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円安をチャンスに変える!ものづくりの会社が今やるべきこと @mikaikeda6

GW真っ只中、みどりの日にこの原稿を書いています。

GWと言えば、一年の中でも夏休みや年末年始と並んで海外旅行に出かける人が増える時期です。

2018年に台湾に行った際の飛行機 当時は1ドル112円でした

しかし、2024年GWに海外旅行に出かける日本人の数は、コロナ前の2019年から半減したままだそうです。

コロナ渦がようやく終わり旅に出る人は増えたものの、このタイミングで円安が進み、海外へ行くハードルが高くなりました。

こんな世の中ですが、旅に出ることをやめたくない。コンテンツ制作会社ラブソルの旅好き取締役、池田です。

東京が安い観光地ランキング4位に!? 私たちはその事実を受け止める必要がある

海外旅行に出る日本人が減っている原因は、言わずもがな「円安」の影響です。

今の円安は、2022年の3月頃にはじまったと言われています。3月上旬まで1ドル115円前後で推移していた為替相場が、4月下旬には約20年ぶりに、1ドル131円台と円安方向に傾き出しました。

調べて書いてみたものの、今の状況からしたら131円はかわいいものという感覚になりますね。

イギリスの国有企業であり郵便事業を担うポスト・オフィス社が毎年発表している「休暇の価値が高い旅行先トップ15」で、東京が4位になったというニュースを最近耳にしました。

六本木ヒルズ屋上の展望台から撮影した東京タワー

休暇の価値が高いランキングと言いますが、現地の物価の安さをもとに順位付けしているため、実質的に滞在費用の安い都市ランキングとなっているのだそうです。

つまり、我らが東京が、世界の中で安い観光地の上位になっているということ。

円安なのはわかっていても、やはりちょっとショックを受けてしまいます。

海外の方々は、安くて安全で食べ物も美味しい日本に押し寄せ、日本人は海外に出たくても出られないという状況です。

私は、コロナが明けて海外旅行が解禁になって以降、海外に出続けています。
2023年は、1月・5月・11月と3回ハワイに行きましたし、2024年はまだ韓国に行ったのみですが、今後も計画しています。

確かに、航空券やホテル代、現地の食事代など、以前と比較して高いなとは感じます。
しかし、どうしても行きたければどうにかして行けばいいと思っています。

ハワイに行った際も、航空会社のセールを狙って飛行機を取ったり、宿泊はAirbnbとホテルを組み合わせ、ホテルは為替の影響を受けないポイントで宿泊。現地ではスーパーで食材を買って自炊も取り入れる。
快適さを失わずに、できるだけコストを抑えるようにして楽しみました。

そんなわけで、プライベートではそこまで大きく円安の影響を受けているとは思っていません。

しかし、旅行業界だけでなく、私の仕事においてもじわじわと円安の影響を感じつつあるのです。
こちらは、はっきり言って大問題です。

パスケース1つが、1725円から2295円に!為替の切実な問題

私の仕事はオリジナルグッズやノベルティの制作、OEMでの商品制作。企業や学校などからの依頼を受け、ものづくりをしています。

自社で工場を持ってはいません。制作するアイテムにより、都度ベストな工場を選定しています。

その中に、長年たくさんのアイテムを制作してもらっている中国の工場があります。本革アイテムを製造する工場で、革の質も縫製の技術も高く、さらに担当者とのやり取りもスムーズなので、本当に何度となく制作を依頼してきた工場です。

この工場は中国にあるのですが、支払いのやり取りはドル建てで行います。そこで、ダイレクトに円安の影響を受けることになります。

中国の物価や革の価格高騰の影響もあり、そもそもの価格が上がっていることもあります。
例えば、全く同じパスケースが、5年前は15ドルだったのに、今は18ドルするなど。

しかし、それ以上に影響が大きいのが、やはり為替問題。

15ドルのパスケースが、1ドル115円の時代であれば1725円のところ、5月4日時点だと1ドル153円なので2295円になってしまいます。

この差はなかなか大きい!

これはあくまで原価ですので、ここに利益や送料を加えてお客さまに提案することになります。

しかも、制作するのは1点ではなく100個・500個などまとまった数になるため、掛け算していくと、さらに大きな差を感じるようになります。

お客さまにはなるべく受け入れられやすい価格で提供したいですが、会社である以上利益を削るわけにはいきません。

こちらの工場は、品質で他を圧倒しているので依頼は続けています。
しかし、まだまだ円安が収まらない今の状況を見ていると、そのうち依頼できなくなるかもと考えることもあります。

ピンチをエネルギーに!今こそ未来のための種を蒔くとき

危機的な状況になると、いつも思い出す言葉があります。

Don’t put all your eggs in one basket.:卵を同じカゴに持ってはならない

投資の世界で使われてきた欧米の格言です。

卵を1つのカゴに盛ると、そのカゴを落としたら全部割れてしまう。複数のカゴに分けて盛っておけば、そのうち1つの籠を落としても、他の籠に盛られた卵は守られ、やがてヒヨコが生まれ、鶏に育つ可能性があるという意味です。

ハワイのガーリックシュリンプ屋さんの近くにいたニワトリとヒナ

改めて、いくら良い工場だからといっても一つのところに頼りすぎず、常に開拓が必要だと感じます。

いつどの国で何があるかわからないのだから、中国に限らず、他の国にも工場を持つ必要があります。
それに、市場は日本だけとも限りません。世界に販路を開拓できたら、為替の影響も最小限にできます。

事業をしている者として、円安は確かに痛手です。
しかし、だからといって嫌だ嫌だと言っていても1ミリも改善しません。

2019年に訪れたカンボジアでジャンプ! ちなみにこの時は1ドル110円だったようです

ピンチはチャンスにもなりうると思っています。

先ほど書いた、新たな海外取引先の選定や海外への販路開拓などは、まさにチャンスです。

円安でなくても、取引先や顧客については常に探りたいものですが、日々の忙しさでそうそう未来の活動ができるものではありません。

しかし、ピンチの状況だとその優先度合いが高まり、気持ちも入ります。

もちろん、問題やリスクはあります。
海外工場は、その国ごとの商習慣があり、日本で当然と思っていることが通じないこともあります。何度かやりとりをしてみないと、本当に信頼できる取引先かわかりません。

また、海外の顧客を増やしていくには、送料の問題や支払い方法の問題などがあり、一筋縄にはいきません。

それでも、人口が減り続け円安が止まらない国内だけに目を向けるよりも視野を広げていきたい。
この困難な状況をどう生き抜くか、波に飲まれず乗り越えられるか。2024年、真剣勝負です。


池田 実加 ▶︎ SNS...X(旧Twitter)

<ラブソルへのお仕事依頼についてはこちら>


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