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ホストクラブは超ビジネス社会!? ホストメディア編集長が業界外に知ってほしい、歌舞伎町のこと #羅針盤のつくりかた

ラブソルと縁のある方をご紹介するインタビュー企画・ #羅針盤のつくりかた

今回は、記事制作をご一緒するクライアントさんとして出会い、今は弊社オンラインサロン「喫茶ラブソル」のメンバーでもあるKさんをご紹介します。

お仕事は、ナイトエンタメメディアの編集長。
歌舞伎町を中心に、全国のホストグループやお店、ホスト個人にフォーカスし、紹介記事を取材・執筆されています。

演劇、アート、読書、音楽、猫…。彼女自身を知れば知るほど、「好きなもの」がたくさん出てきます。それらがありながら、仕事に選んだのは縁のない業界のメディア運営でした。

偶然出会った仕事と向き合う中で見つけた、仕事へのやりがいとは。関わりあうことで見えてきた、ナイトエンタメ業界のリアルとは。

喫茶ラブソルに入会してくれた理由も、お聞きしました!

<Profile>
horeru.com 編集長 Kちゃん
大学時代に映画演劇業界に足を踏み入れ、その後はファッション業界・スペース運営・IT業界などを経験する。転職活動時の縁により、ナイトエンタメメディア horeru.comの編集チームの一員となる。「ナイトエンタメへの知見がない自分でいいのか」と悩みつつも、多種多様なバックグラウンドを持つ創設メンバーと共に働くことに魅力を感じ、現職へ。現在は編集長となり、同時に運営会社の取締役も務めている。仕事を選ぶ上での信条は「呼ばれたら、行く」。好きなものは、アート鑑賞と猫。

「面白そう」の気持ちを大事に。偶然の中に、やりがいを見つける

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ーまずは、Kさんのお仕事についてお聞きしてもよいですか?

私はhoreru.comというナイトエンタメメディアの編集長をしています! このメディアは、歌舞伎町を中心としたホストグループ、お店、ホストさんに関する情報発信をしていて、「ホスト業界の明るいニュースを伝える」ことを信条としています。

立ち上げ当初は、業界のニュースやお店ごとのランキングなどをまとめて発信していたのですが、ここ一年は取材の御用命が増え、horeruオリジナルのコンテンツも増えてきました。

編集長としての仕事は営業の割合が大きく、契約してくださっているホストグループさんの広報担当者と企画の打ち合わせをしたり、取材記事の際は私が取材して執筆をしたりしています。また、horeru編集長としてのTwitterアカウントの運営もしています。

ーメディアの顔として、クライアントさんとお付き合いすることが多い印象ですね。もともと、ナイトエンタメ業界での仕事を志望していたのですか?

いえ、他業種からの転職を考えていたときにたまたまお声がけいただいて、詳しく話を聞いて初めて、ナイトエンタメを取り扱うことを知りました。当時は「業界のことをまったく知らない自分でいいのか」と悩みましたが、創設メンバーが全員他業種から集まっていることを知り、「この人たちと一緒に新しいことに挑戦するのは楽しそう」と、参画を決めました。今はhoreru.comの運営を会社ごと引き継ぎ、運営会社の代表取締役も担っています。

ー「面白そう」という感覚で動けるところ、すごく好きです(笑)。ちなみに今の業界でのキャリアはどれくらいですか?

ちょうど3年目に入りました。打ち合わせや取材をするようになったのは、ここ1年ほど。最初の半年は業界を知るところから始め、少しずつイベントなどに顔を出させてもらうようになり、本当に、一歩ずつ進んできた感じです。

実は取材記事の執筆も、horeru.comのお仕事で初めて経験したんです(笑)。「取材依頼をいただいたけど、誰が取材する?…私?」という感じで(笑)。

ーそうだったんですか! Kさんにお会いした時はすでに「編集長」の肩書きだったので、経験をお持ちなのかと思ってました!

編集長という肩書きが先行していましたね(笑)。編集も未経験からでしたし、業界の方々との交流が少しずつ増えたことで、業界にも明るくなっていると思います。

時事ネタやホストさんたちの興味関心に関する情報収集ができるようになった今、それらを使って、「horeruというメディアがナイトメディア業界にできることはなんだろうか?」と、日々考えています。

ー何も知らない業界に飛び込んで、不安はなかったんですか?

