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生きた温度を感じる言葉 2023/10/19~25

2023/10/19(木) はれ 


今日は油山近くで仕事。油山は福岡天神から車で40分ほどで行ける。そこからの景色は福岡を見渡せてハイキングやデートコースの定番でもある。

森の中で働くのはすごく気持ちよかった。季節的に暑くも寒くもなくて、ゆっくりと時間が流れていた。都会的なエネルギーから隔離され、目の前にあるのは自然と仕事だけ。

自分の仕事に集中できる。逃げ場がないから仕事と向き合うしかないとも言える。でも限られた状況だからこそ、奥行きはどこまで深い。

いつか森の中でセミナーを開催したい。心を深く扱った後に、都会的なエネルギーではなくて、自然のエネルギーの触れることで、ゆっくりと自分の心を感じてもらいたい。

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夜は高校時代の同級生と飲みにいく。卒業して以来初めて飲む。
学生時代にはそんなに絡んでいなかった。

それまで交わらなかったけれど、話していく中で共通点や同じ想いを見つけていく。それぞれ挫折したり、悩んだりした日々があった。

「もっと早くこんな機会があれば良かった」と思いながらも、このタイミングだからこそ良かったのかもと思う。

焦って悔しくて空回りした日々も、こうやって繋がっていく。

人生の灯台となる光は現在進行形とは限らない。
過去の生きた道が誰かの「今」を照らすことがある。

2023/10/20(金)


昨日の飲み会の酒が残っている。今日は一日オフにしといて良かった。

お酒は強い方だけど普段はあまり飲まないようにしている。カウンセラーは自分の体が資本で、代えが効かない。自分の体を大切にすることがお客さんを大事にすることに繋がる。

今日は体をダラダラさせてあげる日にした。好きなことをしたり、好きなだけぼーっとしたり、と。「何かしたくなる病」は今日はお休みに。

「映像研には手を出すな!」という作品に好きな言葉がある。

「必要以上に働かない!隙を見つけては遊ぶ!」
「いい仕事は、いい遊びから」

映像研には手を出すな



2023/10/21(土) はれ 


日記を書く時間が取れない時がある。

物理的に時間を見つけられないこともあるが、精神的に余裕がないこともある。仕事モードがオフにならないと、日記モードにならない。

1日の仕事が終わって、仕事モードをオフにしても、日記モードがオンにならないことがある。ずっと稼働して熱くなったエンジンを冷ますみたいに、頭を冷ます時間が必要になる。

何かしたいけど何もできない時間。

それを昔はただのムダな時間だと思っていた。「せっかちさ」もある。思いついたことはすぐに行動したいし、やり残した宿題が溜まっていく感覚が嫌だった。

エンジンを冷やすには時間が必要で、そこで無理に稼働すると、またエンジンが熱くなる。昔はそうやって無理を続けていたけど、加熱しすぎたエンジンは次第に思い通りに動かなくなって、いつかは長い休養が必要になる。

それこそコスパが悪い。自分に搭載されたエンジンを上手に乗りこなさなければ。

集中して熱を高める時も。エンジンを冷ます時も。細かく整備してあげる時も必要だ。

2023/10/22(日) はれ 


ヨットに乗りにいく。

学生時代の友達が仲間とヨットをシェアしている。ヨットはお金持ちの遊びというイメージだった。でも、友人は格安のヨットを探し出して、仲間とシェアすることで自由な海の旅と時間を手にした。

波と風に優しく揺れるヨットに乗り込む。今日はヨットデビューするには最高にいい天気、いい風だった。沖に出て帆を出して風の力で進んでいく。

ただ風を浴びながらぼっーと海と遠くの景色を見る。最高に気持ちいい。サウナと水風呂で「ととのう」ことがあるけれど、ヨットもそれに近い。心と体が解放されて癒されていく。

癒されるのは制限がない状態、制限を感じない状態だ。

制限は緊張とストレスを生む。

社会で生きていくことは、いろいろな制限が伴う。
その制限から解放される時間が「癒し」になる。

キャンプで焚き火を囲むカウンセリングがあるらしいけど、ヨットバージョンもよさそうだ。それくらい波に揺られて、風を浴びるのは気持ちいい。

少し舵を握らせてもらう。
風の変化に合わせて舵を切っていく。微調整しながら大きな船を動かす感覚が新鮮で楽しかった。真っ直ぐに進んでいると思っていても、風向きがすぐに変わる。

人間は自分の進路をすべてコントロールできない。風の力を受けて微調整を繰り返しながら、目的地に進んでいく。追い風、向かい風がある。風がすべて思い通りではない。でも、目的地に進んでいける。

