめ」が必要です。
4ヶ月もサイトを放置した後、起業した年の大晦日に私は突然「損切り」することを決めました。
その日は静岡にある夫の実家に家族で帰省していて、甘やかしてくれる両親だったので、かなり暇で(笑)
帰省には、なんとなく書店で買った「初めてのWordPress」的な本をお供に。本を買ってからというもの、ちょこっと読んでみて、ドメインだけ取ったり、それでも放置したりもして…。
そんなことを繰り返していたのですが、時間があったことと、新年を迎えるという節目が、突然私の心に「やってやろう!」と思わせてくれたのです。
大晦日の午後から新年を迎えるまで、ひたすらPCに向かい続け(どんな嫁だ)、私は唐突に自社サイトを完成させました。
既存のテーマを使って作ったので、本とGoogle検索だけで、まったくの素人だった私でも完成させることができました。
東京にいた共同代表の実加にも連絡して、初めて作った自社サイトを見てもらいました。見た目も内容も、心から喜んでくれてホッとしました。
自分で作り上げたサイトは、今思うと稚拙だったけれど、二人とも愛着が違いました。
ブログも書くようになり、やがて、きちんと問い合わせもそこから来るようになりました。
サイトは作るだけじゃだめなんだ。どんな人と一緒に作るのかも、サイトを作ってどうしたいかも大事だし、作ってからも本当に大事なんだ。
実地で学んだことです。私たちはお金を失ったけれど、貴重な経験を得たことは間違いなかったのです。
今できないことも、できる人と組めばいい
この経験から、サイトを作りたい! という人が身近にいたら、アドバイスをするようになりました。完全な素人だったのに、自社サイトを運営しながら得た知識が人の役に立つことにびっくりしながら。
そうしてみると、サイトの制作に困っている人ってたくさんいたんです。制作会社側との知識の差は歴然としているし、サイトでどうしたいかなんて初めからちゃんと言語化できる人の方が少ないです。
私たちと同じように困って、適当に作って後悔している人もいたし、作ろうにもどこに頼むのがいいのかわからなくてさまよっている人もいました。
だからといって、ラブソルにはお仕事として受けるほどのスキルはないし、当時はたった二人の会社です。ノベルティのお仕事だけで手がいっぱいでした。あまり力になれないことを悔しく思っていました。
そんな時に出会ったのが児島くんでした。彼は彼で、サイトの構築はできるけれど、クライアントさんにヒアリングすることやコミュニケーションを取ることが得意ではなくて困っていたのです。
ラブソルが窓口となりクライアントさんにヒアリングし、寄り添う。デザインも一緒に考える。児島くんが実際にサイトを構築し、公開後は保守運用をする。
違う会社だけれども、協業体制を作ることで新しい事業に取り組むことができる。信頼できる出会いがあれば、こんな仕事の仕方もあるものなのですね。
ラブソルだからできること、ラブソルらしさを模索していく
もうこの協業も何年目になるか…。これまでたくさんサイトを作ってきました。
サイト制作をきっかけに、毎シーズンの撮影も担当するようになったアパレルのグラン山貴さん。
大阪で活動しているNPO法人、Reジョブ大阪さん。リニューアル案件で、納期が短かったからどきどきした案件です。
デザインは先月入社したさよが担当するという新しいスタイルで挑みましたが、結果としてものすごく喜んでいただけてほっとしました。
もうすぐオープンするビストロのサイトも今、手がけています。お店の準備が整ったら色々と撮影をして、完成する予定!
サイトの制作なんて、やろうと思えば誰にだってできるのです。私にだってできたくらいです。
それこそ作ってくれる会社もフリーランスも、たくさんいる。それでもラブソルがやる意味を持たせられないのなら、やらなくていいのです。
私たちだからできること。
あの時、失敗した経験があるから、最初に考えておくべきことがわかる。だから、ヒアリングでは「届けたいもの・届けたい先」についてはしつこくお話しします。当事者でさえ言葉にできていないものを、一緒に探っていくこの過程はとても大切だと知っているから。
同時に写真や動画が撮れたり、ロゴデザインや名刺、会社案内なども作れたり、ノベルティが作れたりもしますが、それはおまけのようなもの。
ラブソル、そしてアライアンスを組んでいるクリエイターは、優秀かどうかはわからないけれど、クライアントさんのことを考え抜くクリエイターであることは間違いありません。
実は、積極的にサイト制作を受けているわけではないのですが、ここのところ立て続けに作っているので、書いてみました。
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LA BOUSSOLE
代表 柴山 由香
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