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「いつまでも 元タカラジェンヌじゃいられない。」星乃あんりが第二の女優人生で目指す夢 #羅針盤のつくりかた

元・タカラジェンヌ。“星乃あんり”という一人の女優が、第二の人生を歩み始めて3年が経ちました。

2017年、娘役として9年間在籍した宝塚歌劇団 雪組を退団。イタリアへの短期留学を経て、芸能事務所に所属しない“フリーランス”の女優というキャリアをスタートしたあんりさん。2019年にはご結婚もされました。

2020年2月に自身のOFFICIAL SITEを開設し、SNSやnoteでの発信も積極的に行っています。

「宝塚歌劇団」という憧れの場所を飛び出した先、なぜフリーランスとして活動していこうと思ったのでしょうか。新しい場所へ飛び出す不安はなかったのでしょうか。夢を叶えた先に見つけた、あんりさんの新しい夢をお伺いします。

<ラブソルとの出会い>
あんりさんがイメージモデルを務めるアパレルブランド・グラン山貴さんの撮影やONLINE SHOPのWEB制作を、ラブソルがご一緒しています。2020年2月にオープンした「ANRI HOSHINO OFFICIAL SITE」の制作・ポートフォリオ制作・ファンイベントの企画運営など、これからフリーランスとしてさらに活躍の幅を広げるあんりさんのサポートをしていきます。


宝塚歌劇団を卒業、フリーランスの女優としての道へ

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ーあんりさんは宝塚を退団後、芸能事務所には所属せずフリーランスで活動されているのはなぜですか?

星乃:退団後、どう生きていこうと迷っていた期間が1年ほどありました。自分がやりたいことが定まらなくて、このままじゃダメだと、思いきって行きたかったイタリアへ3ヶ月間の短期留学。そこで“個”を持って生きていきたいと感じたんです。

ー今の時代「“個”を持って生きたい」と願う人は多いような気がします。なぜあんりさんもそう思ったのでしょうか?

星乃:イタリアで出会う人達が文化も考え方もバラエティに富んでいて、自分がすごくちっぽけだなと感じて。向こうの人達は自分の好きなものと嫌いなものを知っていて、ファッション一つとっても、はっきりと「私はこう生きる」と感じられる。組織に合わせるのではなく個性が際立っている空気が心地いいなと、帰国した時自然と、フリーランスで頑張ろうと決めたんですよね。

ー不安はなかったですか?

星乃:めちゃめちゃ不安でした。コネクションもないのに突然フリーランスになり、お仕事がある月もあれば、ない月もある。道を歩いていると、周りの人たちがうらやましく感じることもあって。「この人たちはみんなやるべき仕事を持っているんだよな」って。これまで頑張ってきたつもりだったけど、すごく怖くて。やっぱり安定した仕事についた方がいいんじゃないかと思って、事務系の仕事もやってみました。

ーえ! あんりさんがですか?

星乃:イタリアに行く前の3ヶ月くらい、アルバイトですけど事務を。ネットで求人を探しました(笑)。

ー勝手なイメージですけど、元タカラジェンヌの方はそういうことはしなそうなので、流石にびっくりしますね…(笑)

星乃:人に聞いたり頼ることがすごく苦手なんです。相談してその道が合わなかったら申し訳なくて…。基本的には自分で調べて、自己責任でやりたいタイプなんですよね。

“ご縁”がわたしをここまで連れてきてくれた

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ーイタリアから帰ってきて1年半、今はどのようにお仕事をされているんですか?

星乃:舞台を中心に活動していて、他にはウォーキングレッスンの講師や、アパレルブランドのグラン山貴さんで「Anri Select」というWEB上のセレクトショップを持たせてもらっていて、そのモデルもしています。ありがたくもご紹介からはじまるお仕事が多いですね。

グランさんも、ヘアメイクを担当してもらっている奈良原さんからのご紹介ですし、奈良原さんとの出会いも、宝塚退団の時にお世話になったバッグブランドの方からのご縁でした。

Web番組のリポーターを4本ほどさせてもらっていた時に、そのお仕事の帰りの飛行機で奈良原さんと隣の席になったんです。「これからフリーランスとしてやっていきたいんだけど、どうしよう」って相談したのがきっかけで。

ー 人に相談するのが苦手だったと言っていましたが、なぜ相談できたのでしょうか?