仕事について話すと、「どうしてその仕事をしているの?」「ホストが好きなの?」とは、本当によく聞かれます(笑)。知識がないことは確かに不安でしたけど、何も知らない私だから伝えられることがあるんじゃないかな、と今は思っています。

horeru.comを見てくださる読者さんは、ホスト業界をよく知らない方が多いです。そういう方に「こういう世界があるんだな」「一回遊びに行ってみようかな」と興味を持ってもらえることが一番嬉しいので、あえて詳しくない「私の目線」から書くことを心掛けています。

ー「Kさんの目線から伝える」、これがとっても素敵なところですよね。

もちろん、「その記事を女の子が読んだときに、ホストさんに会いたいと思ってもらえるか」「お店として、打ち出していきたい魅力は何か?」など、あらゆる目線から考えることも大切です。「まず気になってもらう」ことを意識しながら、価値のあるコンテンツを制作していきたいと思っています。


ホストクラブとは、ビジネスによって作り込まれた「非日常空間」

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ーこの記事を読まれる方もホスト業界に明るくない方がいらっしゃると思うのですが、Kさんから見た業界は、どのような印象ですか?

業界を知っていく中でまず感じたのは、「思ったよりも怖くない」という印象でした。そして、すごくビジネス社会ですね。

ー「ビジネス社会」、ですか。

ラブソルさんとお仕事させていただいている『ヒカル通信』の取材記事を読んでいただけたら伝わると思うのですが(笑)、今業界で成功を収められている会社さんは、完全にビジネス組織として成り立っているところが多いです。

ホストクラブって、お店やグループごとの文化がとても色濃いんですね。どのホストクラブも、日常生活から切り離した「自分から飛び込んでいける非日常空間」をいかに作り込むかに注力されています。そして、そこに立つホストさんたちは、その場に相応しい振る舞いや人間性を求められます。

内情をあまり知らない方は、つい男女の色恋の面に目がいってしまうかも知れませんが、私から見たホストクラブは人と人とのつながりの場なのだなと認識しました。そのコミュニケーション術には、社会人として学ぶことも多いです。お客様との向き合い方、仕事への向き合い方に圧倒されて、「私たちに何ができるんだろう」と悩んだこともありました。

「ヒカル通信」とは…歌舞伎町でも社会派と名高く、「人間教育」を掲げるGroup BJの一条ヒカル社長の対談企画。他業界のトップランナーや文化の異なるホストグループ代表との対談を通じて、業界をこえたビジネスの本質に迫る企画。


ーどのような仕事でも、「私、役に立っているかな」と感じてしまうこと、あると思います。どうやってそれを乗り越えたんですか?

実は、コロナ禍によってナイトエンタメ業界全体が厳しい状況に晒された時、その悩みはどんどん大きくなっていったんですね。でも、そのような状況下でもお会いするホストさんたちは「困難な状況をどう乗り越えるか」「何をしたら、魅力が最大限引き立つか」に一生懸命だったんです。

それを見ていたら、「私がクヨクヨしている場合じゃない」って、奮い立たされたんですよね。

今思えば、ただ自分の仕事に自信がなかっただけなんですよね。

ー自信。

緊急事態宣言により営業中止が余儀なくされた頃、私たちのメディア運営もどうしていくべきか、すごく考えました。私たちもビジネスである以上、売上は立てなければならない。そのためには、掲載してくださるホストクラブを増やさなければならない。だから、「こういうメディアをやっています。情報を掲載しませんか?」と、ホストクラブさんに直接飛び込み営業をしていたんです。

仕事として必要なことであると理解しながらも、同時に「みなさんそれどころじゃないだろう」と、自分の仕事に自信を持てなくて。決してお金を儲けたい一心ではなく、「こういうメディアがあるから、何かお役に立てませんか?」と知って欲しい気持ちが大きかったのですが…。

その狭間で、ずっと苦しさがありましたね。

ー誰が悪いわけでもないけど、それは苦しいですね。

でも、そのような状況でもhoreruとお仕事をすることにメリットを感じて契約してくださる方たちがいました。彼らとの会話の中で、「horeruに足りないもの」を感じ取り、さらには経営者としての矜持まで教えてもらった気がします。

あらゆる業界に通じる「サービスの本質」を学び、「ビジネスとして成り立っているホスト業界」の現状を発信していきたいと、強く思えるようになりました。

ー確かに、ホストという職業が存在し続けているということは、求められるサービスであるということですもんね。

horeruのお仕事をするようになって、初めてホストクラブにいった時に「こんなに女性向けのエンタメに特化した空間があったんだ」って感動したんです。「こういう場所があることを知らないことがもったいなかったな」って。