能古の島に上陸して少し休憩をする。日曜日のこの季節はコスモスを観に来る家族連れやカップルで溢れていた。

たった3時間程度の海の旅だったが、それ以上に感じられたし、あっという間だった。

2023/10/23(月)


感動が言葉になるまで時間がかかる。

今日は人間椅子のLIVEに行った。1987年に結成されたロックバンドだ。YouTubeでキングクリムゾンの「21st Century Schizoid Man」をカバーする映像を見て衝撃が走った。

いつかLIVEに行ってみたい.。
その夢が叶った。

腹の底から揺さぶられる。
それぞれメンバーの濃縮した生き様をぶちかますようなサウンド。

祭りのように。生と生のぶつかり合いだった。表現することに真っ直ぐに。オープニングからその迫力に胸を鷲掴みにされた。気付いたら笑っていた。

「34年目活動してきて、今日は福岡で1番客が入ってます」

その言葉を聞いて涙がこぼれる。自分達の音楽を貫いて貫いた先にファンを増やし続けている。信じた道に真っ直ぐに。


万人受けすることが素晴らしいことではない。100人いたら、いや1000人いたら、その中の1人におもっきり刺さる。そんな音楽も、言葉もある。

1000人の中の1人がたくさん集まってくれれば、100人にも1000人にもなる。

「売れているものが良いものなら、世界一のラーメンはカップラーメンになっちゃうよ」

甲本ヒロトも言っていた。

2023/10/24(火) はれ


組織の中にいると守れられているのと同時に甘えてしまう。

一人暮らしの家では自分でやるのに、実家に帰るとつい親に甘えてしまうことに似ている。

組織にいると「動かなくていい理由」や「動けない言い訳」を作ってしまう。
でも、独立している人や起業している人たちと話をしていると、すごく動いている。動き続けている。

独立することは動ける自由を手にすることで、動き続けることだ。


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時折しっかりと「自分がおバカである」と思い出すようにする。
頭がいいと勘違いして、未来を予測できるものだと思ってしまうから。

未来を予測できると思っていると、予測できない未来に踏み出せない。
「分かる」ことに重点を置きすぎる。

だから「おいおい、頭のいい振りするなよ!お前しっかりバカなんだぜ!」と思い出すことで、「あぁ、そっか考えて分かると思っていたけど、この世界は分からないことだらけだぜ!」と前に進むことができる。

自惚れないようにしたい。

カウンセラーをやっていると「心のことはすべて分かる人」と思われてしまう。
20年近く勉強している。けど仕事として他の人より心と向き合う時間は多いから、少しだけ知っていることが多いだけだ。

分からないから一生懸命向き合うしかない。
分かっている気になると足元をすくわれる。

プールには底がある。潜って底にタッチできる。
でも、心の底はまだ見たことがない。底知れぬ心だ。

だから何度でも潜っていく。底が見えないから一人で潜るのは怖い。
一緒に潜っていく。カウンセラーとしてバディになって。言葉を手がかりに。


2023/10/25(水)


朝からカフェで仕事をする。

日記を書いていると自分が文章に対してサボっていたことに気が付く。いや、気が付いていたのに、受け止めていなかった。やり残した宿題の存在を必死に忘れようとしていた。

同じ料理でも「真心を込めて作った料理は美味しい」と表現されるように、言葉と誠実に向き合うことで文章は変わってくる。

スープの温度、ご飯のよそい方、お皿の並べ方、野菜の切り方、お肉の火入れ、些細な違いがその食卓の温度も変えてしまう。文章も同じだ。

ちょっとした言葉の使い方、リズム、さらけ出す腹の括り方、思考の深度、その些細な違いが文章を変えていく。読み手に与える印象をガラリと変わる。

カウンセラーとして客観的な情報を不特定多数の人に向けて書くときは、どうしても冷めた文章になる。教科書が分かりやすいかもしれない。情報的には正しいけど、教科書を読んで胸が高まることはない。

冷めた文章が悪いわけでもないし。
カウンセラーが冷めた文章を書かなければいけないわけではない。
ただ、不特定多数の人が読むことを想定するとどうしても誤解を生じない書き方になる。

読む物語として日記を書くときに、冷めた文章はいらない。客観的な情報よりもその人が生きた「ナマもの」が読みたいからだ。そこに情報や客観性がなくても、生きた言葉があればいい。

それが熱を帯びた文章になる。

カウンセラーとして文章を書くことに慣れすぎていたかもしれない。でも、本当にしたいことは生きた温度を感じられる文章を届けること。

より深く言葉と向き合っていきたい。

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