星乃:私、心開くまでは時間かかるんですけど、「好きだな」と思ったらフルオープンなんです(笑)。グランさんの撮影で今度はラブソルさんと出会って、今年は公式HPを作っていただいたり、単独ライブの企画も進んでいます。本当に、ご縁ですね。

ーなるほど…。ちょっといじわるな聞き方をしてしまうと、「ご縁です」で仕事がうまくいくほど、フリーランスは甘くないと思うんですよね。何か絶対、呼ばれる秘訣があると思うのですが…?

星乃:うーん…。大切にしているのは、どんな仕事でも学べることはたくさんあると考えて臨むことでしょうか。お仕事をいただけるのは、本当にありがたいことです。そこで得るものは絶対にあって、もし「ちょっと合わないな」と思うお仕事があったとしても、嫌だと切ってしまっては、学んだことまで無駄になってしまう気がするので。

ー表現者としての実力を持ちながらも、出会った方への感謝を忘れない、ということですね。

星乃:そうですね。でも私、表現は上手じゃないですよ! 宝塚音楽学校時代の成績はずっと真ん中、飛び抜けるものを持っていない、コンプレックスの塊でした。なにせ宝塚にいる頃は「できていない」って怒られてばっかりだったので…。

ー意外です! 歌も踊りもお芝居も、全て器用にこなせるタイプかと思っていました。

星乃:「舞台に立った方が自由に表現するよね」とは言われていましたけど、「なんでこんなにできないんだろう」ってずっと自信はなかったです。でも、上手じゃないけどやっぱり好きで、これからもお芝居はずっとやっていきたいって思ってしまうんですよね。


宝塚は捨てなければいけないと思っていた

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ー宝塚時代と卒業してからと、お芝居で違うところありますか?

星乃:宝塚は舞台の中でも特殊な表現が多い世界だと思います。約10年間いたことでそのお芝居の型が染み付いていて、外の世界では浮いてしまうなと最初は感じました。

ーあるタカラジェンヌの方がTVドラマに出演した時に、「目力を消してくれ」と言われたエピソードを聞いたことがあります。

星乃:私もTVドラマのワークショップを受けたことがあるのですが、映像では目線を軽く動かすだけでも表現になると聞いて驚きました。どうやったらうまくなるんだろう、伝わるんだろう? って悩み続けて。でもそんな時にお芝居への考え方が変わる出会いがありました。

ーどんな出会いだったんですか?

星乃:去年9月にずっとやりたかった「ストレートプレイ」と呼ばれるお芝居だけの舞台に出演したんです。歌や踊り無しで、育ってきた環境が違う演者さんたちとお芝居をする。すごく刺激的でした。

ー歌や踊りがないというのは、かなりのチャレンジですよね。

星乃:その作品に出演が決まる少し前に、ある演出家の方のワークショップに参加したんです。扱っていた題材が難しかったのもありましたが宝塚以外のお芝居をしたことがない私は、戸惑いと焦りしかありませんでした。

その時に、演出家の方に言ってもらえたんです。「これまで宝塚で培ってきたものを捨てる必要はないよ」と。「宝塚で学んだことは自分が持っている一つの技術」として持ち続けながら、新しく出会う舞台や俳優さんから新しいスタイルを習得していけば、持っているスタイルは2つになる。それがすごく胸に残って。

私、宝塚は捨てなきゃいけないと思っていたんです。

かといってまた0から学び直すには、技術的にも精神的にも不安でした。この言葉のおかげで、場面によって技術の引き出しから取り出せるように、新しいものを加えていったらいいんだと、その後楽な気持ちで舞台に挑めたんです。