誤解を与えないようにお伝えしたいのことは、「お金をかけずに楽しめる」とはちょっと違うんですよね。世の中のどのサービスも同じかもしれませんが、「ケチればケチるほどもったいない世界」かもしれないです。

ただ、お金がないから遊びに行けないというのも、もったいないなと思っていて。どのホストクラブさんも初回は安価で体験できる機会を設けているので、horeruとしては「一度覗いてみてはどうですか?」というのが、ご提案ですね。

極端な夢ですけど、20歳以上の女性たちがhoreruの記事を見て、1回はホストクラブを体験しにいく、くらいの流れになったら嬉しいですね。

仕事とは、「人の役に立つために取り組むこと」

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ー今後、horeruの編集長として取り組んでいきたいことを教えてください。

「他の業界とつなぐ」ことを、実現していきたいです。ナイトエンタメ業界は、まだまだ「閉じている」と感じます。かと言って、偏見だらけかというと決してその印象もなくて。

実際、私の仕事内容について話すと、多くの方がナイトエンタメについてポジティブな興味を持ってくださるんですね。「体験してみたい」って、女性に限らず男性も言ってくれるんですよ。

知ってもらえさえすればもっともっと可能性のあるエンタメだと感じているので、第三者である私だからこそできることを考えて、実行していきたいです。

ー「他の業界とつなぐ」、Kさんだからこそ生み出せる価値かもしれませんね。

そうだといいなぁ、と。業界の人間じゃないから、本当に深いところまで知ることはできないかもしれない。だけど、業界全体を俯瞰してみた時に、一番詳しいコンシェルジュのような存在にhoreruがなれたらいいなと思っています。

グループの垣根を越えて活動することで、業界全体の流れを外から把握できる立場でもあると思います。そういったこと視点から、業界のお役に立てていけたら嬉しいです。

ーそこまで、「役に立ちたい」と思える理由は、なぜでしょうか?

私の目で見たナイトエンタメ業界は、素晴らしい取り組みをしている方が多いからです! だから、業界の人たちが自分たちがいる業界を「こんな業界だから」と話すことが私は悲しくて。「そんな業界じゃないですよ!素晴らしいですよ!」ということを、メディアの力を使って広く伝えていきたいですね。

「自分の好きなこと」を、楽しむ時間を持つ

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ー2021年6月から、弊社のオンラインサロン「喫茶ラブソル」にご参加いただいていますよね。どのような理由だったんですか?

今、メディアの編集長として取材やライティングをしていますが、ずっと独学できてしまったので、第三者の方からの意見をもらいながら実践的に学べるところがあったらいいなと考えて、入会しました。

仕事では記事用の写真を撮ることも多いので、カメラや現像についても学びたいですし、もともとアートが好きなのでデザインも学びたいなと。あとはこの状況下、家で一人で仕事をする時間が多いので、家族以外の仲間を増やしたかったこともあります。

ーKさんの豊かな「好き」の数々、素敵だなといつも感じています。つい塞ぎ込みがちな世の中なので、そういうきっかけで仲間になってくださったことがとても嬉しいです! ちなみに、好きなことを仕事にしたいとは考えていないんですか?

好きなものは確かに多いですね。仕事にするかどうか…そうですね。私にとって働くことは、人とつながり、笑顔を生み出すことなんですよね。いかに自分が役に立てるかとを重視してしまうタイプなので、「好きなもので稼ぐ」よりは「自信を持って人の役に立てる仕事をして稼ぐ」の方が、今は理想ですね。

ーなるほど。その考え方、とっても素敵です。

あとは、働くって「育てること」なんじゃないかなと、最近感じていて。

ー育てること?

まずは、私がいる環境を、私がいなくても組織として仕事が回っていくように後任を育てていく。やっぱり、自分が愛情を持って携わってきた仕事や環境が、自分がいなくなることで0になってしまうのは、もったいないですから。今は編集長として私が打ち合わせなどに出てしまっていますが、そういった面も一緒に担ってくれる存在を育てていきたいですね。

ーチームで運営していく、ということですね。

近い将来の話ではないですけど、horeruに共感できる人が増えて、チームとしてメディア運営を任せられるようになることが最優先ですね。

そうなった時に、自分の好きなことを仕事にすることは考えていけたらいいなと。今は、趣味がてら「何が好きか」を知るために、面白いことに挑戦していきたいです。

Kさんが編集長を務めるhoreru.comはこちら!

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取材・執筆:柴田 佐世子
編集:柴山 由香
撮影:池田 実加
バナー制作:小野寺 美穂

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