見出し画像

森を買い、プライベートキャンプ場をつくる

1.ご案内

 この記事では、私が、プライベートキャンプ場「LABOLIER|ラボリエ」づくりをスタートした経過や考え方をまとめました。

★こちらのWEBサイトにて、最新状況など掲載中
 https://labolier.jp/

2.きっかけ

 キャンプが好きだ。

画像6

 日々、コンクリートで囲まれた都会で暮らし、ずっとパソコンと向き合って仕事をしている。それで1日の大半は終わる。そんな環境で過ごしていると、「生きている実感」を得にくくなる。「自分は死ぬかもしれない」という体感がなければ、今、生きていることの貴重さは感じられない。(もちろん、病気になるなどすると、体感はできるのだが。)

 それをお手軽にかなえてくれるのが、キャンプだった。自然の中に身を置き、その自然の大きさと、自分のちっぽけさを感じ、生きていることに感謝する。そしてまた、都会の日常に戻ると、活力が湧き、がんばれる。

 そんなキャンプも、ここ数年、空前のアウトドアブームで盛り上がってきている。伴い、キャンプ場もより整備され、予約サービスなども充実し、メーカーの新商品開発も活発になっている。これ自体は、非常に喜ばしいことだ。

 ただ、同時に、少し窮屈さも感じはじめている。それだけの人が動けば、秩序を守ることが従来以上に必要になってくる。特に、価値観の違う人たちが集まるならば、コンフリクションを防ぐため、明文化されたルールが必要だ。

 そんな法律があるわけではないので、場を提供するキャンプ場が、より細かいルールを制定するようになった。焚火の直火は禁止、22時には消灯時間、音楽禁止、花火禁止、ペット禁止、3組以上のグループ禁止、、、キャンプ場に行くと、様々な禁止事項が並ぶようになった。これで人々が敬遠するのではなく、予約がとれないほど人気のキャンプ場ほど、ルールをきちんとつくっているところが多い。それによって、キャンパーも安心して行ける、ということだろう。

 当然、そのルールの中で楽しむのだが、単純に、「人に決められたルールに従う」のは、私はどこか窮屈に感じてしまうのだ。

 1つの解決策は、「自分のルール」と近い価値観のキャンプ場を選ぶ、ということだ。それなりの期間のキャンプのキャリアがある中で、「自分はこうしたい」という無意識での基準はある。それと近しいキャンプ場を選べば、ルールを意識せずとも問題ない。ただし、これができるのは、ソロで行く場合と、同じ価値観のメンバーで行く場合だ。

 一方で、新たな発見を得るためにも、多様な人と行きたい、とも考えているので、基準はいつもバラバラになる。都度、そのメンバーにとって適切な基準な何かを考える。子どもがいるか、大人だけか、初心者がいるか、ベテランだけか。どのキャンプ場へ行くかを決めるとき、そのメンバーに、そのルールが合うかを必ず考え、最適なキャンプ場を選ぶようにしている。

 ただ、ここ数年、その検討や調整に、かなりの時間と手間をかけていることに、ふと気づいた。そして、必ず、どこかが合わない。ベターで選んでいるが、ベストではないのだ。

 そんな中で、本当に自分がしたいキャンプができているのか。もしくは、一緒に行くキャンプ仲間に、本当にしてほしいキャンプを提案できているのか。結論、できていない、と考えた。

 今あるキャンプ場でできないのであれば、つくるしかない。その都度、メンバーによって変動する、自分たちがしたいキャンプに臨機応変に対応できる場。それは「プライベートキャンプ場」だ。

 自分たちだけのための、自由なキャンプ場をつくろう。

 そんなことを考え、検討をスタートした。

3.森を買う

 まずは、場所の確保。キャンプ用地として、山林を手に入れることが必要だ。半年かけて探し、千葉の九十九里浜にほど近い、小さな森の一角を買うことができた。(どのように探したか、探すコツなどは、ラボリエのWEBサイトに詳しく記したので、ここでは割愛したい。)