ーそんな風に考えられると、新しいところにいくのは怖くなりますね。私たちまで、勇気をもらえるようです。

星乃:これからやりたいことが、たくさんあるんです。T Vドラマにも挑戦したいし、和装が好きなので時代劇や大河ドラマにも出てみたい。今年はラブソルさんにお手伝いをお願いして、単独ライブをします。

歌も現役時代はすごく苦手だと思っていたのですが、外に出た今、また違う歌い方がお見せできると思うんです。ジャンルに縛られず、挑戦していこうかなと思っています。

SNS全盛期に、あえて「自分の名刺」をつくる

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ーあんりさんはSNSで積極的に発信をしたり、最近はnoteもはじめましたよね。そもそもなぜ、公式HPを作ろうと思ったんですか?

星乃:舞台に出演するとキャスト紹介が載ったHPが作られるんですけど、そこに載せるURLがずっとInstagramだったんです。プロフィール・経歴・やりたいこと…SNSだとちょっとわかりにくいじゃないですか。

「自分がこういうものです」という名刺代わりになるもの
が欲しかったんです。それこそどこかで「星乃あんり」を知ってくださった方にも、これを見てもらえれば私のことを深く知ってもらえる。公開してから見てくださった方にすごく褒められるんですよ、それが嬉しくて!

ーそのお言葉、わたしたちも嬉しいです!! ポートフォリオを兼ねて写真をたくさん使ったHPなので素材が大切だったのですが、それこそグランさんやこれまであんりさんがお仕事されてきた方たちが快く提供してくださって、改めてあんりさんは愛されているんだなと感じました。

星乃:ありがたいことですよね。感謝しかないです。このサイトの制作中、ラブソルさんでのミーティングの時に「自分の世界観で作り込んだ単独ライブをしたい」という夢を話したら「やりましょう!」と企画運営までご一緒していただけることになったんですよね。「これからも表現し続けたい」というわたしの夢が、またひとつ叶います。

演出家の方や歌を一緒に歌ったりピアノを弾いてくださる方たち…これまでお世話になった方々との関係も続いているので、一緒に新しいことが出来たらなって、すごく楽しみなんです!

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ー素敵ですね。あんりさんのお話を聞いていると、フリーランスって、ずっとひとりで頑張るわけじゃないんだなと感じるんです。

星乃:そう!そうなんです。たくさんのご紹介やご縁があって、これまでお仕事をしてこられました。

ライブ会場を探す時も「昔出演したあの会場が素敵だったな」って思いついたり、ピアノを弾いてもらうならあのお仕事でご一緒した彼女にお願いしたい! ってパッと頭に思い浮かぶ人がたくさんいて。本当に、たくさんの方に助けていただいてきたので…。

宝塚退団直後の自分からしたら、信じられない状態だと思います。全くひとりだと思わないんです。

ー仲間がどんどん増えていく感じなんですね。

星乃:昔から「なにがしたいの?」と聞かれることがずっと怖かった。「何がしたいかはわからないけど、目の前のことは一生懸命やります」と頑張ってきた頃から、今になってようやく「わたしはこれがやりたい」が生まれてきた気がします。

わたしはこれからも表現をしていきたい。そして、これまでいただいたご縁を違う形に変えて、繋いでいく。それがわたしの次の夢ですね。

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2020年1月に、ラブソルがお手伝いをしたあんりさんのファンミーティングで、2020年を表す漢字を「繋」と書いていました。

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全然関係ないんですけど、「繋」を色紙に書かれている時の、所作の美しさたるや…。可憐なばかりかと思いきや、自分の人生をまっすぐ見つめ感謝と共に生きる凛とした素敵な女性です。ラブソルはこれからも、応援し続けます。(撮影:池田 実加)


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▪ANRI HOSHINO OFFICIAL SITE

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星乃あんりさんの宝塚歌劇団との出会いから入学に至るまでのお話も、読むことができます。


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執筆:柴田 佐世子
編集:柴山 由香
写真:稲垣 純也
撮影協力:Petite maison de Harry

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