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置いてけぼりの想いに向き合えた「ブランドの根っこを見つめるワークショップ」 @miyakawa_nouen

皆さんは、自分の根っこに何があるか、気が付いていますか?
今、夢中になっていること、挑戦したいことの「核」が見えてますか?
私は、そんな大事なことを見失いかけていました。

北海道の江別市で130年以上続く農家で、主に販売など全体的な運営をしています。運営を担当しているとはいえ、前職が医療系の私は、何もかもが素人。
「ブランディング」という意味は、なんとなくは分かっているし、なんとなくの雰囲気、見せ方、は感覚的に持っていました。

ただ、その都度目の前のことに必死で、一貫して見ることは出来ていなかったり。特に、我が家は色々な野菜を作っているのもあり、商品ごと、季節ごと、さらには自分の気分で作る販促物の雰囲気が変わってしまったりと、悩みは尽きませんでした。

ただ昨年、思い切って外の世界に飛び出したことで、販促物のデザインの問題ではなく、ブランドの根っこの部分、コンセプト作りが出来ていないことこそが問題の根源なのだと気付きました。

そんな私が、ブランドに関するワークショップを通して気付いた「自分の根っこ」について報告します。


農園の中に、自分がいなかった

ワークショップでは、まず「ブランドカルテ」というものを作成しました。これは、ブランドを表す色と文字などを「自分視点」と「プロデューサー視点」でそれぞれ描きだし、可視化することでブランドのイメージをより具体的に、俯瞰的にとらえるというものでした。

自分でもカルテを作成し、他の方々のものを見て、驚きました。
私は、「個人視点」と「プロデューサー視点」がほとんど同じだったのです。

今まで、「裏方」として宮川農園の見せ方や企画などを考えてきました。私の信念は、「農園の主役は野菜と生産者である」というもの。
私は、あくまで裏方。イメージ的には、新人アイドルを売り出すマネージャーといったところ。マネージャーは、アイドルを輝かせることだけを考え、そこに自分の色や存在は出さない。

それと同じで、「農園」を考えた時に、そこに自分の存在や色は必要ないと思ってやってきた。その結果なのです。

必要なのは俯瞰じゃなく、自分も一員だと気付く事

ただ、最近、自分自身に変化がありました。
それは、「マネージャーという立場では、支えることはできても、自分自身の想いを形にしたり、誰かに伝えたりすることはできない」ということ。外から俯瞰して見えるモノは、「求められているモノ」だけで、「伝えたいモノ」は見えない。

熱は、中からしか溢れないのです。そして、その「熱」の核にあるものが、コンセプトだと思うのです。
私は、農園を「誰にでも合うキラキラ農園」にしたいわけじゃない。100年先まで「愛される」農園を作りたい。

でも、「マーケティング」が鼻で笑われる環境で、手探りで奮闘し、結果を出さなければと焦り、どこかで「一発逆転」を狙っていた。

数字に追われ「求められているモノ」にばかり目がいき、気付けば一番大切な「自分の熱」を置いてけぼりにしてきたのかもしれない、と気付きました。

答えは、自分の中にしかない


運営の仕事は、難しい。
一方で、外に出る機会が多いため、評価していただく声が届きやすい。しかし、決して個人の承認欲求のツールにしてはいけないのです。

宮川農園は、私の所有物ではない。そこにあるのは、一番大切な生産者と次世代を担うかもしれない子供たち、働いてくれる従業員、応援してくれるお客様、全て大事なパーツで組み立てられた、何にも代えられない組織なのだから。

だから、「やりたいこと」「できそうなこと」という個人的な想いではなく、「農園への想い、魅力、価値、愛情」を掘り下げて掘り下げて掘り下げて…、初めて「農園のブランド」が見えてくる

ブランドコンセプトの答えは、自分の中にしかない。ブランドの根っこを見つめるためには、ブランドを作る自分の根っこを見つめること。それを学び、気付くことが出来ました。

今まで、置いてけぼりにしてしまった「根っこ」を見つけ出す作業はとても難しい。
でも、それを見つけることで、自分も農園も大きく変わる予感がする。苦しいけど、同時に「大事にすべきこと、見つめる事が明確になる無敵感」にわくわくしている。

あと一歩で、本当のスタートに立てる予感がしています。
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執筆・バナー制作:宮川育美
編集:柴山由香
バナーディレクション:小野寺美穂

<弊社では、このようなブランドにまつわるワークショップのご依頼を受けております。>

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