 その森は、こんな場所だ。

 この竹林を刈って、キャンプ地を確保したり、

001_竹林

 この竹林を刈って、道をつくったり、

画像2

 この水路に、橋を架けたり、

004_水路

 キャンプできるようになるまでにも、ハードルがたくさん。それをクリアしていくだけでも、チャレンジだ。ワクワクしてくるし、今まで経験したことがないから、新たな経験値を積める。

 実は、この森は、「理想の場所」ではなかった。
 理想を言うなら、例えば、キラキラした夜景が見える高台。


画像7

 他にも、海が目の前で、水平線に沈む夕陽が見える、清流で山女魚が釣れる川沿い、など、そんな場所を探していたが、なかなか得難かった。

 それでもここを選択したのは、ベストではないが、ベターであること。そして、ここを1st ステップとして経験値を積めたらよい、と考えたからだ。また数年後、2nd ステップ、3rd ステップで、新しい場所も探していきたい。そんなロードマップを引いて、ここを買うことを決断した。

4.ラボリエのコンセプト

 ここの場所で目指すのは、「自由なキャンプ」だ。そして、もう少し目指す方向感を定めておきたかった。自分のやりたいキャンプを改めて言語化することと、一緒につくっていく仲間と共通理解を得ること、そのためのコンセプトだ。

 自分がキャンプを楽しく続けていくにあたり、いつまでも大切にしたいことは何か。やり続けたいことは何か。時間をかけて、書き出してみた。

 自然との共生、仲間との一体感、地域との調和、・・・全て大事だが、これらは、当然、大切にしたいことだ。あらためて定義するとしたら、とふるいにかけた時に、2つが残った。

 1つめは、「新しさ」だ。いつまでも、新しいことに挑戦しつづけること。ずっと同じようなキャンプをするのでなく、少しずつでも、変えていきたい。また、普通のキャンプ場ではできないことにも、挑戦してみたかった。例えば、土を掘って、食材を埋めて、その上で焚火をして蒸す料理。これは、一般のキャンプ場ではやらせてもらえないことの1つだ。

 また、この新しさは、その人にとっての新しさ、と定義した。キャンプを始めたばかりの人にとっても、刺激的な体験を提供して、キャンプ仲間を増やしていきたいと考えた。

 2つめは、「美しさ」だ。美的センスは人によって異なり、好みもあるので、”これが美しい”と一概に定義はできない。ただ、造形にはこだわりを持ち、常に考えていたい、と考えた。その積み重ねが、全体としてストーリーとなり、魅力的な場づくりにつながるはずだ。

  また、ここに関わる人が、過去に積み重ねてきたもの、その考え方やセンスを活かして、何かこの場に残してくれたら、いろんな化学反応がおきるかもしれない。そういった願いを込めた。

画像4

 そこで、新しいことを試す場としてのラボラトリーと、美しい表現物をつくっていく場としてのアトリエをかけあわせ「ラボリエ」とした。これを、場づくりのコンセプトネームとして決定した。

 また、これから中長期で、新たにより魅力的なロケーションへも展開する発展性も考慮し、今回の場のネーミングとしては、「ラボリエ・フォーレ・九十九里」とした。

画像5

 ちなみに、後ろの三角形は、今回の森の土地の形だ。たまたまこの不思議な形をしていた。

 もし次に新しいキャンプ地を手に入れた際には、その地名と、土地の形を反映して、新たなネーミングとロゴをつけていきたい。
(LABOLIER île IZU=伊豆の島、とかいいな・・・)

 このように、大きな方向感と、考え方はまとまった。あとは、開拓を進めていくだけだ。

5.開拓スタート

 これから、開拓の進捗などは、こちらを通じて、発信をしていきたい

WEBサイト
YouTube
Instagram

 まずは、本日現在(2020/9/1)、歩ける道をつくり、竹でつくった簡易な橋を渡し、森を拓いて、ソロでキャンプができるようになるところまでは開拓できた。

 これから、ここで、どんな新しいことにチャレンジし、表現をしていけるか、楽しみだ。アイディアはたくさんある。1つずつ、形にしていきたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?