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山岸章外伝

 Wikipediaの日本労働組合総連合会のページを見ると官公労=自治労みたいになっていますが私の田舎では基本的に安定した公務員のお仕事といえば民営化が進んでいたとは郵便局とNTTだったわけです。実を言うと私は高校から就職する場合父や母も学校の先生からも郵便局を薦められました。郵政民営化と言われたものの郵便局は絶対安定、これほどいいものはない!と言う当時の大人の言うことは熱かったです。もしあの時従っていればこのノートはJP労組組合員の書いたものか民営化の影響で結局別の仕事で愚痴を吐くことになっていたのか分からないですね。今は自分の若さをちょっとだけ後悔していますが、当時はとにかく田舎から出たかったんですよ。ただ合理化民営化無駄削減と言いつつ結局自分たちに利権をつけ替えているだけの人間たちに私の故郷は奪ってほしくないですね。あの頃と随分様変わりしました。

連合会長の出身組織は旧同盟大企業ばかり!本当に?

 現在の連合会長である芳野友子はミシンシェアNo.1のJUKI労組出身。と言っても有名企業ではないですね。これこそWikipedia見ればわかると思うのですがトヨタなどこれぞ日本の大企業労組から会長職を出してないんですよ。特にトヨタは経団連でも会長を務めた大企業で労組も取ったらいらないやっかみも買うかもしれないからあまり重要なポジションに就きたがらないと言う理由もあるんですよ。パナソニック労組出身の古賀伸明は確かに大企業ですがパナソニック労連は別に旧同盟ではないです。個人的に1番好きな会長だった笹森清は東電労組出身ですが、笹森自身は西欧社会民主主義と現代進歩派の重鎮だった人で全労連との共同作業も当時では珍しく前向きな人でした。あまり誌名は出しませんが、夕刊なんとかだとか日刊なんだとかの連合評は当てにならないのですよ。とっくに過去の歴史になっている総評と同盟で今更分裂する組織な訳ないでしょう。そんな時代知っている人はもうほとんど引退しました。いつまでも冷戦時代の労組評だと流石に読者に見透かされます。

山岸章が統一を成し遂げたのか?

 歴史に名を残しているのは山岸章ですが、多分多くの冷戦頭の人は山岸を同盟出身の製造業労組だと思っているかもしれませんが彼は全電通現在のNTT労組出身です。だから民主党が政権を獲得する前に労働組合として異例の資金力を見せたのですがその話はまた今度です。初期の連合会長山岸章、事務局長ゼンセン同盟の山田精吾、会長代行藁科滿治の集団指導体制でした。本当は藁科が初代会長になる予定でしたがこの時だけ総評と同盟が少しだけ対立をし大きく妥協しました。山田は早逝し藁科は後に参院議員になりました。ですがその3頭体制が1番安定しました。連合会長山岸章は独裁者ではなく労働界の統一は別に山岸章が発案者ではないのですから。

先駆者、宝樹文彦

 元々労働戦線統一を叫んでいたのは全逓委員長宝樹文彦でした。彼がそう主張したのは1970年。沖縄が日本に復帰する2年前です。宝樹は民社党や総評から離脱した産別が将来合流することを見越して数々論文を発表し、いずれ政権交代の道筋をつける労働運動家でした。すでに山岸章の構想は真新しいものではなく高度経済成長が終わって産業が安定期に入ってから新しい運動を起こそうとしました。ただ実際に民社党や旧同盟は選挙が弱く小勢力だったのでこのままでは普通に吸収合併される危機感がありました。地方に多かった社会主義協会系の社会党員や組合員からの突き上げもあり翌年全逓委員長を辞任。国際郵便電信電話労連の活動も総評官公労系では珍しかった時代に率先して参加した1人の偉人だったと思います。

大物だった山岸章 失敗の理由は

 日本はまともな政権交代がない国でした。危機感を持った山岸ら有志がまずは社会党と民社党を立て直し政権獲得能力を身につけさせようと大いに走り回りましたが結果としてもう柱が腐っていた社会党と民社党はこれ以上上がり目がなく連合はさきがけや日本新党の立候補者を推薦しました。そう言った判断は間違いではなかったのですが連合に関わった政党は全て解党しています。こう言っては難ですが見る目がなかったとも言えます。堪え性もなかったのかもしれません。現在民主党系が維新に都市部では比較的に押されている結果をみると労働組合の政治活動が、その戦略眼が間違いだったと言う意味なんでしょうね。前にも少し触れましたが人数が大きくなることは派閥ができることです。私は企業別労組の全てを否定しませんが労連のボスや産別の幹部ばかり表に出てくる現在の日本労働界は異様です。もっと連合がナショナルセンターが影響力を行使して社会運動に邁進すべきだと思います。芳野会長続投派ですが、大阪万博のような労働者の命の危機に関わる事業なら今から辞表を叩きつけて異常な新自由主義者たちと闘いましょう。合理化を推進し自分たちの財布は膨らみ続けスターリンのような人命軽視の国際大会はいらない。労働組合はワールドカップの汚職事件の当事者になっています。だから日本の労働組合が世界の労組にお手本を見せれるように!

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